旧盛岡競馬場が設立され、東北の馬産文化が大きく盛り上がるきっかけを作った人物、一條友吉から名を取り、岩手の夏の大一番として設立されたこの競走。過去の勝ち馬には岩手を代表する錚々たるメンバーが顔を揃えています。
みちのく大賞典2024の基本情報
開催日時 | 2024年6月23日(土) |
開催競馬場 | 水沢競馬場 11R |
コース | ダート2,000m |
コース解説
クラシックディスタンスと呼ばれるこの距離。向こう正面から1周半するオーソドックスなコースです。
スタートしてからの位置の取り合いもそれほど激化しません。枠による位置の有利不利はそこまで考えなくても良いでしょう。
出走表
印 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 所属地区 | 調教師 | 前走 | 当該距離 | 当該距離+競馬場 | 寸評 | 短評 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | グローリーグローリ | 牡9 | 57 | 山本聡哉 | 岩手 | 菅原勲 | 初夏特別 2着 | 0-0-0-1 | 0-0-0-1 | 衰えなし | 昨年4着。どちらかといえば水沢開催で好成績。衰えはなく逆転も。 | |
〇 | 2 | 2 | グランコージー | 牡7 | 57 | 石川倭 | 岩手 | 千葉幸喜 | シアンモア記念 1着 | 0-0-3-2 | 0-0-1-1 | 連戦連勝 | 一昨年4着馬。7歳でも南関東で好走しており実力は上位。4連勝決めるか。 |
3 | 3 | ゴールドギア | 牡9 | 57 | 高橋悠里 | 岩手 | 伊藤和忍 | あすなろ賞 2着 | 初出走 | 初出走 | 根幹だが | ここ2戦は連続2着。どちらかといえば非根幹距離の方が向いているが。 | |
◎ | 4 | 4 | ヴァケーション | 牡7 | 57 | 村上忍 | 岩手 | 畠山信一 | シアンモア記念 2着 | 1-1-4-2 | 1-1-2-0 | 連覇狙う | メンバー唯一のJpn1覇者かつ昨年勝者。岩手ならまだ力は上位で王座防衛濃厚。 |
5 | 5 | マイネルアンファン | 牡9 | 57 | 塚本涼人 | 岩手 | 板垣吉則 | 麦秋特別 8着 | 1-0-0-5 | 初出走 | 厳しいか | 最後の勝利は昨年10月。近走は大きく負けており流石に衰えか… | |
△ | 5 | 6 | フレイムウィングス | セ7 | 57 | 山本政聡 | 岩手 | 酒井仁 | あすなろ賞 3着 | 0-1-1-2 | 0-1-1-0 | 善戦マン | 好走するも善戦までという印象。とはいえ力は上位。上りも速く舐めてかかると… |
△ | 6 | 7 | スズカゴウケツ | 牡7 | 57 | 菅原辰徳 | 岩手 | 千葉幸喜 | あすなろ賞 1着 | 0-1-0-1 | 0-1-0-0 | 前走完勝 | 昨年の2着馬。南関でも善戦し一回り成長。前哨戦が強い押し切り勝ち。 |
☆ | 6 | 8 | レールガン | 牡7 | 57 | 大坪慎 | 岩手 | 佐藤浩一 | 麦秋特別 4着 | 0-0-2-7 | 0-0-0-2 | 展開一つ | 近走は着外も多いがそもそもが後方から行く馬。前が流れれば。 |
△ | 7 | 9 | マイネルアストリア | 牡7 | 57 | 坂口裕一 | 岩手 | 板垣吉則 | 初夏特別 6着 | 0-0-0-5 | 0-0-0-3 | 侮れない | 着外が続くが今回の出走メンバーと何度も走っている。数字に騙されないほうが良い。 |
7 | 10 | ボウトロイ | 牡6 | 57 | 岩本怜 | 岩手 | 菅原勲 | 麦秋特別 2着 | 初出走 | 初出走 | 善戦続く | 盛岡は不振でも水沢だと変わる。初の2000mがどう出るか。 | |
▲ | 8 | 11 | ヒロシクン | セ5 | 57 | 高松亮 | 岩手 | 佐藤雅彦 | 紫陽花賞 1着 | 0-0-0-1 | 初出走 | 勢い随一 | 岩手移籍後3連勝。中央時代は後の米G2・2着馬テーオーサンドニに0.6差ならかなりの実力上位か。 |
8 | 12 | ドスハーツ | 牡7 | 57 | 鈴木祐 | 岩手 | 橘友和 | 桔梗特別 7着 | 0-1-1-8 | 初出走 | 近走不振 | かつての中央OP馬もほぼ見る影なく。移籍初戦で7着だとかなり厳しそうだが… |
前哨戦となるあすなろ賞、シアンモア記念からの転戦も多く、過去数年にわたる参戦馬が今年も参戦といった状況になりました。
恐らく年末の桐花賞ではフジユージーンら3歳勢との戦いが控えているでしょう。彼らに挑む前にまずは夏シーズン、岩手の覇者を決めるときです。
みちのく大賞典の傾向
※2014~2023年、水沢開催のデータ使用。16年の盛岡開催分は除く。
人気傾向
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 5-0-2-2 | 55% | 55% | 77% |
2 | 2-0-3-4 | 22% | 22% | 44% |
3 | 1-3-1-4 | 11% | 44% | 55% |
4 | 1-2-0-6 | 11% | 33% | 33% |
5 | 0-2-1-6 | 0% | 22% | 33% |
6人気以下 | 0-2-2-37 | 0% | 4% | 9% |
基本的に1番人気は安定しています。2番人気も1度の競走中止(2014 コミュニティ)を除けば平均の複勝率。
6番人気以下は好走率が落ちていることからも、基本的には固い条件なのですが…
2019年 ⑥→⓽→⑦ 81,800円
2020年 ④→⑤→② 12,090円
2021年 ③→⑥→④ 1,000円
2022年 ①→⑧→⑪ 13,070円
2023年 ②→③→① 102,500円
過去5年で万馬券は4度。小頭数となった2020年も荒れていますから、このレース自体はやや波乱含みといった傾向。岩手の実力馬が一堂に会すこの重賞では、人気薄だからといって舐めてかからないほうが良いです。
人気に捉われるよりは水沢得意の馬を狙ったほうが良いでしょう。
枠傾向
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 1-0-1-7 | 11% | 11% | 22% |
2 | 3-0-1-5 | 33% | 33% | 33% |
3 | 1-1-0-7 | 11% | 22% | 22% |
4 | 1-1-1-6 | 11% | 22% | 33% |
5 | 1-2-2-7 | 8% | 25% | 41% |
6 | 1-3-1-7 | 8% | 33% | 41% |
7 | 1-0-1-10 | 8% | 8% | 16% |
8 | 0-2-2-10 | 0% | 14% | 28% |
中枠がホットゾーンです。特に5枠と6枠は2,3番人気で2勝とかなりの安定率。
逆に最内と外の7,8枠は苦戦を強いられています。深い砂とコースロスを加味するべきでしょう。
脚質傾向
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 2-3-2-6 | 15% | 38% | 53% |
先行 | 4-2-3-11 | 20% | 30% | 45% |
差し | 3-3-4-22 | 9% | 18% | 28% |
追込 | 0-1-0-19 | 0% | 5% | 5% |
同じ距離の東北優駿では逃げ不利のデータでしたが、実力馬の揃うこのレースでは逃げ切りもしくは先行押し切りが大半を占めています。後ろから勝ち切るには相当な実力が必要となります。
しかし穴をあけているのはたいてい後方勢。2,3着に置く馬を狙うのであれば逆に後方待機を狙い撃つのもありでしょう。
◎ 1着を狙うなら前、穴狙いで後方勢なら2,3着。
みちのく大賞典 参考レース回顧
ここからは加賀友禅賞に向けた参考レースを振り返ってみます。
・シアンモア記念 盛岡D1600m
2着 ヴァケーション 村上忍 4人 1.38.8
6着 スズカゴウケツ 菅原辰 5人 1.40.2
7着 フレイムウィングス 山本政 7人 1.40.2
最内枠からダッシュよく飛び出してグランコージーが先手を取りマイペース。そのまま脚色は鈍らず2番手につけたヴァケーションを寄せ付けずにゴールイン。本番に向けて視界良好。スズカゴウケツ、フレイムウィングスの2頭は後方のまま、全く見せ場なく終わった。
あすなろ賞 盛岡D1800m
2着 ゴールドギア 高橋悠 4人 1.55.5
3着 フレイムウィングス 山本政 2人 1.55.6
4着 グローリーグローリ 山本聡 1人 1.55.8
6着 レールガン 大坪 5人 1.56.2
グリニッジシチーとタイセイメガロスが引っ張る流れ。スズカゴウケツが3コーナーで加速し、4コーナー手前で抜け出すとあとは引き離すだけ。堂々の横綱相撲で本番につなげた。
出遅れてスタートが遅れながら巻き返したゴールドギアは2着で非根幹の強さを見せる。
じりじり伸びたフレイムウィングスがグローリーグローリを最後差し切って3着浮上。
レールガンは展開ハマらず6着に敗れた。
‘23みちのく大賞典 水沢D2000m
2着 スズカゴウケツ 菅原辰 6人 2.08.6
3着 フレイムウィングス 山本政 5人 2.09.0
4着 グローリーグローリ 宮川実 2人 2.09.0
6着 レールガン 高橋悠 8人 2.09.5
10着 マイネルアストリア 塚本涼 12人 2.11.2
ヴァケーションがマイペースで逃げレースを作り、それをマイネルアストリアがびったりとマークする様相。しかし3コーナーでマイネルアストリアは力尽き、ヴァケーションがそのまま突き放していく。好位から伸びたスズカゴウケツ、まくったフレイムウィングスも追いすがるが全く寄せ付けずに8馬身差の圧勝劇。
レールガンは最後方からよく追い込んだが6着が精いっぱい。フレイムウィングスはグローリーグローリとの叩き合いが多いがここでも先着。
有力馬と予想印
◎は迷いましたがヴァケーションで行きます。水沢の2000mは4度走っていずれも馬券圏内と好相性なのに加え、このメンバー相手であればまだまだ力は上位。
メンバー唯一のJpn1覇者としても負けられないところです。問題はグランコージーの出方次第ということになりますが、水沢であればヴァケーションの方に分があると踏んでいるためこちらは〇まで。
面白いのが△に推すマイネルアストリア。近走成績だけ見ると確かに不振なのですが、戦ってきているメンバーはこの出走メンバーがほとんど。タイム差も大きく負けていることはないと考えれば、レース展開一つで上位に流れ込む力はありそうです。恐らく人気はしないでしょうからここは狙ってみてもいいかもしれません。
▲に移籍後連勝を重ねているヒロシクン。以下堅実なスズカゴウケツにフレイムウィングスと、レールガンの大駆けに期待して印を回します。
〇 グランコージー
▲ ヒロシクン
△ マイネルアストリア
△ スズカゴウケツ
△ フレイムウィングス
☆ レールガン