高知では久しぶりの重賞開催。高知所属限定の短距離重賞となり、この後に控える建依別賞へのステップレースとしても開催されるこの競走。
今年はメンバーもそろい、高知代表決定戦としての意味合いも持ちます。
習志野きらっとスプリント2024の基本情報
開催日時 | 2024年7月21日(日) |
グレード | 高知重賞 |
開催競馬場 | 高知競馬場 7R |
コース | ダート1,300m |
コース解説
スタンド前からスタートし、230mの直線を走った後コーナーに向かっていきます。
激化する先行争いを制せるかは注目ですが、先行できることが好走への絶対条件に近いようなこの短距離では、ゲートのうまさもかなり明暗を分けます。
ダッシュ力のない馬が内枠に入った場合、それだけでも評価を落とす要因にはなりえます。
ここを意識して予想するのは重要なポイントでしょう。
出走表
印 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 所属地区 | 調教師 | 前走 | 当該距離 | 当該距離+競馬場 | 寸評 | 短評 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
◎ | 1 | 1 | ヘルシャフト | 牡7 | 57 | 𠮷原寛人 | 高知 | 打越勇児 | オグリキャップ記念 2着 | 4-0-0-1 | 4-0-0-1 | 絶対王者 | 高知では無敵の強さを誇る短距離王者。この舞台では負けられない。 |
2 | 2 | ダノンジャスティス | セ8 | 57 | 畑中信司 | 高知 | 別府真司 | ルビー特別 2着 | 0-1-0-4 | 0-1-0-1 | 道中カギ | 絡まれずに先頭に立てれば一発があるが…テンのダッシュでハナを取れるかどうか。 | |
3 | 3 | ナムラボス | 牡7 | 57 | 多田羅誠 | 高知 | 工藤真司 | 第2回びあんど特別 8着 | 1-0-1-0 | 1-0-1-0 | 近走案外 | ここ2戦は好位から全く伸びきれないレースが続いているのが気がかり。体調が万全に戻っているか。 | |
▲ | 4 | 4 | ペイシャワキア | 牡5 | 57 | 岡遼太郎 | 高知 | 中西達也 | 第2回びあんど特別 1着 | 2-2-0-4 | 2-2-0-2 | 展開注文 | 前が流れれば素晴らしい脚を使うが、前が止まらずそのまま終わることもしばしば。展開の利が必要か。 |
5 | 5 | グッドヒューマー | セ10 | 57 | 宮川実 | 高知 | 打越勇児 | 福永洋一記念 1着 | 8-4-1-7 | 2-0-1-0 | 連勝狙う | 前走はユメノホノオを封じた完璧な逃げ。年明け直後に1400mも逃げきっており老いて益々盛ん。 | |
〇 | 5 | 6 | スリーグランド | 牡7 | 57 | 岡村卓弥 | 高知 | 目迫大輔 | ざんちゃん2歳特別 2着 | 7-7-3-11 | 2-0-0-0 | 実力確か | 3年前の黒船賞で1番人気に推されていた経験もあり。往年の末脚は鳴りを潜めているが逆に逃げて強い。 |
△ | 6 | 7 | デシジョン | 牡5 | 57 | 永森大智 | 高知 | 西川敏弘 | ルビー特別 1着 | 2-0-1-0 | 2-0-1-0 | 好走期待 | 年明けから10戦続けて馬券圏内。数々の強豪と好走を繰り広げてきた経験はここでも活きるはず。 |
6 | 8 | ロイズピーク | 牡5 | 57 | 赤岡修次 | 高知 | 宮路洋一 | ルビー特別 7着 | 5-2-0-2 | 5-2-0-1 | 前走案外 | 2走前はユメノホノオ相手に食い下がる強い走り。前走は度外視でも良し。 | |
7 | 9 | ニシノキントウン | 牡9 | 57 | 妹尾浩一 | 高知 | 打越勇児 | 6/23高知AB混合1600 3着 | 2-0-2-3 | 2-0-2-3 | 評価二分 | 除外となった前走から立て直せているか。しかし2走前もバリチューロに完敗。レースレベル自体は高そうなだけに。 | |
△ | 7 | 10 | バリチューロ | 牡6 | 57 | 井上瑛太 | 高知 | 倉兼育康 | 6/23高知AB混合1600 1着 | 2-0-1-0 | 2-0-1-0 | 適性高く | 連勝の内容は横綱相撲で悪くない。4走前はスリーグランドに0.3もあり侮ると痛い目に合うか。 |
8 | 11 | スリーヘリオス | セ9 | 57 | 城野慈尚 | 高知 | 工藤真司 | 第2回びあんど特別 6着 | 2-1-2-6 | 2-1-2-5 | 展開不利 | 出脚がペイシャワキア以上につかないため好走にはかなりのハイペースが必須。 | |
8 | 12 | ヒカリオーソ | 牡8 | 57 | 林謙佑 | 高知 | 別府真司 | ルビー特別 6着 | 4-1-1-2 | 4-1-1-2 | 下降線か | カワセミ特別を勝ったとはいえこのメンバー相手では見劣り始めた。年もありそうで… |
現高知短距離路線でトップクラスの実力を持つヘルシャフトが出走。
挑むは善戦を続けているデシジョンや、前走でユメノホノオを下したグッドヒューマーなど。JRA時代に重賞でも好走したスリーグランドなども出走し、高知の代表決定戦として相応しいメンバーではないでしょうか。
佐賀王冠賞の傾向
※2014年~2023年の統計データ
人気傾向
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 6-2-0-2 | 60% | 80% | 80% |
2 | 3-5-1-1 | 30% | 80% | 90% |
3 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20% |
4 | 0-1-3-6 | 0% | 10% | 40% |
5 | 1-1-3-5 | 10% | 20% | 40% |
6 | 0-1-1-8 | 0% | 10% | 20% |
7以下 | 0-0-0-39 | 0% | 0% | 0% |
上位2頭はほとんどといっていいほど1,2番人気で決着します。
地方重賞で良くある「残り1枠突っ込んでくるカードを探す」という人気傾向レース。
3番人気の好走が少ない代わりに4,5番人気は良好。このあたりから探すのがベストでしょうか。
7番人気を下回ると10年間で馬券圏内なしのため、よほど好条件の馬でない限り消しでもいいでしょう。
過去5年の配当と傾向
2019年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❼⑧ | 110 | 100 | 420 | – | 420 | 460 | 180 | 1820 | 3180 |
2着 | ❹④ | 150 | 400 | |||||||
3着 | ❷② | 270 | 850 |
2020年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❼⑨ | 160 | 110 | 270 | – | 270 | 400 | 140 | 430 | 1130 |
2着 | ❽⑩ | 110 | 210 | |||||||
3着 | ❸③ | 150 | 260 |
2021年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❹④ | 140 | 100 | 210 | 240 | 310 | 150 | 850 | 1850 | |
2着 | ❽⑩ | 110 | 270 | |||||||
3着 | ❸③ | 220 | 580 |
2022年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❸③ | 230 | 110 | 190 | 180 | 410 | 130 | 590 | 1980 | |
2着 | ❽⑪ | 100 | 420 | |||||||
3着 | ❻⑧ | 200 | 310 |
2023年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❽⑨ | 150 | 100 | 1390 | 1210 | 1540 | 430 | 1730 | 7460 | |
2着 | ❺⑤ | 340 | 180 | |||||||
3着 | ❼⑧ | 150 | 1150 |
万馬券がひとつも出ていないという平穏なレース。
儲けを増やしたいのであれば固めから厚く張って勝負する、というのが非常に向いているレースです。
逆に点数を広げすぎるとトリガミの危険性が増すため、絞った方が良いレースとなります。
◎ 基本的には固い決着。大きく儲けるならば厚く張るしかない。
枠傾向
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 1-1-1-7 | 10% | 20% | 30% |
2 | 1-1-1-7 | 10% | 20% | 30% |
3 | 2-0-2-5 | 22% | 22% | 44% |
4 | 2-3-0-5 | 20% | 50% | 50% |
5 | 0-1-0-10 | 0% | 9% | 9% |
6 | 0-1-3-9 | 0% | 7% | 23% |
7 | 3-0-1-14 | 16% | 16% | 22% |
8 | 1-3-2-12 | 5% | 22% | 33% |
コース解説で述べた通り、このコースはスタートからのダッシュ力がかなり重要です。
故に、5枠のような真ん中枠はテンの勝負で負けると内外から挟まれかなり窮屈なレースを強いられます。その展開に嫌気がさしてそのまま…ということもあります。
一番複勝率のいい3,4枠は深めの砂を避けつつレースを進められるため、かなり有利な枠です。有力馬が入っていれば問答無用でかいでもいいかもしれません。
◎ 短距離戦だけに5~8枠のゲートのうまさ、ダッシュには気を付ける。3,4枠は警戒。
脚質傾向
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 1-3-3-5 | 8% | 33% | 58% |
先行 | 5-4-1-16 | 19% | 34% | 38% |
差し | 4-3-4-28 | 10% | 17% | 25% |
追込 | 0-0-2-20 | 0% | 0% | 9% |
勝率こそ安定していないものの、やはり複勝率ではダントツなのが逃げ馬。
連軸等を買うのであればこの率に逆らわない方が良いかもしれません。
◎ 逃げ馬は要チェック。
年齢傾向
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
5 | 0-2-2-11 | 0% | 13% | 20% |
6 | 2-2-1-19 | 8% | 16% | 20% |
7 | 1-2-2-17 | 4% | 13% | 22% |
8 | 2-4-1-8 | 13% | 40% | 46% |
9 | 2-0-3-5 | 20% | 20% | 50% |
10上 | 2-0-1-3 | 33% | 33% | 50% |
性別 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
セ | 1-1-1-9 | 8% | 16% | 25% |
牡 | 6-7-8-68 | 5% | 14% | 17% |
牝 | 3-2-1-28 | 8% | 14% | 17% |
老雄がしっかりと活躍する高知の傾向らしく、8歳以上の馬の活躍がかなり目立ちます。
逆に若馬たちの好走率はそれほど高くありません。競馬の定石ともいえる「高齢馬を疑え」の観点は、このレースでは捨てた方が良いでしょう。
◎ 年齢できるのはナンセンス。しっかり近走を見極める。
前哨戦データ傾向
前哨戦のデータから見えてくる傾向を読み解いていきます。
ポイント1 1400m戦は連対以上必須!?
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|
1400 | 1-2-6-34 | 2% | 7% | 20% |
1600 | 5-5-3-22 | 14% | 28% | 34% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
---|---|---|---|---|
前走連対以上 | 1-2-5-21 | 3% | 10% | 27% |
3着以下 | 0-0-1-13 | 0% | 0% | 7% |
1400mと1600mで前哨戦を比較した際、1400mは【1-2-6-34】1600mは【5-5-3-22】。
このうち1600m戦はバランスよくどの着順からでも好走していますが、1400m戦は連対以上が【1-2-5-21】な一方、3着以下は【0-0-1-13】とかなりの不振。
10年間でこのデータだと、流石に無視しづらいデータです。
・ヘルシャフト
・ペイシャワキア
・スリーグランド
・デシジョン
・ナムラボス
・スリーヘリオス
・ヒカリオーソ
参考レース① 黒船賞(Jpn3)
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | ❻ | ⑧ | ヘルシャフト | 牡7 | 56 | 𠮷原寛人 | 1.28.0 | 0.4 | 39.4 | 6 |
先手を取ったシャマルを目標にしながら進めていったヘルシャフト。
4コーナーでの手応えもよく「もしや!」と思わせてくれる走りだったが、この後かしわ記念を勝つシャマルの成長した逃げに屈した形となった。
それでも地元および地方馬最先着で2着の成績は立派であり、この後も期待できずにはいられない走りだった。高知では依然トップクラスの馬であろう。
参考レース② 鈴ヶ森特別
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❻ | ⑥ | スリーグランド | 牡7 | 56 | 妹尾浩一 | 1.22.7 | – | 38.3 | 2 |
3 | ❺ | ⑤ | バリチューロ | 牡6 | 56 | 井上瑛太 | 1.23.0 | 0.3 | 38.3 | 6 |
スリーグランドが逃げ、そのまま後続を寄せ付けずに押し切るという人気に応えたレース。
かつては4角後方から途轍もない末脚で追い込んできたこともある同馬だが、中央後期から見せ始めていた先行の戦法は高知で完全に板についた。
直線、若干内に斜行してサトノアレックスの進路を妨害していた形ではあるが…
ただ、勝ちタイムはトレノ賞の勝ち時計(22,23)の水準であり、次走も大いに期待できるだろう。
参考レース③ AB混合戦
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❶ | ① | バリチューロ | 牡6 | 56 | 畑中信司 | 1.42.3 | – | 38.7 | 3 |
3 | ❸ | ③ | ニシノキントウン | 牡9 | 56 | 永森大智 | 1.43.1 | 0.8 | 39.8 | 2 |
不良馬場というのも相まって先行馬有利の展開に。スタートから先団で進めた3頭がそのままゴールインを決めたという流れだった。
バリチューロ自身しっかりテンも速く、次走以降もすんなり先団には取り付くことができそう。2着のグリーリーも次走で混合戦を勝利しており、上位3頭はこの後の走りにも期待できる。
参考レース④ 第2回びあんど特別
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❽ | ⑨ | ペイシャワキア | 牡5 | 56 | 岡遼太郎 | 1.30.0 | – | 38.6 | 5 |
6 | ❶ | ① | スリーヘリオス | セ9 | 56 | 多田羅誠 | 1.31.4 | 1.4 | 38.6 | 8 |
8 | ❸ | ③ | ナムラボス | 牡7 | 56 | 永森大智 | 1.32.4 | 2.4 | 42.2 | 1 |
グランドボヌールがかなりのペースで飛ばし、向こう正面の時点で後方集団とはかなりの差があった。しかしそこから進出し、外から直線で全馬を撫で切ったのがペイシャワキア。
およそ1年ぶりの復活勝利を飾ったものの、凡走していた原因には先行馬にスタートからしばらくついていけなかったというのも関係していそう。好走には展開の利が必要そうで、この勝利ですぐに次走もとはいかないか。ナムラボスは本来の行きっぷりではなく仕上がっていなかった可能性もある。次走で見直したいところか。
最終見解
◎は①ヘルシャフトに自信を持って打ちます。黒船賞での好走もさることながら続くオグリキャップ記念もややプレッシャーをかけられながらのレースでしたがしっかり好走。地元に戻ってきたここではこの後も考えて負けられないでしょう。コース相性も良く完勝も期待できそうです。
〇には⑥スリーグランドを。近走は逃げや好位での競馬が多いですが、元々は後方からもレースができる馬。脚質の幅はメンバーの中でもかなり広いほうで、どんなペースでも対応できます。逃げが多いここでも番手から器用なレースができるのではないでしょうか。
▲は前が速くなりそうという期待を込めて前走鮮やかな差し切りを見せた④ペイシャワキア。以下、好走を続ける⑦デシジョン、⑩バリチューロまで印を回します。
〇 ⑥スリーグランド
▲ ④ペイシャワキア
△ ⑦デシジョン
△ ⑩バリチューロ