各地で開催された3冠競走も、いよいよ締め括りに迎えて動き出しています。
その第1弾は6月に北海優駿が行われた門別競馬でフィナーレです。
北海道3冠最終章、王冠賞が幕を開けます。
王冠賞2024の基本情報
開催日時 | 2024年8月1日(木) |
グレード | H2 |
開催競馬場 | 門別競馬場 12R |
コース | ダート1,800m |
コース解説
スタートして1コーナーが待ち構えており、先行争いはやや窮屈になる印象。
真ん中以降の枠は少しポジション取りが難しいコースです。
直線は330mと長く、差し馬も台頭するコースとなっています。
出走表
印 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 所属地区 | 調教師 | 前走 | 当該距離 | 当該距離+競馬場 | 寸評 | 短評 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | キタサンヒコボシ | 牡3 | 57 | 岩橋勇二 | 北海道 | 五十嵐冬樹 | 門別 七夕OPD1800m 1着 | 1-0-0-0 | 1-0-0-0 | 同型注意 | 北斗盃ではパッションクライにペースを惑わされて敗退。今回果たして成長が見えるか。 | |
▲ | 2 | 2 | ミソ | 牡3 | 57 | 松井伸也 | 北海道 | 佐久間雅 | 門別 七夕OPD1800m 2着 | 0-1-0-0 | 0-1-0-0 | 捲り上げ | 2冠はブラックバトラーをマンマークして捲る。七夕OPはキタサンヒコボシに逃げ切られたが捲り力は随一。 |
△ | 3 | 3 | プラセボ | セ3 | 57 | 小杉亮 | 北海道 | 米川昇 | 門別 3歳以上C4-2D1800m 1着 | 1-0-0-0 | 1-0-0-0 | 去勢一変 | 去勢明け初戦の前走で一変。勝ちタイムも七夕OPと遜色なく狙いどころか。 |
〇 | 4 | 4 | パッションクライ | 牡3 | 57 | 桑村真明 | 北海道 | 山口竜一 | 門別 北海優駿D2000m 1着 | 1-0-0-1 | 1-0-0-1 | 2冠目指 | 華麗な逃走劇で北海優駿制覇。先手を取れば楽々逃げ切りもあり得る。 |
5 | 5 | オオイチョウ | 牡3 | 57 | 石川倭 | 北海道 | 小国博行 | 門別 七夕OPD1800m 3着 | 0-1-1-0 | 0-0-1-0 | 善戦可能 | 近走どうしてもゴール前で甘くなる。フジユージーンに食い下がった実績は光るが… | |
◎ | 6 | 6 | ブラックバトラー | 牡3 | 57 | 落合玄太 | 北海道 | 田中淳司 | 門別 北海優駿D2000m 2着 | 0-1-1-1 | 0-1-1-0 | 逆襲気配 | 北斗盃は勝ち、北海優駿はパッションクライにリベンジされた。最後の1冠はどうしても欲しい。 |
7 | 7 | スティールドリーム | 牡3 | 57 | 阿部龍 | 北海道 | 角川秀樹 | 門別 北海優駿D2000m 4着 | 初出走 | 初出走 | 一角崩し | 逆転の目が一番あるのはもしかするとこちらか。休養明け3戦目で心身ともに万全の筈。 |
北斗盃勝ち馬、ブラックバトラーVS北海優駿馬パッションクライ、3冠皆勤賞の2頭が最後の激突です。
そして、2歳時は注目馬の1頭であったキタサンヒコボシとスティールドリームもここに帰還し揃い踏み。クラシック好走馬のオオイチョウとミソ、去勢明け初戦を大楽勝で飾ったプラセボと、7頭立てながらかなりの好メンバーで道営3歳最強を決めるには相応しい戦いとなりそうです。
王冠賞の傾向
※2015年~2023年の統計データ
人気傾向
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 4-3-1-1 | 44% | 77% | 88% |
2 | 1-1-2-5 | 11% | 22% | 44% |
3 | 2-3-0-4 | 22% | 55% | 55% |
4 | 1-1-4-3 | 11% | 22% | 66% |
5 | 1-1-1-6 | 11% | 22% | 33% |
6人気以下 | 0-0-1-52 | 0% | 0% | 1% |
7以下 | 0-0-1-35 | 0% | 0% | 2% |
3冠最終戦とだけあって、1番人気の安定感は図抜けています。
複勝圏内も5番人気までの上位人気で決まることが殆ど。
近走好走していない人気馬は消しでいいでしょう。
過去5年の配当と傾向
2019年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❽⑨ | 1 | 110 | 100 | 320 | 340 | 380 | 150 | 290 | 730 |
2着 | ❼⑦ | 3 | 130 | 140 | ||||||
3着 | ❷② | 2 | 110 | 280 |
2020年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❽⑭ | 3 | 700 | 160 | 220 | 410 | 1,460 | 210 | 1,160 | 9,540 |
2着 | ❸④ | 1 | 110 | 690 | ||||||
3着 | ❺⑧ | 4 | 170 | 270 |
2021年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❷② | 1 | 150 | 100 | 発売なし | 1,480 | 2,000 | 300 | 560 | 3,940 |
2着 | ❹④ | 4 | 170 | 130 | ||||||
3着 | ❼⑦ | 2 | 100 | 400 |
2022年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❻⑦ | 4 | 990 | 240 | 320 | 470 | 7,680 | 310 | 16,470 | 107,720 |
2着 | ❸③ | 1 | 120 | 14,050 | ||||||
3着 | ❺⑥ | 10 | 1,660 | 4,010 |
2023年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❷② | 1 | 110 | 100 | 110 | 120 | 140 | 100 | 340 | 500 |
2着 | ❺⑤ | 2 | 110 | 270 | ||||||
3着 | ❽⑫ | 5 | 180 | 330 |
過去5年で唯一、大荒れしたのが2年前。
その時も1番人気のシルトプレはしっかり好走していました。
基本的に1番人気を買い目から外すといった行為はしない方が良いでしょう。
穴党でもこれは諦めてしかるべき。私も大人しく人気所から攻めます。
◎ 1番人気の安定感に逆らうべからず。
枠傾向
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 1-0-0-8 | 11% | 11% | 11% |
2 | 3-0-1-5 | 33% | 33% | 44% |
3 | 0-2-2-6 | 0% | 20% | 40% |
4 | 1-1-0-8 | 10% | 20% | 20% |
5 | 1-1-4-6 | 8% | 16% | 50% |
6 | 1-1-0-12 | 7% | 14% | 14% |
7 | 0-2-1-14 | 0% | 11% | 17% |
門別の1600mや1700mと比べ、1800mはスタートしてからすぐ1コーナーというコース形態上、外に行けば行くほどかなり不利になってきます。
逆に内枠はコーナーの利でスッと位置取りを選択できる分かなり有利です。
とはいえこのレース、1枠はかなり不振。上位人気馬がそれほど入っていないとはいえ、この不振具合には目をつむらない方が良いでしょう。
◎1,3,8枠の数字には注意。
脚質傾向
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 5-1-0-7 | 38% | 46% | 46% |
先行 | 2-3-3-17 | 8% | 20% | 32% |
差し | 2-5-5-27 | 5% | 17% | 30% |
追込 | 0-0-1-20 | 0% | 0% | 4% |
他場に比べて差しが届きやすいこのコースは、他の競馬場と比べて特段前残りが強いということはありません。
しっかり伸びきる脚を持っている馬であれば3コーナーからまくりをかけてそのまま先団に食い込むということも往々にして見受けられます。
先団がそのままなだれ込むといった展開も当然ありますが、後方勢の上りには着目すべきです。
◎ 行った行ったでは決まり切らない。
前哨戦データ傾向
前哨戦のデータから見えてくる傾向を読み解いていきます。
ポイント1 北海優駿組の評価
北海優駿からの直行組、上位組の戦績がいいのは言うまでもないですが、馬券圏内に入った馬たちの複勝率は100%と異常なまでの高さです。
やはり1ヶ月ではそう簡単に勢力図は変わらないでしょう。
大船に乗った気で彼らに託すのも手です。
・パッションクライ
・ブラックバトラー
ポイント2 北海優駿以外の転戦組評価
北海優駿からの転戦組以外、全頭が1800mからの転戦となる今回。やはりというべきかあまり好走率は芳しくない中、2,3着以内の馬が好走傾向です。
この「2,3着以内」というのがミソで、逆に1着馬は好走がゼロ。
その中には2冠で好走した馬も含まれており、かなりの不振データです。
思い切って前走1着でも切ってしまってもいいかもしれません。
・キタサンヒコボシ
2,3着以内
・ミソ
・オオイチョウ
参考レース① 6/13 北海優駿
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❼ | ⑨ | パッションクライ | 牡3 | 57 | 桑村真明 | 2.11.1 | – | 39 | 2 |
2 | ❽ | ⑪ | ブラックバトラー | 牡3 | 57 | 落合玄太 | 2.11.4 | 0.3 | 38.6 | 1 |
3 | ❹ | ④ | オオイチョウ | 牡3 | 57 | 石川倭 | 2.12.0 | 0.9 | 39.5 | 4 |
4 | ❷ | ② | スティールドリーム | 牡3 | 57 | 阿部龍 | 2.12.3 | 1.2 | 39.8 | 3 |
5 | ❻ | ⑦ | ミソ | 牡3 | 57 | 松井伸也 | 2.12.6 | 1.6 | 40.3 | 5 |
6 | ❼ | ⑧ | プラセボ | セ3 | 57 | 小杉亮 | 2.12.7 | 1.7 | 40.2 | 9 |
2強対決と目されていた戦前の予想通りの結果に。
逃げたパッションクライを目標とするように捲ったブラックバトラー。
そのブラックバトラーを退け、リベンジを果たしたパッションクライ。
2頭がお互いの実力を出し切ったレースだった。
オオイチョウは現状の力は出し切ったものの、現段階ではここまでか。
ミソはブラックバトラーを目標にし捲った分、最後は脚が上がった。1800までなら逆転可能。スティールドリームは休養明け2戦目の大舞台ながら善戦したほうか。
参考レース② 5/2 北斗盃
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❶ | ① | ブラックバトラー | 牡3 | 57 | 落合玄太 | 1.43.2 | – | 39.8 | 3 |
2 | ❷ | ② | ミソ | 牡3 | 57 | 松井伸也 | 1.43.4 | 0.2 | 40 | 5 |
3 | ❽ | ⑧ | パッションクライ | 牡3 | 57 | 桑村真明 | 1.43.6 | 0.4 | 41.2 | 1 |
5 | ❹ | ④ | キタサンヒコボシ | 牡3 | 57 | 石川倭 | 1.44.7 | 1.5 | 42.3 | 2 |
交流重賞を好走していた実力は伊達ではないことを見せた。
前年のJBC2歳優駿で出遅れ、絶望的な位置から3着に突っ込んだブラックバトラーが最初の1冠を制す。マンマークがハマったミソが2着。パッションクライ、キタサンヒコボシの両頭は同型で苦しくなった印象。
今回のレースでのこの2頭の出方にも注目したい。
参考レース③ 7/4 七夕オープン
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❻ | ⑥ | キタサンヒコボシ | 牡3 | 57 | 岩橋勇二 | 1.59.1 | – | 38.5 | 2 |
2 | ❷ | ② | ミソ | 牡3 | 56 | 松井伸也 | 1.59.6 | 0.5 | 38 | 3 |
3 | ❺ | ⑤ | オオイチョウ | 牡3 | 56 | 石川倭 | 1.59.7 | 0.6 | 38.7 | 1 |
好スタートから大きなプレッシャーなくレースを引っ張ったキタサンヒコボシが逃げ切った。北斗盃はパッションクライから受けたプレッシャーも強く、自分のリズムで逃げられていなかった分完敗。
自分自身のペースで逃げられればそう簡単に崩れることはないことを証明した。
本番、因縁のパッションクライに一泡吹かせられるか。
最終見解
最後の1冠、手にするのは◎⑥ブラックバトラーで疑いません。
北斗盃はやり合ったパッションクライとキタサンヒコボシを前に置き、一気の捲りで世代統一。
今回もその2頭が出走するのであれば自ずと展開は見えてきます。北海優駿2着のリベンジは今こそ晴らすとき。
ですが勿論対抗には④パッションクライ。キタサンヒコボシに惑わされなければ1800でも逃げ切り、2冠達成という未来もあります。
2強達成の構図が強いですが、ブラックバトラーマンマークでここまで好走している②ミソに▲を。
配当妙味が出るなら③プラセボ。去勢明けの前走は完勝でかなりの成長具合。一遍も期待して△を。
〇 ④ パッションクライ
▲ ② ミソ
△ ③ プラセボ