以前の新潟競馬場が関屋にあったことで、その地名を冠した今回が59回目となる伝統があって、権威もある重賞です。
高速馬場の新潟競馬場で行われるマイル戦なので、速い時計での決着が殆ど。
過去10年で一番時計がかかったのはやや重馬場だった一昨年で1分33秒3。
良馬場では1分33秒1かかった2020年(勝ち馬はサトノアーサー)です。
今年の馬場状態を考えれば、普通に32秒台前半の決着時計が想定されますので〝速い時計に対応できるのか?”が予想の大原則となりますね。
関屋記念(G3)2024概要
開催日時 | 2024年8月11日(日)15時45分発走予定 |
グレード | G3 |
開催競馬場 | 新潟競馬場 11R |
コース | 芝1,600m |
性齢 | 3歳 オープン |
1着賞金 | 4,100万円 |
関屋記念(G3)2024のポイント
サマーマイルシリーズ第三戦にも指定されており、今年は米子S組が勝ち馬トゥードジボンも含めて5頭がエントリーしていることも注目の部分です。
2着1600万円
3着1000万円
今年のメンバーではパラレルヴィジョンの本賞金5850万円が最も稼いでいる馬ですから、この舞台で、このくらいのメンバーを相手に4100万もらえるというのは出走馬のレベルを考えるとオイシイ話。
また、負担重量は私の表現で言うところの〝格別定”。
3歳53キロ
4歳以上56キロ
牝馬2キロ減をベースに、
1年以内のG1勝ち馬3キロ増
1年以内のG2勝ち馬は2キロ増
1年以内のG3勝馬は1キロ増
※牝馬限定のレースはG1=2キロ増、G2=1キロ増という格別定のいつものパターンですね。
新潟 芝1,600mの特徴
舞台の新潟マイル戦は、外回りコースを使用。
直線は日本最長の659mある上に、ほぼ平坦なコース。
向正面やや右がスタート地点となっており、3コーナーまでの距離は約550mもあります。
内回りと外回りの分岐点辺りから3コーナーにかけて約2mの上り坂、直線入り口にかけてやや急な下り坂。
そのため、道中ペースが緩みやすく、上がり勝負になりやすいのが特徴です。
これらのことを踏まえた上で、1頭ずつ見ていきましょう。
関屋記念(G3)2024の登録馬
アスクコンナモンダ
除外対象(2分の1の確率)です。
米子S8着からの臨戦。
その前がダービー卿CT3着、東京新聞杯4着ですから、〝5歳の安定勢力”と位置付けることが出来ますし、メンバーレベルも今まで戦ってきたメンバーレベルと遜色はないですから、展開次第では勝ちに届くまでをも考えないといけない馬です。
≪出れることが大前提だが単勝を買える馬≫
オニャンコポン
函館記念は3着と大敗を喫しましたが、2000mが長かったこともその要因で、今回の1600mは確実に良い。
放牧→函館競馬場で調整と暑さの負担を徹底して排除。
その分、直前輸送となるわけですが、この馬にはこの選択で良いように思います。
巴賞でこの馬らしさがみえたことで、
≪単勝までは買えないものの、全くの無視は危険≫
グランスラムアスク
この馬も除外対象で、陣営の方、この馬のファンの方には申し訳ないのですが、私の希望をいえば、この馬が除外されてアスクコンナモンダに出て欲しいと思っています。
現状では回避の方向のようですが、出てきて、出れて好走できるとすれば、それは思い切った逃げの手を打った時。
ただ、やはり、現状ではたら・ればが多すぎるため、帰るまでには至りません。
グランデマーレ
成績低迷が目立つ馬で、7歳という年齢を考えても上がり目に薄い馬です。
阪神で1分32秒4の持ち時計がありますけども、果たして現状のこの馬にそれだけの力が残っているかは…
≪この馬が勝てるのならば、私は東大に合格できている、そのくらいの話と言っても良いでしょう≫
コレぺティトール
京都金杯を8番人気ながら快勝。
その後はマイラーズC8着、安田記念12着と一線級とは力の差を感じます。
ただ、このメンバーですとやれるだけの下地が十分にあります。
左回りで2勝していることもセールスポイントで、この馬自身が走れる状態かどうかがまずはのポイントとなります。
サクラトゥジュール
人気薄ながら東京新聞杯を1分32秒1、強い内容で勝った馬です。
昨年の6着馬でもあり、上り最速の32秒8で駆けていることからもこのコースへの適正も太鼓判。
今回が休み明けとなることで、どの程度のパフォーマンスを出来るかとなりますが、先週の追い切りが良かったことで、
≪一縷の望みは持って良い≫
サンライズロナウド
1200で好走してきた馬がマイル戦に出ることになります。
本当は1400に使いたいという一面もあるのでしょうが、「新潟のマイルを試してみたい」という気持ちから登録に至ったという経緯。
前走の大敗は香港のG1ですから、気にすることはないでしょう。
ジュンブロッサム
昇級初戦ですが、時計は完全に足りている馬です。
現在の美浦のウッドコースは時計が速くなっているのですが、それでも速い時計を連発しているように、挑戦者の気概も感じます。
レパードSで好騎乗をみせた戸崎騎手の連続重賞制覇に期待するのもアリでしょう。
タイムトゥヘヴン
馬体の持ち主で、私が何度も単勝を買って騙されている馬です(笑)
中山で1分32秒3で走ったこともある馬なので、単純に言えば新潟なら1分31秒台でも駆けれるはずなのですが…。
ここまでリズムを崩す競争成績となってしまった今では、さすがに良く見えたとしても買えません。
ダディーズビビット
出る2割、回避8割といったところ。
成績云々の前に、もう一本、いや二本欲しいといった調整過程。
「暑いから無理しない方が」が大勢。
ディオ
東風Sを勝ち、米子Sでも2着。
左回りで勝ち鞍がないことがネックですが、時計的にも足りていますし、米子Sの走りは、恵まれた勝馬よりも評価できるもの。
勝ってサマーマイルチャンピオンが陣営からしたときの最高の筋書きで、あわよくばそこまで届くだけの調整をしている。
ディスペランツァ
アーリントンCを勝ち、NHKマイルCが7着。
仮にの話ですが、ここにジャンタルマンとかアスコリピチェーノが出てくるならば、断然の人気にもなり、強い競馬をすることでしょう(ジャンタルマンは斤量的にないでしょうが、アスコリピチェーノならば妄想しても良い)。
そこと比較すると、やはり弱いのと、時計の裏付けがないことで、人気になるならば=危険な人気馬と認定して良いでしょう。
トゥードジボン
米子Sを勝っていますので、サマーマイルシリーズでトップを獲るための戦略で良い馬です。
すなわち、無理に勝ちに行く必要はなく、「2着で良い」ということ。
その米子Sは恵まれたのは事実ですし、その前の戦績を考えると元値が高いわけでもない。
ただし1分31秒5の持ち時計があることで、動向を注視したい馬です。
パラレルヴィジョン
元値は高く、今回のメンバーで、今後もしG1を勝てるとしたら?という質問をされたときに、私はこの馬しかいないと答えます。
ただし、安田記念では現状の力の差を露呈してしまったといえ、またイチから鍛錬しなおすことが必要と感じさせられましたね。
中山でスムーズに進出するレースを見ていると、中山が良い馬なんだなと感じますので、新潟巧者が集まったここで、勝ち切るのは簡単ではないと考えています。
プレサージュギフト
クイーンSを差し切った時は単勝を獲ったこともあって、すごい馬が出てきたなぁと感じましたが、その後が期待ほどではない。
素質云々はもちろん足りますし、期待もしているし、新潟向きの軽いフットワークも良い。
でもなぁ、前の期待が大きすぎたこともあって、「ルメールが乗ってもそこそこ以上につきそうだから、無条件で買い」とはならないんですよねぇ。
メイショウシンタケ
米子Sは5着に終わっていますが、上り最速の32秒8で駆けています。
これは逃げて勝ったトゥードジボンより0秒8、5.5.4と展開した2着ディオよりも0秒6も速い上り時計。
こういう走りが出来る馬は、当然、新潟外回りが有利に働きますので、
≪最大の穴馬かもしれません≫
ラインベック
この馬も米子S組(6着)。
ただ、7歳を迎え、昔の名前で出ていますになってしまったなぁという感じ。
そこそこは走れるかもしれませんが、勝ち切るイメージが全くつかない馬です。
ロジリオン
3歳馬でNHKマイルC3着。
したがって54キロで出走できるわけですから、それだけで買い材料の馬です。
ただ主戦とも言える三浦皇成がパラレルヴィジョンに、NHKマイルCに騎乗した戸崎がジュンブロッサム。
もちろん、単純に選ばれなかったという話ではないのですが、NHKマイルCの3着を
「不利があったのに頑張った」ととるか、「一線級には完全に力負け」ととるかで扱いが違ってきますね。
ワールドウインズ
セン馬の7歳です。
時計から言っても大望は酷(1分31秒9といっても9着では価値なし)。
関屋記念(G3)2024の傾向
今年の関屋記念を予想するにあたり、どのような傾向にあるのかしっかり押さえておきましょう。
過去10年間の配当
過去10年で3連単10万馬券超えが2回。
大きな波乱までは少ないものの、馬連でも3連複でも好配当になっています。
例外は、1着馬に2頭、2着馬に1頭いて、3着馬にはいません。
枠順から見る有利不利
7枠、8枠が30頭中14頭までをも占めます。
枠順は決まってみないとわかりませんが、これは新潟・外回りコースなので起こる現象と言えましょう。
記憶に新しい、アイビスサマーダッシュの直千競馬ほど露骨ではないのですが、それでも外が有利、そう盲目的に覚えるで良いでしょう。
前走が重傷を使っている事
過去10年の3着以内馬で30中25頭がこれに該当。
やはり、〝格”重視のレースですね。
人気別の傾向
30頭中28頭もを占めます。
大穴というよりも、中穴まで。
特に4~7番人気の中から1頭、もしくは2頭みつけるというスタンスがあっているというデータが残っています。
まとめ
関屋記念2024のポイントから出走予定馬の詳細まで解説してきました。
ここまでを踏まえた上で、追い切りをチェックし、各馬の状態、各陣営の本気度を探っていくことで、正解=当たり馬券に近づくわけなので、追い切りの記事を楽しみにお待ちいただきたいと思います。
現時点では、上位拮抗、混戦というレースの構図で、
〇ジュンブロッサム
▲パラレルヴィジョン
△ロジリオン
△メイショウシンタケ
この順番となり、私は好きな買い方ではありませんが、3連単5頭ボックスの60点、これを3連複に置き換えると10点。
これが、このレースの買い方として一番相応しいかなと感じています。