中央でも函館2歳Sが終わり、ここから2歳重賞が地方中央問わず増えてきます。
そして門別2歳重賞第2弾、リリーカップ。
秋に控える2歳短距離重賞のエーデルワイス賞を見据える馬たちにとっては、ここで結果を出しておきたいところです。
リリーカップ2024の基本情報
開催日時 | 2024年7月25日(木) |
グレード | H3 |
開催競馬場 | 門別競馬場 12R |
コース | ダート1,000m |
コース解説
2コーナー奥ポケットからスタートし、コーナーはワンターンのつくり。
JRAの競馬場で言えば、福島のダート1150mがやや近いイメージでしょうか。
当然先行争いは激化。ペースが速くなれば外差しのきく競馬場だけに差し馬の台頭も全く珍しくありません。
出走表
印 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 所属地区 | 調教師 | 前走 | 当該距離 | 当該距離+競馬場 | 寸評 | 短評 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
△ | 1 | 1 | ゼロアワー | 牝2 | 55 | 𠮷原寛人 | 北海道 | 佐々木国明 | 栄冠賞 3着 | 4-0-0-1 | 4-0-0-1 | 絶対王者 | 高知では無敵の強さを誇る短距離王者。この舞台では負けられない。 |
◎ | 2 | 2 | リオンダリーナ | 牝2 | 55 | 石川倭 | 北海道 | 小国博行 | JRA認定ウィナーズチャレンジ 1着 | 0-1-0-4 | 0-1-0-1 | 道中カギ | 絡まれずに先頭に立てれば一発があるが…テンのダッシュでハナを取れるかどうか。 |
▲ | 3 | 3 | ジャイヴトーク | 牝2 | 55 | 落合玄太 | 北海道 | 田中淳司 | JRA認定ウィナーズチャレンジ 1着 | 1-0-1-0 | 1-0-1-0 | 近走案外 | ここ2戦は好位から全く伸びきれないレースが続いているのが気がかり。体調が万全に戻っているか。 |
4 | 4 | スティールブライト | 牝2 | 55 | 桑村真明 | 北海道 | 角川秀樹 | 栄冠賞 8着 | 2-2-0-4 | 2-2-0-2 | 展開注文 | 前が流れれば素晴らしい脚を使うが、前が止まらずそのまま終わることもしばしば。展開の利が必要か。 | |
〇 | 5 | 5 | クインタ | 牝2 | 55 | 阿部龍 | 北海道 | 角川秀樹 | 栄冠賞 9着 | 8-4-1-7 | 2-0-1-0 | 連勝狙う | 前走はユメノホノオを封じた完璧な逃げ。年明け直後に1400mも逃げきっており老いて益々盛ん。 |
6 | 6 | フルメタルレディ | 牝2 | 55 | 宮内勇樹 | 北海道 | 山口竜一 | カーネリアン特別 5着 | 7-7-3-11 | 2-0-0-0 | 実力確か | 3年前の黒船賞で1番人気に推されていた経験もあり。往年の末脚は鳴りを潜めているが逆に逃げて強い。 | |
7 | 7 | ボディコンシャス | 牝2 | 55 | 小野楓馬 | 北海道 | 小野望 | 栄冠賞 5着 | 2-0-1-0 | 2-0-1-0 | 好走期待 | 年明けから10戦続けて馬券圏内。数々の強豪と好走を繰り広げてきた経験はここでも活きるはず。 |
今年は小頭数の7頭立てとなりますが、栄冠賞の上位馬も参戦し仕上がりの早い馬が集った印象。
ここを制するとエーデルワイス賞への道筋も輝きを増していきます。
リリーカップの傾向
※2014年~2023年の統計データ
人気傾向
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 2-1-1-6 | 20% | 30% | 40% |
2 | 1-3-2-4 | 10% | 40% | 50% |
3 | 1-0-1-8 | 10% | 10% | 20% |
4 | 3-1-2-4 | 30% | 40% | 60% |
5 | 1-1-2-6 | 10% | 20% | 40% |
6人気以下 | 2-4-2-58 | 3% | 9% | 12% |
まだあどけない少女たちの共演とあって、人気はほとんどあてにならないといっていいでしょうか。
満遍なく上位5頭までは好走しています。3番人気のみ落ち込んでいますが…
あまり人気に気を取られない方が良いでしょう。
過去5年の配当と傾向
2019年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❹④ | 4 | 630 | 230 | 830 | 10,980 | 20,330 | 3,290 | 132,990 | 560,550 |
2着 | ❽⑬ | 9 | 550 | 6,210 | ||||||
3着 | ❹⑤ | 10 | 1,290 | 11,280 |
2020年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❸③ | 1 | 160 | 120 | 540 | 820 | 1,000 | 350 | 2,200 | 6,450 |
2着 | ❼⑩ | 6 | 240 | 380 | ||||||
3着 | ❽⑪ | 4 | 190 | 1,180 |
2021年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❺⑥ | 6 | 1,580 | 330 | 1,270 | 2,100 | 4,680 | 620 | 6,840 | 51,090 |
2着 | ❻⑨ | 2 | 160 | 1,840 | ||||||
3着 | ❺⑦ | 5 | 370 | 870 |
2022年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❽⑭ | 1 | 160 | 120 | 570 | 690 | 890 | 320 | 7,170 | 16,180 |
2着 | ❹⑤ | 4 | 200 | 1,960 | ||||||
3着 | ❻⑨ | 11 | 1,000 | 4,050 |
2023年 | 馬番号 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 枠単 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❻⑥ | 2 | 300 | 150 | 690 | 15,050 | 17,250 | 3,950 | 18,970 | 142,410 |
2着 | ❽⑩ | 9 | 1,660 | 470 | ||||||
3着 | ❷② | 4 | 210 | 6,640 |
3連単だけに限って見てもかなり配当の幅が広いです。
ちなみに、2018年の勝ち馬でこの後エーデルワイス賞を制したアークヴィグラスはこの時点で4番人気、2021年にこのレースを制し、現在も南関東牝馬戦線で主役を張るスピーディキックは6番人気と低評価でした。
人気馬だけに捉われず、素質を自身の目で見抜くというのがこのレースの定石になります。
◎ 固く人気通りの盤石レースではない。あらゆる可能性を探れ!
枠傾向
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 1-0-0-9 | 10% | 10% | 10% |
2 | 1-1-1-7 | 10% | 20% | 30% |
3 | 1-0-1-9 | 9% | 9% | 18% |
4 | 2-1-2-9 | 14% | 21% | 28% |
5 | 2-0-1-12 | 13% | 13% | 20% |
6 | 1-2-2-12 | 5% | 17% | 29% |
7 | 1-3-1-14 | 5% | 21% | 26% |
ここも大きな差はありません。
枠買いはしないほうが賢明です。
◎ 枠に夢中になってほかの要素を見落とさないように。
脚質傾向
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 5-3-3-9 | 25% | 40% | 55% |
先行 | 0-2-4-20 | 0% | 7% | 23% |
差し | 4-5-3-35 | 8% | 19% | 23% |
追込 | 1-0-0-20 | 4% | 4% | 4% |
1000mの分逃げ馬有利と思われがちですが、これがそうでもありません。
まだまだ幼い馬たちの戦いでは、1000mでも息が上がることもしばしば。
この時期に馬群でじっと我慢できる馬は強いです。狙うは先行馬。
また、大穴を狙うなら差し、追い込みの一閃にも注目です。
◎ 安定を狙うなら先行 大穴に賭けるなら上り3F最速を狙え!!
前哨戦データ傾向
前哨戦のデータから見えてくる傾向を読み解いていきます。
ポイント1 1000m戦の持ち時計は1.01.2以下を狙うべし
門別では1000m、1100mでの2歳戦も開催。ここの切り捨てはズバリ「走破タイム」
1000mは1.01.2以下が好走しているというのは栄冠賞と変わらないのですが、逆に1.02.6以上の持ち時計だと馬券内確率はゼロと厳しい数字です。
この2つの数字には着目した方が良いでしょう。
・前走1000m(1.01.2以下)
・リオンダリーナ(1.00.6)
・ジャイヴトーク(1.01.2)
ポイント2 1200m戦消し対象 1.14.9以上と…?
まだデータが少ない2歳戦とはいえ、1200m戦で1.14.9以上の走破タイムだと【1-2-1-16】かなり好走には厳しい数値。これに前走着外(4着以下)を合わせると【0-1-1-11】と勝率は0。
どうしても迷って絞れないときは着外馬は頭固定消し、でも吉です。
・前走1200m走破タイム1.14.9以上かつ着外
・スティールブライト
・クインタ
・ボディコンシャス
参考レース① 6/19 栄冠賞
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | ❹ | ⑩ | ゼロアワー | 牝2 | 55 | 井上瑛太 | 1.14.6 | 0.3 | 38.5 | 1 |
5 | ❻ | ⑥ | ボディコンシャス | 牝2 | 55 | 小野望 | 1.15.9 | 1.3 | 39.9 | 8 |
8 | ❸ | ③ | スティールブライト | 牝2 | 55 | 桑村真明 | 1.16.6 | 2 | 40 | 4 |
9 | ❼ | ⑧ | クインタ | 牝2 | 55 | 阿部龍 | 1.16.7 | 2.1 | 38.3 | 6 |
ベラジオゼロの仕上がりの良さぶりに目が行くレースだった一方、ゼロアワーの鞍上、井上騎手の手腕は光った。勝負所でしっかりとインを選択し最後まで食い下がる完成度の高さ。その指示にしっかりと従ったゼロアワー自身、教育もされていて早い段階から走ってきそうな雰囲気だ。
ボディコンシャス以降はこのクラスでのペース慣れが必要。
一方、全く追走できていなかったクインタは上り最速の脚と、最後の300mほどで馬群に追いついているのならレースに慣れるかつ距離延長で面白い存在になりそう。
参考レース② 5/14 JRA認定フレッシュチャレンジ
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❽ | ⑨ | ジャイヴトーク | 牝2 | 55 | 落合玄太 | 1.01.2 | – | 37.5 | 1 |
エターナルウインドとともにスタートから飛ばしたジャイヴトークが最後に交わしてデビュー戦を勝利で飾った。稍重かつ牝馬限定戦でこのタイムは、同条件のフルメタルレディより2秒以上速い。即通用もあり得る。
参考レース③ 6/25 JRA認定ウィナーズチャレンジ
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❺ | ⑤ | リオンダリーナ | 牝2 | 55 | 石川倭 | 1.00.6 | – | 36.9 | 1 |
気分よく先頭を走ったリオンダリーナがほぼ追われることなくゴールイン。
全く本気で走ったようには見えず、伸びしろを残したレースで大物感漂う。
スケール感もあり、かなりの大器か。
参考レース④ 6/26 JRA認定フレッシュチャレンジ
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❻ | ⑥ | フルメタルレディ | 牝2 | 53 | 宮内勇樹 | 1.03.2 | – | 38.7 | 2 |
スタートからサンカリッドとやり合ったフルメタルレディが最後に外から差し切って競り合い勝ち。タイム的には平凡だが、勝負根性はかなりありそう。
レースペースに慣れて逃げ、先行が板につけば面白い存在になるか。ただ馬自体の完成度はまだまだ。
最終見解
まだまだ荒削りな少女たちの戦いとなるこの一戦、◎は②リオンダリーナで行きます。
前走の勝ち方がかなり圧巻。その1000m走破タイムは現在世代1位でかなりのもの。能力だけで勝ったようなそのパフォーマンスはここでも圧倒してくれるはずです。
〇にはそのリオンダリーナに次ぐ2位の走破時計を持つ⑤クインタ。前走は追走に苦労していましたが、レース当日の門別は雨予報。馬場が渋れば唯一の不良馬場経験者のクインタには有利になります。何より前走の末脚には可能性を感じさせます。
▲は牝馬限定のフレッシュチャレンジでなかなかのタイムを叩き出していた③ジャイヴトーク。△に栄冠賞で3着だった①ゼロアワーまでを推します。
〇 ⑤ クインタ
▲ ③ ジャイヴトーク
△ ① ゼロアワー