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有馬記念・G1(12月22日、中山・芝2500メートル)で秋3冠を狙うドウデュース(牡5歳、栗東・友道)が、右前肢ハ行のためラストランを予定していた有馬記念への出走を取り消しました。
調教師の友道氏は「これだけの馬なので何かあってはまずいので。ファンの皆さんに申し訳ない」と謝罪しました。レース後に開催予定だった引退式は中止になります。
ファンとして非常に残念ですが、ドウデュースの体を第一に考えたスタッフの方々判断を尊重しましょう。
ドウデュースと武豊との戦績と振り返ります
ドウデュースの前評判はそこまで高くなかった
目前に迫った今年の総決算・大一番、第69回有馬記念において、堂々の主役として登場してくるのがドウデュースと、レジェンド・武豊騎手です。
現在のドウデュースに対してこんなことを言うのは失礼かもしれませんが、『現役最強馬はどの馬でしょうか?』という質問をされた時に、天皇賞・秋の前にはドウデュースだという人がどれくらいいたでしょうか?
イクイノックスが引退したからという理由もありましたが、昨年の有馬記念を制することが出来ました。
しかし、ドバイターフや宝塚記念での敗戦で、株が下がり、リバティアイランドやジャスティンミラノの存在もありましたので、『現役最強馬はドウデュースですよね?』と問われた時に、天皇賞・秋の前では、『そうです』と答えた人が20%いたかどうか。
それが天皇賞・秋、ジャパンカップを連勝したこと、リバティアイランドの復活が途上なこと、ジャスティンミラノがいなくなったこと、ダノンデサイルも菊花賞をまけたことで、
いまや現役最強馬はドウデュースですよねと問われた時に、違うという人は殆どいないでしょう。
最強と言われたイクイノックスにも黒星をつけた
思い返せば、あのイクイノックスがまだ体質が弱くて、完成途上だったとはいえ、負けたことがあるのは、皐月賞のジオグリフとダービーでのドウデュースだけ。
それだけでもすごい馬だとわかりますが、16戦8勝とG1を5つも勝っているのに勝率が半分しかないのは、同期にイクイノックスがいたことと、凱旋門賞やドバイターフに遠征したこともあるでしょう。
武豊騎手がすべて騎乗を務めた
特筆すべき点は、ユタカさん(=関西弁の発音で)が落馬負傷していた、昨秋の天皇賞・秋とジャパンカップで戸崎騎手が代打騎乗した以外はすべて武豊騎手が乗っています。
あのディープインパクトもすべてがユタカさんの騎乗でしたが、落馬負傷さえなければ、ドウデュースもそうなっていたはずです。
すべてユタカさんに乗ってもらうというのはすごいことで、覚醒後のあのサイレンススズカだって、それが叶っていませんので、この観点からもドウデュースはすごい馬です。
武豊騎手と有馬記念
武豊。言うまでもなく競馬界のレジェンドで、私は国民栄誉賞をもらうべきだと思っています。
正直なところ、私は若いときのユタカさんはそんなに好きではありませんでした。
私の馬券スタンスと同じで、むしろ、蛯名正義派でしたね。
『蛯名正義日本一いぃ』と何度叫んだことか(笑)
ですが、ザタイキでの落馬だったりアドマイヤの近藤オーナーとの対立あたりから考えが変わってきました。
もともと、ウイットに富んだ会話だったり、競馬界全体のことを考えての行動だったり、自然と、ユタカさん(=関西弁で)と呼べるようになってきました。
今では、『ユタカさんに対するリスペクトのないやつはダメだ』と、岡部元騎手に対して同様の敬愛に溢れていた、かつての後藤浩輝元騎手のような感覚かもしれません。
その武豊騎手ですが、オグリキャップやディープインパクト、キタサンブラックの引退レースで、『さすがは千両役者やな、期待を裏切らない』という印象深い有馬記念を演じています。
しかし、1988年のスーパークリークでの失格から始まって、有馬記念では、
【 4 8 2 19 】
と、もちろん素晴らしい成績なのですが、思ったほど勝てていない、2着や着外が多いなという印象を持ちます。
あのディープインパクトにしても3歳時は負けさせていますし、サトダイさんが強かったとは言え、キタサンブラックも負けさていますし(=この時は順当負けの感じも)、メジロマックイーンでも、マーベラスサンデー(=これはサクラローレルが強かった、シルクジャスティスのときは骨折明け)でも2着だった。
もちろん、オジュウチョウサンとかアリストテレスでなんとかしろと言われても酷なのですが、イメージほど有馬記念で活躍できているわけではない、総合的に”有馬記念オトコ”というわけではないと言えるのではないでしょうか。
有馬記念4勝とユタカさんと数は同じですが、池添騎手の方が、有間記念ではすごく活躍している印象があります。
武豊騎手とドウデュース
「ドウデュースも私も帰ってきました」
印象的で感動的だった、あの有馬から1年、堂々の主役としてあの舞台に帰ってくるドウデュースと武豊騎手。
もちろん、頑張って欲しいなと思っていますし、ドウデュースが勝っての引退式&堂々と年度代表馬に就任するこtが、イクイノックスの強さをより際出させることともなりましょうから、ストーリーと言いますか、興行的にはそれが一番でなことは、ドウデュースは負けると思っている私としても、一競馬ファンとしての立場からは願うところです。
筆者と有馬記念
ずっと東京競馬場の近くに住んでいる私からすれば、中山遠征はけっこうキツかったりします、加齢による衰えが激しい近年、都営新宿線の急行も現実的ではなくなっていますので、なおさらです(笑)
ですが、もちろん、今年も行きます!
私にとっての最初の有馬記念は、あっと驚くダイユウサクのメジロマックイーンが負けた年からでしたが、メジロパーマーの逃げ切り、トウカイテイオーの感動の復活、ナリタブライアンってつぇえなだったり、大外ぶんまわしのヒシアマゾンでは無理でしょうといった、いわば素人の時代からも、やはり特別なレースでした。
実は、有馬記念で100万円の勝負を2度しています。
2003年のシンボリクリスエス、2008年のダイワスカーレットでともに単勝を100万円買いました。
配当も奇しくもどちらも260円だったのですけども、普通に考えれば、こんれらが260円もつくこと自体がオイシイ。
特に、ダイワスカーレットは3歳だった前年は勝てないと思いましたが、4歳時には負けないと思えましたので、今でも鮮明に記憶に残っています。
ただ、この2頭がモノサシとなっているので、ドウデュースはもちろん、他の馬にも100万円なんてとても買えません。
私にとっては、かつては相性の良いレースでしたが、サートゥルナーリアの単勝で撃沈した2019年以降下の波線から抜け出せていないような気もしすけども、ドウデュースやユタカさんのファン(=私もユタカさんのファンですが 笑)の方には申し訳ないですけども、今年はそれを抜け出せると感じています。
いずれにせよ、有馬記念、すごく楽しみで、昔の感覚なら、金曜くらいから、並んででも行きたいですね。
大いに、ともに、楽しみましょう!
【筆者:競馬ナビ編集部 高山】