女心と秋の空というように、エリザベス女王杯はわけのわからない結末となることも多いように、穴党にとって垂涎のレースです。
行った行ったであのブエナビスタが届かなかったり、オースミハルカが2年連続で2着に頑張ったり。リピーターの多いレースとしても有名ですね。
穴狙いも無謀とは言えないことで、特に初心者に人気のあるレースでもあります。
今年は、最近では強い牝馬に牡馬に混じっても結果を出していますし、3歳牝馬ならば斤量面での恩恵も受けれることで、ここをスキップしてジャパンカップに向かうのも、いわば常識とさえいえる状況になっています。
リバティアイランドが天皇賞を使ったし、チェルヴィニアもジャパンカップに向かいます。そのため、ちょっとメンバーが淋しいなとい感じているのは私だけではないでしょう。
結論を言ってしまえば、レガレイラを信じれるかどうか。
それに尽きますね。
エリザベス女王杯2024の概要
開催日時 | 2024年11月10日(日)15:40発走予定 |
グレード | G1 |
開催競馬場 | 京都競馬場 11R |
コース | 芝2200m |
性齢 | 3歳以上 オープン |
1着賞金 | 1億3,000万円 |
舞台は、京都・芝2200m、外回りで行われます。
内回りコースの直線入り口付近からスタートし、直線が平坦でテンの入りは速くなるが、1コーナーまでの距離が397mと長く、それまでにほぼ位置取りが決まります。
そこから、外回りでバックストレッチも長いため、ゆったりとしたペースになることが多く、古馬のレースは上がりの速い競馬が多く、下り坂で一気にペースが速くなる。
そのまま最後の直線でどこまでトップスピードを維持できるかの勝負で一瞬の切れよりも、スピードの持続力が問われる。ある程度の位置を取らないと差し届かないことが多い。
道中のペース、展開次第で逃げ・先行馬の行った行ったになり、レース展開を読むことが重要なコースで、波乱となるのはこの展開を味方にできない有力馬が多いからですね。
エリザベス女王杯2024の出走馬
ここまでのことを念頭に置いた上で、今年は登録馬が19頭います。
そのうち、フェアエールングが回避を予定していますので、この馬を除いた18頭をみていきましょう。
エリカヴィータ
16戦2勝の5歳牝馬。
3歳時のフローラSを勝ってしまったことで、その後が厳しくなりました。まるで、無理をして良い高校に入れたけれども、そこではまるっきりついていけなかったみたいな話。
ですが、『せっかくG1に出れるのに、出ないのもおかしい』からの出走なので、大望は出来ません。
キミノナハマリア
16戦4勝の4歳牝馬。
常識的には足りないのですが、今年に入って馬が一段上がったと感じます。
名前もいいですので、『可愛い名前が気に入った』と初心者の女性のような理由かもしれませんが、買って良いと思います。特に札幌日経オープンの内容が良かった。
コスタボニータ
20戦5勝の5歳牝馬。福島記念を勝ち、小倉記念が2着。
小倉記念では56キロ(=牡馬換算で58キロ)のハンデを課されていますから、今回のメンバーでは大威張りできる実績。
府中牝馬Sが大敗だったことで人気も下がるでしょうが、その勝ち馬も、3着馬もここには出走してきませんので、狙い目だと思えます。
コンクシェル
19戦5勝の4歳牝馬。中山牝馬Sの勝ち馬で、そこから4走連続で逃げています。逃げなくても競馬はできそうですが、逃げたほうがパフォーマンスレベルが安定します。
コース形態を考えると逃げた方が明らかに良いでしょうから『どうしても逃げる』競馬を選択することでしょう。
ゴールドエクリプス
14戦4勝の5歳牝馬。小倉大賞典時、マーメイドS時ともにハンデは53キロ。コスタボニータと比べればハンデ差3キロですから、これがそのまま力量の差だと言えます。
昨年のエリ女では14着に終わっており、特段の成長もないとなれば『単に1年、歳を取っただけ』となります。
サリエラ
10戦3勝の5歳牝馬。
もっと成績があがっていないとダメな素質があるのですが、いかんせん雑な馬で、大味なレースしかできないんですよね。
今回、ムーア騎手が乗ってくれることで、違った面を引き出してもらえれば…という期待はできるのですが、この手のタイプは『勝てるんだったらとっくに勝っている』ことに終わることがほとんど。
昨年のエリ女は6着でしたが『あれと似たようなレースで今年は4着でした』みたいな結末が一番イメージしやすいですね。
シランケド
9戦4勝の4歳牝馬。
今回が昇級戦ですので、4勝はいずれもが条件戦となりますけども、今回のメンバーでは勝率44%は上から2番めの数字です。
前に行ける脚もあれば、出遅れてもそのポジションでて伸びてくる脚もある。常識的には格が足りませんが、今年のメンバーならと思えます。
シンティレーション
14戦4勝の5歳牝馬。
府中牝馬Sでプレイディヴェーグと同じ32秒8の脚を使って2着しています。
リバティアイランド、プレイディヴェーグ、チェルヴィニアをこの路線の牝馬3強とするならば、この馬が次のグループにいると証明されたわけですから、この馬が勝つことが順当勝ちとさえ言えるのかもしれません。
今年に入って別馬になったという認識で良く【十分に単勝を買って良い】です!
シンリョクカ
10戦2勝の4歳牝馬。
好馬体の持ち主で、私はこの馬の馬券を何回も買っており、新潟記念のパドックをみたときに、今回は買えるなと感じたものです。
ただ、その新潟記念は、恵まれて勝ったという評価に過ぎません。
思い起こせば、出れるのにリバティアイランドを避けた昨年の秋華賞回避(=府中牝馬Sに出走)した馬が、2年連続でエリ女には使ってくるわけです。
う〜ん、昨年(=9着)並だと思うのですが。
スタニングローズ
16戦5勝の5歳牝馬。
一昨年の秋華賞馬ですが、私が印象深いのは単勝を買ったオークス2着です。
その後は、牡馬相手にG1を使ったりしていますので、成績が上がっていないのはある程度仕方がないのですが、クイーンSの結果が現状の力ではと感じます。
う〜ん、復活してほしいのですが、この馬は特に追い切りをチェックしないといけません。
ハーパー
11戦2勝の4歳馬。
オークス2着、秋華賞3着で、有馬記念にも出走しています。そこで無理をしたのが、結果として良くなかったんでしょう。
府中牝馬Sにしても、この馬の状態を絶賛し期待していた新聞や週刊誌がなんと多かったことか。
ピースオブザライフ
15戦4勝の4歳牝馬。ダートのトルマリンSを勝っての参戦。
また、ずっとダートを使ってきた馬ですから、ここでいきなりどうこうは厳しいものがあります。
『せっかく使えるんだから』というのが出走の理由であり、大望は酷。
ホールネス
6戦4勝の4歳牝馬。
G1初出走ですが『勝率6割6分6厘』は、ここでは最上位のものです。
もちろんG1の壁に阻まれる可能性はありますが、新潟牝馬Sでオープンを勝っていますので、それは杞憂に終わるかもしれません。
ただ、マーメイドSが52キロの評価しかされていませんので、それがこの馬の元値なのかも。
モリアーナ
13戦3勝の4歳牝馬。
紫苑Sで素晴らしい末脚を披露してから勝てていませんが、その後も相応に走っており、戦力減はありません。
ただ、コーナー4回よりも、ワンターンの阪神牝馬Sの内容が良かったように思えます。
いずれにしても、他力本願の脚質なので、嵌まるかどうか、まさに賭けとなります。
ライラック
17戦2勝の5歳牝馬。一昨年のエリ女が2着同着で、昨年が4着とこのレースを得意としています。
2年連続で結果が残っているということは、この条件が合っているということ。
その後が大敗続きなことで、加齢による衰えはあるのでしょうけども、この手のタイプは特定の条件(=つまりはここ)での激走があるので、無条件で買うでも良いのかもしれません。
ラヴェル
11戦2勝の4歳牝馬。京都記念5着、マーメイドSも54キロで5着。
やはり、ここに出走となっても厳しいものがあります。せめてハンデ戦だったら…、と思うしかありません。
ルージュリナージュ
17戦4勝の5歳牝馬。
ヴィクトリアマイル、府中牝馬Sともに5着ですから、このメンバーならば食い込んでも不思議ありません。
速い時計でも走っていますので、買えるし、買いたいところ。穴馬の資格、十分です!
レガレイラ
6戦2勝の3歳牝馬で1番人気が濃厚。
結局のところ、この馬を信じるかどうかに尽きるわけですが、買う以上は1着の欄でないといけません。(=それ以外の馬を買うなら単勝で良いのでは)
皐月賞6着(=上がり最速)、ダービー5着、ローズSにしても相応に走っていると言えるのですが、やはり、レースが雑なんですよね。
とにかく、少しでも前につけれるか。そこが最大のポイントとなります。
エリザベス女王杯の過去10年の傾向から予想
エリザベス女王杯は、昨年から京都2200m外回りに戻りました。阪神で行われた3年も含めた過去10年の日本馬についてみていきます。
3歳馬対4歳馬
3歳=33頭が出走し、
【 2 3 3 25 】
4歳=60頭が出走し、
【 7 4 5 44 】
5歳=61頭が出走し、
【 1 3 1 56 】
6歳=13頭が出走し、
【 0 1 0 12 】
7歳上=4頭が出走し、
【 0 0 0 4 】
勝率、連対率ともに4歳馬が頭一つ抜けている感じですが、3歳馬も連対率、1〜3着の入着率は互角と言えるくらいに高いものがあります。
ただ、5歳を超えると成績がガクンと落ちていますね。
年齢別の目安
3歳
1〜3着馬8頭中、6頭が秋華賞からの臨戦となっており、やはりここからですね。
また、初勝利が1800M以上だった馬も6頭いました。
興味深いのは、初勝利が1600mだった2頭はともにオークスでの連対馬でした。
4歳
1〜3着馬16頭の全馬が芝で3勝以上で、かつ5連対以上。
15頭は芝での連対率が40%以上あります。
5歳以上
1〜3着馬6頭中、5頭が前年のエリザベス女王杯で1〜6着馬でした。
また、いずれも前走はG1かG2で1〜5着だった。
ステップは3つに絞れる
秋華賞組=27頭が出走し、
【 1 3 2 21 】
府中牝馬S組=50頭が出走し、
【 4 6 2 38 】
オールカマー組=17頭が出走し、
【 3 1 0 13 】
その他=77頭が出走し、
【 2 1 5 69 】
ステップは実質的に、秋華賞、府中牝馬S、オールカマーの3つ。
前装着順の目安は、
秋華賞なら、「1着か、勝ち馬から1秒0差以内の一桁着順」
府中牝馬Sは、「1着から、勝ち馬から1秒0差以内の一桁着順」
オールカマーなら、「1〜5着」。
その他の1〜3着は、札幌記念から3頭、ヴィクトリアマイル、宝塚記念、オークス、ローズS、新潟記念から各1頭となっています。
「重賞で1着か、0秒4差以内の2,3着」が目安となります。
G1初出走はハードルが高い
G1で1〜5着の実績があったのは、1〜3着馬に各6頭ずつで、計18頭を数えます。
ただ、21年以降の近3年では、1〜3着馬9頭中、7頭にはG1で1〜5着の実績がありませんでしたので、傾向が変わってきていると言えます。
G1で1〜5着の実績がなかった12頭中4頭はここがG1初出走でした。
G1初出走馬の取捨の選択目安は、
- 芝で1〜3着の入着率が60%以上
- 2000m以上の芝で1〜3着入着率50%超
この2点。
クリアすべきハードルは高いと言わざるを得ません。
エリザベス女王杯2024の予想買い目
結局のところ、レガレイラを信じるかどうかです。
いろんなことに目をつぶって、「ここはいかにも相手に恵まれた」私はそれを採用したいと思います。
レガレイラを◎とする以上は、この馬が勝たないと意味がありません。そうはいっても単勝を10万円というタイプではありませんし、オッズもそこまではつかないでしょう。だったら、3連単で買うべき。
3連単フォーメーション(12点)
1着:レガレイラ、ルージュリナージュ
2着:ライラック、シンディレーション、 コスタボニータ
3着:ルージュリナージュ、ライラック、コスタボニータ
こちら12点予想で、各500円ずつくらいで良いのではないでしょうか。