5月11日、東京競馬場においてG1NHKマイルカップが行われます。
人気が割れると思うのですが、それでも1番人気は朝日杯FSの覇者でニュージーランドトロフィーで私が10万円損をしたアドマイヤズームでしょうか。
その朝日杯FSで2着だったミュージアムマイルが皐月賞馬となっているのですから、ニュージーランドトロフィーの負けも帳消しになった感じがあります。
そのニュージーランドトロフィーにしても、「前哨戦としては悪くない」とも言えますので、10万円を損したからと言って、この馬はダメだとはなりません。
東京の長い直線でどうなのか?とか、切れ味勝負では分が悪いのでは?などと、全幅の信頼とまではいかないことで、拮抗というか、混戦の構図なわけです。
そして、リバティアイランドの悲劇。
今回は川田騎手のメンタルやツキ、流れみたいな部分も考えたほうが良いでしょうね。
NHKマイルカップの概要
開催日時 | 2025年5月11日(日) 東京競馬場11R |
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グレード | G1 |
開催競馬場 | 東京競馬場 |
コース | 芝1600m(Aコース・2コーナーポケット発走) |
性齢 | 3歳牡・牝 馬齢戦 牡57kg 牝55kg |
トライアル3鞍のレベルは?
レース名 | 開催日 | 開催競馬場 | 優勝馬 |
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ファルコンS | 2025年3月15日(土) | 中京競馬場 | ヤンキーバローズ |
チャーチルダウンズカップ | 2025年3月22日(土) | 阪神競馬場 | ランスオブカオス |
ニュージーランドトロフィー | 2025年4月5日(土) | 中山競馬場 | イミグラントソング |
NHKマイルカップの出場条件を掛けた3つのレースをそれぞれ解説していきます。
ファルコンS
1400のレースなので、マイルに距離が延びてどうなのか?は疑問が残るところですが、勝ったヤンキーバローズは強かった。
ここには、
が出走しますが、この組がヤンキーバローズを逆転するのは難しいかなと感じますね。
チャーチルダウンズカップ
朝日杯FSで3着だったランスオブカオスが1分32秒2の好時計で勝ちました。
ここには、
が出走しますが、勝ち馬と2着馬の着差は0秒3ありました。
ただ、アルテヴェローチェは出遅れてのものだったし、走りも造りも前哨戦仕様だったように思いますので、この1、2着の逆転はあって不思議ないでしょう。
ただし、やっぱり、他の組の方が強いかな。
ニュージーランドトロフィー
中山のマイルと東京のマイルだと要求される適性が違いますので、着順を信じて良いのかには疑問が残りますが、1分32秒4で、14番枠ろはいえ、不利な中山マイルの大外枠から出遅れながらも差し切っています。
ここには、
が、出走の意思をしめしていますが、この組は1、2着だけが馬券になるか、買えるかどうかのライン。
ミーントゥビーは出れない可能性が高いし、出れたとしても足りないでしょう。
コートアリシアンにしても、総合力が劣ります。
※こうみていくと、なんのかんの朝日杯FS組に相応の評価ができ、トライアルは相応ではありましたが、やっぱり、G2、G3のレベルの話だな感じますので、あとは、桜花賞組、皐月賞組(=マジックサンズ)に、どの程度の期待が持てるかとなります。
NHKマイルカップの賞金
着順 | 賞金 |
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1着 | 1億3000万円 |
2着 | 5200万円 |
3着 | 3300万円 |
4着 | 2000万円 |
5着 | 1300万円 |
NHKマイルカップのポイント
予想に役立つNHKマイルカップのポイントを解説していきます。
クラシック路線からの転戦馬が強い
皐月賞・桜花賞から臨んだ馬の3着内率はともに40%超。
特に単勝3番人気以内なら【5-3-0-2】と高確率で馬券に絡む。
2番人気が妙に走る
過去10年の勝ち馬はすべて3番人気以内で、なかでも2番人気が4勝。
1番人気の複勝率より高い点は要注目。
前走1着馬・6着以下馬は割引
前走勝ち上がり組は3着内率7%と不振。
逆に前走2~5着の巻き返しが目立つ。
トライアルよりも実績
ニュージーランドT・チャーチルダウンズCは6番人気以下の激走もあるが、本番で勝ち切るのは重賞実績馬が多数。
NHKマイルカップコースのポイント(東京芝1600m)
それではNHKマイルカップで使われる東京芝1600mのポイントを解説していきます。
スタート~向こう正面:下り→上り→下りのリズム勝負
最初のコーナーまで550mと長く、序盤は位置取りよりリズム重視。
向こう正面は緩い下りでスピードが乗るが、途中に一瞬上りが挟まるため息を入れづらい。
見た目以上にスタミナを消耗しやすい。
3~4コーナー:大回りワンターンでスムーズ加速
コーナーは緩い上り勾配の大回り。極端に減速せず加速に移れるかが勝負の分かれ目。
ここで脚をロスすると直線525mが耐えられない。
直線525m+急坂2m:坂を越えてからが本当の勝負
残り400m地点に高低差2mの急坂。坂で減速せず再加速できるパワーと持続力が不可欠。
坂を上り切った平坦300mでの伸びが決定打になる。
求められる適性:瞬発力+スタミナ+パワーの三拍子
- スプリンター型より準中距離型が好走しやすい
- 脚質は差し・追い込み優勢。ただし無理なく先行し坂で粘れるタイプなら前残りも。
- 総合力が問われるため、瞬発力・スタミナ・パワーを兼ね備えた馬が理想。
NHKマイルカップの出走馬
フルゲートの18頭に対して名乗りを上げたのは22頭。
現在の情勢では本賞金1150万円のティラトーレとマイネルチケットまでが出走できる情勢ですが、ティラトーレは2000mのフローラSを使ったばかりなので、中1週で本当に出てくるのか?と考えていけば、スリールミニョン以下にも出走のチャンスは出てきます。
アドマイヤズーム 牡 4戦2勝
朝日杯FSの勝ち馬で、ニュージーランドトロフィーは2着でした。
負けたとは言え、相応に走っているとはいえますが、なんといってもミュージアムマイルが、あのクロワデュノールを破って皐月賞馬になったことで、この馬が再評価されている形。
なにしろ、朝日杯で、あのミュージアムマイルにつけた着差は0秒4もあります。
状態が上がって、1分31秒台で押し切れるのだったら、もちろん、勝ちに届きます。
アルテヴェローチェ 牡 5戦2勝
初戦は札幌1500mで、あとはすべて1600mのレースを使っています。
サウジアラビアロイヤルカップで実際に東京のマイル戦を勝っていますし、勝ち切るまでのイメージは出来ませんが、2着や3着にならば、なんの驚きもしません。
レースが雑で、まだ幼さが残りますけども、逆からいえば、それでもこの成績を残せているのですから、素質が高い馬です。
イミグラントソング 牡 5戦2勝
ニュージーランドトロフィーを勝ちきったことで、ここでも俄然、注目の一頭となります。
未勝利戦では、時計はそこまでではなかったとはいえ、2着に5馬身の差をつけて勝っているように、東京がダメだというわけではないし、ひいらぎ賞にしても1分32秒5の速い時計で走っています。
中山マイルのニュージーランドトロフィーは、NHKマイルカップに連動しないトライアルとして有名ですけども、逆から言えば、ソロソロこの組が強い競馬をして勝ってもおかしくありません。
ヴーレヴー 牝 7戦3勝
エルフィンSの勝ち馬で、桜花賞の8着馬です。
桜花賞は1着、2着、おまけで3着までが強いなと感じましたが、4着以下は一枚半以上落ちます。
時計もちょっと足りないなと思いますので、唯一の3勝馬ではありますが、それがすごいアドバンテージだとは思えません。
コートアリシアン 牝 5戦1勝
桜花賞に出れなかったことで、ニュージーランドトロフィーにまわったのですが、3着でした。
この馬自身の走りは相応だと言って良いのですが、3着という字ヅラだけで、勝ち負け出来たかといえば、そうではないように思いますね。
やはり、阪神JF6の着馬、クイーンカップの4着馬、それがこの馬の実力という認識で良いでしょう。
サトノカルナバル 牡 4戦2勝
近2走が9、5着と大きいことで、人気が下がっていますけども、2歳秋の身でアメリカに遠征、共同通信杯は太め残りの上、1800mのレースですから、そんなにマイナスなわけではありません。
新馬戦、函館2歳Sともに内容は良かったですので、勝ってもおかしくないだけの実力はあります。
特に、共同通信杯は負けを覚悟の上でわざと1800に使ったなと感じますので、見限るのはまだ早い。
ショウナンザナドゥ 牝 7戦2勝
フィリーズレビューの勝ち馬で、阪神JFの4着馬です。
桜花賞は10着に終わっていますが、これはそこまでのローテーションがキツかったのもあります。
ただ、やはり、桜花賞の上位3頭とは力の差があるなと感じますので、ここでは泡沫候補。
3着どころか、5着だったとしても大健闘と言って良いのではないでしょうか。
スリールミニョン 牝 6戦2勝(出走可否微妙)
《出走馬決定順で単独19位なので、除外対象》
阪神JF5着、チャーチルダウンズカップ4着と相応の力はあります。
自己条件ならなんとかなる力はあるでしょうが、さすがにG1では。
出れそうな感じはしますが、個人的には一息入れて馬体の成長を促してほしいなと思うのですが。
チェルビアット 牝 6戦1勝
1勝馬ですが、フェアリーSで2着があることで、ここに出走することが出来ます。
桜花賞は3コーナーで不利がありながら6着まで来ていますので、戦績以上の強さならあります。
ただ、それがなくても上位3頭に割り込めたのか?と言われると…。
桜花賞組は、やはり、1、2着馬でないと(=どちらも出てきませんが)ここでは厳しいのでは。
トータルクラリティ 4戦2勝
朝日杯13着、ファルコンS10着ではありますが、新潟2歳Sの雑でも力強い走りはまだ色褪せていません。
2歳夏の時点なので仕方がないのですが、新潟2歳Sは時計も評価できるものではありませんので、今回、普通に考えて1分32秒前半の時計にはなるでしょうから、対応できるのか? 大いに疑問。
なお、開幕週・日曜の3歳1勝級の平場戦では1分32秒2の時計が出ていますので、31秒台でもなんらおかしくないんですよね。
ネーヴェフレスカ 牡 7戦2勝(除外対象)
《出走馬決定順位で20位タイ》
ダートで未勝利を勝ち上がり、前走は阪神マイルで1分34秒7で勝ち切っています。
ペースが遅ければ前にも行けるので、この馬はいずれ2勝級を勝てるだろうと思えます。
ただ、G1でどうこうというレベルではありませんので、出れたとしても泡沫候補となります。
パンジャタワー 牡 4戦2勝
朝日杯FSは4番人気で12着、ファルコンSは1番人気で4着。
そのファルコンSのときに私は単勝を買ったので、「たいしたことないな」という評価です。
今回は、有利とは言えないマイルへの距離延長ともなりますので、中団待機から切れる脚で伸びてくるというイメージが持てません。
マイネルチケット 牡 5戦1勝
サウジアラビアロイヤルカップ3着、京王杯2歳S2着、シンザン記念4着と勝ちきれないまでも地味に駆けています。
ここに出てくる面々と直接に対戦し、負けていますので、今回いきなり逆転が叶うとは思えません。
この馬も、地味に長く活躍出来そうな感じがしますが、ここでどうのこうのなるまではいきますまい。
マジックサンズ 牡 4戦2勝
皐月賞の6着が見所あり。
ただ、これこそが勝負事の機微なのですが、仮に5着に届いていれば、ダービーへの優先出走権が得られたわけですから、ここには出ずにダービーに備えたはずだと思います。
札幌2歳Sの内容も良いし、皐月賞の末脚からも十分に期待の持てる馬ですが、マイルの流れに対応できるのか?なにしろ、初のマイルがいきなりのG1なんですからね。
《期待はできても危険な人気馬》
マテンロウサン 牡 5戦2勝(抽選対象)
《出走馬決定順位で20位タイ》
前走の阪神、1勝級・平場戦を1分34秒3で勝っています。
このときの上がり3ハロンが33秒0で、終いのラップも優秀。
基本的には出れたとしても総合力が足りないのですが、除外対象組の中では、この馬だけが穴の可能性がある存在だと覚えていてください。
マピューズ 牝 5戦2勝
桜花賞では9番人気ながら、4着まで来ています。
私の評価の高い馬なので、このくらい走っておかしくないと思うのですが、それでもやはりここまで。
桜花賞の1,2着馬は今回いないですけども、それにしても、牡馬の強いところが揃った印象で、それを跳ね返すまではいけないでしょう。
ミニトランザット 牝 4戦1勝(抽選対象)
《出走馬決定順位で20位タイ》
チャーチルダウンズカップで3着していますので、ソコソコ走れるだけのモノがあります。
ただ、出れたとしても、ここでは泡沫候補。
鋭い脚は持っていますが、同じ本賞金900万の中では、マテンロウサンに劣ります。
ミーントゥビー 牝 7戦2勝(抽選対象)
《出走馬決定順位で20位タイ》
チャーチルダウンズカップで3着していますので、ソコソコ走れるだけのモノがあります。
ただ、出れたとしても、ここでは泡沫候補。
鋭い脚は持っていますが、同じ本賞金900万の中では、マテンロウサンに劣ります。
モンドデラモーレ 牡 4戦1勝
ファルコンSの2着馬です。
その時が6番人気でしたけども、あれくらい走れるだけの下地はあった馬。
ジュニアカップではファンダムを相手に勝ち負けに持ち込めており、総合力はやや劣りますけども、一縷の臨みはあります。
ヤンキーバローズ 牡 5戦2勝
ファルコンSの勝ち馬で、良い内容で伸びていました。
もともと函館2歳Sの4着馬でもあり、京王杯2歳Sの3着馬なので、あのくらい走れておかしくありません。
ただ、前走の走りを見る限り、やはり、ベストは1400では。
1600の距離延長がプラスに働く感じはありません。
ランスオブカオス 牡 4戦2勝
朝日杯FSの3着馬で、前走でチャーチルダウンズカップを快勝しています。
時計も1分32秒2と上々のもので、力を見せつけています。
ただ、やはり、総合力が上位馬に比べると劣ってしまいます。
巧く立ち回れる枠順や並びが欲しいところです。
出走馬情報の補足
桜花賞から、オークスへはいかず距離のマイルを重視して、
札幌2歳Sの勝ち馬で、皐月賞では6着に終わったマジックサンズがこちらに鉾を向けてきます。
マジックサンズは5着に届いていれば、すんなりとダービーにいったんだろうなと思いますけども、皐月賞において上がりの脚は最速を記録した馬です。
いわゆる、クラシックからの路線変更が5頭を数えますので、もともとのマイル路線組からしたら、脅威であり、レースの質が変わってくることを念頭にいれておかなければなりません。
NHKマイル過去10年の傾向
波乱の決着も多い3歳マイル王決定戦で、私としては、ピンクカメオのレースが衝撃として今でも残っています。
ただ、配当面では、極端なレースでもあり、昨年のNHKマイルCは朝日杯FSの覇者ジャンタルマンタルが1着、阪神JFの優勝馬アスコリピチェーノが2着と、2歳G1を制した2頭によるワンツーとなって、3連単は8520円と堅く収まっています。
その一方で、2022年に3連単150万馬券が飛び出すなど、波乱の決着となった年もある。
その攻略法を探すべく、過去10年の結果を分析していきます。
2番人気が好成績
6番人気以下が連対した年は7回で、大波乱は2016・2022年の3連単100万超。
ジャンタルマンタルをはじめ単勝2番人気馬が4勝を挙げ、3着内率も70.0%となっている。
それに対し、1番人気は同40.0%とやや低調だが、過去10年で3番人気以内の馬がそろって4着以下に敗れたことは一度もありません。
ただ、6番人気以下の馬も2016年以降は9年連続で馬券に絡み、複数頭が3着以内に入ったケースも5回を数えます。
2桁人気馬が3着以内に入った年もあるので、堅く収まった昨年はむしろ例外と捉えた方がいいのかもしれないですね。
前走レースクラシックからの転戦組が好成績を残しています
過去10年の前走別成績を調べると、皐月賞組と桜花賞組の3着内率が高くなっています。
前走が皐月賞または桜花賞だった馬が単勝3番人気以内に支持された場合は、
【5-3-0-2】の好成績。
連対率でいうと80%に達しますね。
3着以内馬の頭数ではアーリントンC(今年チャーチルダウンズCに改称)と、ニュージーランドTのトライアル組が6頭で並び、こちらは3着以内に入った12頭中9頭が6番人気以下でした。
前走で1着、もしくは6着以下だった馬は割り引き
過去10年の前走の着順別成績を見ていくと、前走で11だった馬は3着内率7.1%となぜか苦戦傾向。
当レースで4着以下に敗れた馬の中には3番人気以内だった馬が8頭もいます。
前走を勝っての参戦となる馬は人気になっていても過信禁物と言っていいでしょう。
また、前走で6着以下に敗れていた馬も3着内率が6.5%と厳しいので、前走が皐月賞や桜花賞であっても、6着以下に敗れていた馬は割り引いた方が良いでしょうね。
脚質は差し・追い込み優勢
直線の長い東京らしく差し・追い込みが優勢。逃げ切り勝ちは10年間で1例(2020ラウダシオン)だけ。
NHKマイルカップの予想
なんのかんの、アドマイヤズームがソコソコ走るかなと思う気持ちもありますが、今年は荒れると踏んで、フルスイングします!
毎日杯を32秒5の脚で差し切ったファンダムがダービーに向かうことでいなくなったのがそもそもの始まりかなと感じています。
◎はサトノカルナバル!
まずは単勝を買いましょう。
3連複でも十分につきます!