1着馬にはクラスターCへの優先出走権が付与されるように、1か月後に盛岡で控えるクラスターCへの岩手代表馬決定戦としても機能するこのレース。
近年ではナムラタイタン、ラブバレットやキラットダイヤといった岩手の名スプリンターが制しています。
岩鷲賞2024の基本情報
開催日時 | 2024年7月9日(火) |
グレード | M2 |
開催競馬場 | 盛岡競馬場 11R |
コース | ダート2,000m |
コース解説
本番、クラスターCと同じくバックストレッチからスタートを切るコース。
スタートと同時に急坂が待ち構えており、3コーナーからは下り、直線は残り60mまで上りと、アップダウンがかなり激しいコース。そのため道中の位置取りはかなり重要。
前哨戦のハヤテ特別のように激しくやり合いすぎると直線に向くころには脚が無くなっているでしょう。素早く先行集団に取り付くことが必須です。
出走表
印 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 所属地区 | 調教師 | 前走 | 当該距離 | 当該距離+競馬場 | 寸評 | 短評 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
△ | 1 | 1 | ゲンパチプライド | 牡5 | 57 | 村上忍 | 岩手 | 畠山信一 | 初夏特別 3着 | 1-0-1-2 | 初出走 | 逆襲狙う | 2走前はゴールデンヒーラーに肉薄する2着。初の盛岡で雪辱なるか。 |
〇 | 2 | 2 | ルチルクォーツ | 牝6 | 55 | 陶文峰 | 岩手 | 菅原右吉 | ハヤテ特別 1着 | 2-3-2-4 | 2-3-2-3 | 勢い一番 | 前走は6番人気ながらレコード勝利。盛岡の経験も豊富で。 |
3 | 3 | アメージングラン | 牡7 | 57 | 岩本怜 | 岩手 | 菅原勲 | スプリント特別(水沢) 6着 | 初出走 | 初出走 | 苦しいか | 戦っている相手もこのメンバーとほぼ変わらず見せ場もなく厳しい。 | |
▲ | 4 | 4 | キモンリッキー | 牡5 | 57 | 山本政聡 | 岩手 | 板垣吉則 | スプリント特別(水沢) 1着 | 2-3-3-12 | 2-1-1-0 | 盛岡相性 | 4戦走って馬券外なしの好相性。ゴールデンヒーラーとも好勝負。 |
5 | 5 | スターオブケリー | 牝5 | 55 | 鈴木祐 | 岩手 | 飯田弘道 | スプリント特別(水沢) 11着 | 1-1-0-5 | 1-0-0-0 | 苦戦必至 | 先手は取っても脚が持たない印象。格上のここでも厳しいか。 | |
◎ | 6 | 6 | ゴールデンヒーラー | 牝6 | 55 | 山本聡哉 | 岩手 | 佐藤祐司 | スプリント特別(盛岡)1着 | 1-0-0-0 | 1-0-0-0 | 女王君臨 | 横綱相撲で他を制す恰好。着差が詰まれどここでは負けられない。 |
6 | 7 | ユニコーン | 牡6 | 57 | 菅原辰徳 | 岩手 | 千葉幸喜 | 炎陽賞 3着 | 1-1-1-2 | 初出走 | ここでは | 佐賀から転厩初戦での挑戦だがいきなりの盛岡は勝手が悪そう。実力的にも。 | |
7 | 8 | サンエイウイング | 牡7 | 57 | 高松亮 | 岩手 | 佐藤浩一 | ハヤテ特別 4着 | 3-0-1-9 | 3-0-0-2 | 逃げ一択 | B級でキモンリッキーと差なしで前走はレコードレースの立役者。緩めのペースに持ち込みたい。 | |
△ | 7 | 9 | シガーヲスウオトコ | 牡9 | 57 | 関本淳 | 岩手 | 小林俊彦 | スプリント特別(盛岡)5着 | 12-4-7-19 | 0-0-0-1 | 変身期待 | 南関時代は好走。前走の盛岡では明らかに変わっていた。狙いは間違いなくここで抑えたほうがよさそう。 |
8 | 10 | グリニッジシチー | セ8 | 57 | 小林凌 | 岩手 | 飯田弘道 | 水無月特別 9着 | 初出走 | 初出走 | 静観妥当 | 岩手移籍後も通用せず。年齢的にも厳しそうで。 | |
8 | 11 | カタナ | 牡9 | 57 | 阿部英俊 | 岩手 | 畠山信一 | スプリント特別(水沢)9着 | 1-0-0-7 | 0-0-0-4 | 距離不適 | 最早1200でも長いのではと思わされる走り。1000,850mで狙いたいところだ。 |
岩手のマイル女王、ゴールデンヒーラーがクラスターCを見据えて参戦。
前哨戦のここも負けられないところです。
対するは今まで何度も彼女の後塵を拝してきた素質馬たち。ここでリベンジし中央馬の舞台に駒を進めることはできるでしょうか。
岩鷲賞の傾向
※2014~2023年のレース傾向、水沢開催の14,15年は除く。
人気傾向
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 5-0-2-1 | 62% | 62% | 87% |
2 | 2-1-0-5 | 25% | 37% | 37% |
3 | 0-3-1-4 | 0% | 37% | 50% |
4 | 0-1-1-6 | 0% | 12% | 25% |
5 | 0-2-2-4 | 0% | 25% | 25% |
6人気以下 | 1-1-2-41 | 2% | 4% | 8% |
1番人気の信頼度はかなり高く、複勝圏で8割を超えています。
オッズで見ても1倍台前半は【4-0-1-0】と複勝信頼度が10割。
逆に後半以降だと【1-0-1-1】と母数は低いものの少し落ちます。
前半台のダントツオッズであれば連複の軸で固いでしょう。
019年 ⑫→⑦→⑥ 2,310円
2020年 ⑤→①→⑥ 2,600円
2021年 ⑪→⑤→⑩ 9,060円
2022年 ⑤→⑫→❹ 33,110円
2023年 ❶→②→⑫ 329,160円
※白抜きは100倍超
1倍台の1番人気が毎年出走している割には高い配当です。特に昨年は1.0倍のキラットダイヤが3着に敗れ、102.1倍のトーセンキャロルが勝利したことにより大穴配当が飛び出しました。
人気信頼度を見てもわかる通り、1番人気以外はかなり好走にばらつきがあります。
連単系はガミも承知の上でマルチ買いの方が思わぬ高配当に手が届くかもしれません。
◎ 1番人気の好走度は高い。だがそれ以外が微妙なため絞り過ぎた買い方は厳禁。
枠傾向
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 脚注 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1-1-0-6 | 12% | 25% | 25% | 人気は1度のみでこの好走。内枠有利の定説通りか。 |
2 | 0-2-0-6 | 0% | 25% | 25% | 人気上位馬ほぼ入枠なし。後方勢多し。先行勢なら寧ろ。 |
3 | 0-0-1-7 | 0% | 0% | 12% | 1.7倍のタイセイファントム飛び。4,5着も多い枠。 |
4 | 0-1-1-6 | 0% | 12% | 25% | 中枠だけに控える馬が多い。末脚に自信あれば。 |
5 | 2-1-2-7 | 16% | 25% | 41% | 好発、ダッシュ力必須。控えるなら折り合い◎がベスト。 |
6 | 1-2-1-9 | 7% | 23% | 30% | 人気以上の好走が多い。要注意。 |
7 | 0-0-2-11 | 0% | 0% | 15% | 逃げ先行は壊滅。無理な競り合いに持ち込みたくない。 |
8 | 4-1-1-9 | 26% | 33% | 40% | 成績は良好だが好走馬は全頭中央OPクラス相当の実力。罠。 |
5枠の好走率が目を引きますが、それ以上に8枠の良好な数値が一番でしょうか。
ただこの枠、好走馬はいずれも岩手のトップスプリンターか、過去にJRAでOPクラスまで昇級していた馬たち。それ以外の馬は全て着外に飛んでいます。枠だけで購入するのはかなり危険です。
◎ 5枠は抑える。8枠は危険。
脚質傾向
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 4-3-0-7 | 28% | 50% | 50% |
先行 | 4-1-2-13 | 20% | 25% | 35% |
差し | 0-4-4-23 | 0% | 12% | 25% |
追込 | 0-0-2-18 | 0% | 0% | 10% |
平場でもそうですが、このコースはタフなコースのわりに逃げ馬が非常に良く残ります。
差し馬は好走こそあるものの1着はないです。紐までで抑えるのがよさそう。
ただ、ハイペースになれば当然末脚に自信のある馬の台頭はあり得ます。
◎ 逃げ馬を狙え。後方勢は捲り切れる脚があるかどうか。
ポイント1 前走1600mに見る好走の秘訣
戦績が【0-0-1-12】と著しく悪い1600m組ですが、この条件で唯一好走したルチルクォーツは1分43秒台での好走。元々人気馬も多くないこの条件からの転戦において6番人気で好走したという事実からも、この時計組は狙ってみてもいいかもしれません。そしてそのタイムを上回っているのならば…より期待は高まります。
今年の対象馬はゲンパチプライド。実力を考えれば十分勝負になります。
・ゲンパチプライド(1.41.7)
岩鷲賞参考レース
6/25水沢スプリント特別
6着 ❻⑦ アメージングラン 岩本怜 1.20.3 37.1 10人
9着 ❸③ カタナ 阿部英 1.21.0 37.4 8人
11着 ❼⑧ スターオブケリー 鈴木祐 1.21.7 40.3 7人
先行集団につけたキモンリッキーが最後外から鋭く伸びての差し切り。後塵を拝した栗駒賞、盛岡でのスプリント特別での雪辱を晴らした。やはり実力はある。
スターオブケリーは穴をあけるならこれしかないと覚悟の逃げのように見えたがミニアチュールのマークに脚を失くした。単騎逃げならまた変わってきそう。
4/28 栗駒賞
2着 ❶① ゲンパチプライド 村上忍 1.28.1 37.8 2人
4着 ❻⑥ キモンリッキー 山本政 1.28.3 37.5 4人
7着 ❹④ アメージングラン 岩本怜 1.30.1 39.4 7人
9着 ❼⑦ シガーヲスウオトコ 関本 1.31.0 42.5 9人
昨年の岩手マイル女王、ゴールデンヒーラーがここも事も無げ無く横綱相撲で制し盤石の強さを見せたレース。昨秋程の圧勝劇ではなかったにせよ、ゴール前までを読み切っての貫録勝ち。岩手の短距離では負けられないところ。
ゲンパチプライド、キモンリッキーの着順の差はコース取りの差の分。両頭に差はなく展開次第で簡単に着順はひっくり返るだろう。
6/25 ハヤテ特別
先団2頭が飛ばし、その様子を見ながら中団で進めたルチルクォーツが徐々に進出し、直線で外から弾けて差し切り勝ち。最後は軽く流して勝ち切る余裕まで見せた。6番人気はいささか低評価過ぎたか。末脚がハマれば間違いなく差し込んでくる。
昨年の岩鷲賞3着馬でもあり、今年も要警戒が必要な一頭だ。
最終見解
◎は当然というべきか、ここもゴールデンヒーラーに期待します。年明け3連勝のいずれも完璧といっていいほどの横綱相撲。初の盛岡1200となる前走でも全く問題にしない走りでした。クラスターCを目指すならばトライアルレースで負けるわけにはいきません。
ただ、ゲンパチプライド、キモンリッキーの2頭との差はそれほどなく、もしかするとここで逆転、といったこともありそうです。この2頭はここに全力投球の可能性もあるでしょうから…
穴で推しておきたいのはシガーヲスウオトコ。ブービー人気まで予想されますが岩手移籍後未だ盛岡で走っていません。大井、船橋とワンターンを経験していたことからも、おそらく移籍後の最大目標はここ。近走は不調でももしかすると3着まではあるかもしれません。
〇 ゲンパチプライド
▲ キモンリッキー
△ ルチルクォーツ
△ シガーヲスウオトコ