武蔵野Sはダート1600mで行われる重賞ですが、G1チャンピオンズCの前哨戦でありG3ながら格別定のレースです!
格別定とは、このレースの斤量規定である、3歳56キロ、4歳上57キロ、牝馬は2キロ減をベースとして下記の計算を行います。
- 1年以内のG1(牝馬限定G1は除く)で勝っている馬は2キロ増
- 1年以内の牝馬限定G1とG2(牝馬限定G2は除く)で勝っている馬は1キロ増
- 1年以上前のG1勝ち馬(牝馬限定G1は除く)は1キロ増
ただし、2歳時の成績は除くという斤量規定だからです。また、1着馬にはチャンピオンズCへの優先出走権が与えられます。
そうは言っても、中京のダート1800mと東京のダート1600mではコース形態が大きく違いますし、すでに出走権が確定している馬にとってはJBCが現実的な選択肢。
そのため、純粋に東京ダート1600mへの適性を一番に考えて予想をしていきます。
武蔵野Sの概要
開催日時 | 2024年11月09日(土)15:35発走予定 |
グレード | G3 |
開催競馬場 | 東京競馬場 11R |
コース | 芝1600m |
性齢 | 3歳以上 オープン |
1着賞金 | 4,000万円 |
武蔵野Sは東京競馬場、ダート・1600mで行われます。
また、前述した通り、格別定ですから、エンペラーワケアが57キロで出走できることが信じられないくらいです。
武蔵野Sの会場・コース解説
舞台は、東京・ダート1600mで行われます。芝のポケット部分からスタートしてダートコースに入るまでに芝を150mほど走ります。
細かい話ですが、内と外では外の方がおよそ30m芝部分が長く、スピードが付きやすいため、外枠が有利とされます。
芝でスピードに乗せる必要があるため、出遅れは致命的。スタートを決めることが出来るかが最初の勝負の分かれ目となります。
最初のコーナーまでの距離はおよそ640m。長い距離を走ることになりますが、スローペースになることは少ないです。
条件クラスでは前半のラップはさほど変わらないが、クラスが上がるほど中盤~ラストの流れが厳しくなり、スピードとタフさが要求されます。
基本的には逃げ・先行が有利。東京ダート1300m~1400mに比べると逃げ切りの割合は少なく、上級クラスになると後方からの差し・追い込みも届きます。
武蔵野Sの会場・コース解説
ここまでのことを念頭に置いた上で、今年は登録馬が18頭ですので、現有戦力をみていきましょう。
アーバンイェーガー
63戦5勝のなんと10歳牡馬。
出走馬決定順の18番目なので、除外対象です。
年齢からも大望は酷で、主戦場の1200ならそこそこやれるかもしれませんが、1600が有利に働くとはとても思えません。
仮に出れたとしても、ここまでは到底、手が回りません。
イーグルノワール
9戦3勝の3歳牡馬。
中央よりも、地方のダートを好んで使っている馬。
総体的な能力順はそう高くないこと、6月のアハルテケSで大敗していること。
そこそこの期待はできますが、ここまでメンバーが揃うと相当に厳しいものがあります。
エルゲルージ
16戦4勝の5歳牡馬。
オープン入り後は11着 → 4着。
近2戦はオープンの洗礼を浴びている形ですが、オープン入りまでは安定した成績を残していました。
また、ずっとダート1400を使っていたこともあり、1600が有利に働くことはありませんので、厳しいですね。
エンペラーワケア
9戦6勝の4歳牡馬。
近2走は59キロを背負いながらも、危なげのない勝ち方をしています。
とはいえ、この馬もずっとダート1400を使っていて、1400がベストではと思われる馬。
その観点では、仮にここを勝ったとしても、ダート1800のチャンピオンズCに行くのかな?と思えます。
とはいえ、来春のフェブラリーSの予行演習と思えば、ここを使う意義は十分過ぎるほどにあります。
カズペトシーン
13戦4勝の4歳牡馬。
2連勝でオープン入り。
ダート1700m、ダート1800mを使って来た馬。
コーナー4回と、今回のワンターン、どっちが向いているのか、なかなか判断がつきませんが、小回りコースで後ろから差し込んでくる脚には高い評価を与えないといけません。
今回がハンデ戦だったら良かったのにとは思います。
キタノヴィジョン
30戦5勝の7歳牡馬。
前走の南部杯を10番人気ながら3着と好走。
もちろん、勝ったレモンポップからは0秒9も離されてはいますので、そこまでの評価はできません。
マーチSの4着馬も57キロを課せられていてのものですから、そこそこ走れようも、過度の期待はできないというのが妥当な評価となりましょう。
クロジシジョー
28戦6勝の5歳牡馬。
ダート1200ばかりを使っている馬で、十分な成績を残している馬です。
戦績や使っている距離を考えると、「本当に出てくるのかな」と思えます。
とはいえ、間隔を考えれば、ここを使っておくべきでしょう。
コスタノヴァ
8戦5勝の5歳牡馬。
なんといっても、東京で4戦4勝の馬です。
前走は、地方のダート1200で、さらに出遅れていたのではどうしようもなかった。
ベストは1400mだと思えますので、今回のダート1600mでどのくらいのマイナスがあるか。
とはいえ、エンペラーエケアとのガチンコでなんとかなりそうなのはこの馬だけでもあります。
サヴァ
21戦5勝の6歳牡馬。
7番人気ながら大沼Sを勝ちました。
ただ、この馬は今回のワンターンよりも、小回りのコーナー4回で小脚を活かしたほうが苦にする馬が多いことで有利に働く印象。
サンライズホーク
15戦7勝の5歳セん馬。
半分弱勝っていることは立派なのですが、現在は4連敗中。
また、8戦連続で地方競馬を使っているように、大箱の東京、しかも王道のマイルでどうなのか?
不安というか心配が先に立ちます。
ショウナンライジン
12戦5勝の4歳牡馬。
重馬場でしたが、前走で東京ダート1600mのグリーンチャンネルCを1分34秒2という好時計で勝っています。
出遅れながらも上がり最速で差し切っており、出遅れなかったらもっと楽に勝てていただろうと推測できます。
大ベテラン・柴田善臣騎手が続けて乗っているのも、この馬にはプラスだと感じます。
ゼットリアン
16戦4勝の4歳牡馬。
グリーンチャンネルCの4着馬です。
この馬も出遅れて脚を使って4着まで追い上げていますが、勝ったショウナンライジンからは0秒9もの差をつけられています。
普通に考えれば、ショウナンを逆転することはそうとうに無理があり、このことだけで、少なくとも単勝を買うのは無謀という答えが出ます。
タマモロック
15戦4勝の4歳牡馬。
グリーンチャンネルCの2着馬で、一たんは抜け出しており、勝ったショウナンライジンよりも、よほど安定したレースをしています。
この条件を好んで使っていて、なおかつ好成績も残していますので、間違いなく東京ダート1600mがあっています。
ただ、重賞でメンバーも強くなっていますので、圏内候補の1頭までという評価で良いでしょう。
ドルチェモア
14戦3勝の4歳牡馬。
大敗が、ちょっと出口が見えない。
京成杯オ−タムハンで55キロのハンデに1キロ軽くしてもらいましたが、それでも競馬になっていないのが現実。
どう考えても厳しいですね。
ビヨンドザファザー
24戦5勝の5歳牡馬。
前走のシリウスSは7着に終わっていますが、出遅れてずっと15番手から直線だけで追い上げたもの。
ハンデが57.5キロでしたから内容は上々。
6月のアハルテケスSでは、タマモロックに勝っており、食い込みに注意すべき馬です。
ペイシャエス
18戦5勝の5歳牡馬。
エルムSの勝ち馬です。
そのエルムSは時計も内容も上々でしたし、3歳時には同じ東京ダート1600mのユニコーンSを勝っています。
もともとがトップクラスの馬。
一時の不振は完全に脱出したと言っていいでしょう!
メイショウテンスイ
45戦5勝の7歳牡馬。
2走前、ジュライカップを逃げ切っています。
今回のメンバーは、後ろから末脚を使う馬が多いので、この馬が逃げ粘る。
そんなシーンがあっても不思議ありません。
武蔵野Sの過去10年の傾向から予想
武蔵野Sの過去10年の傾向から予想を組み立てます。
要求されるダート実績
1,JRAまたは重賞で連対
2,JRAでのオープン勝ち
3,地方交流JPN1で連対
この例外は1着馬にはおらず、2〜3着馬にそれぞれ2頭います。
中2〜6週で臨戦が条件
ステップでは南部杯組が最多の5連対。
次にグリーンチャンネルC(=14年はエルコンドルパサーM)組の4連対。
なお、最近の7年では、連対馬14頭中で12頭が2〜6週の臨戦だった。
また、1着候補ならば、前走4着以内というのも重要で、過去10年で1着馬に前走が5着以下からの巻き返しだった馬は1頭もいません。
7歳以上は減点すべき
年齢別では、3〜6歳の4世代が連対率13〜15%台で、大きな成績差はありません。
ただ、7歳以上は明らかに成績が落ちています。
3歳馬=20頭が出走し、
【 1 2 1 16 】
4歳馬=29頭が出走し、
【 2 2 2 23 】
5歳馬=44頭が出走し、
【 2 4 3 35 】
6歳馬=32頭が出走し、
【 4 1 2 25 】
7歳上=33が出走し、
【 1 0 2 29 】
1番人気は3連対止まり
1番人気は3連対にとどまっています。
最近の5年では、11,5,6,2,9着と惨憺たる成績。
これに変わって2番人気が5連対と気を吐いています。
馬単は4回の万馬券を含め、8回までが4000円を超える配当となっています。
武蔵野Sの予想買い目
エンペラーワケアの力量が1枚上。
ベストは1400だろうが、59キロで走ってきた馬が今回は57キロなのはいかにも有利。
また、来年のフェブラリーSの予行演習とも言えますので、決して前哨戦仕様ではありません。
とはいえ、単勝とか、3連単の頭固定とまではいかず。
1着:エンペラーワケア
2着:コスタノヴァ、タマモロック、ビヨンドザファザー、ペイシャエス
3着:コスタノヴァ、タマモロック、ビヨンドザファザー、ペイシャエス
1着:コスタノヴァ
2着:エンペラーワケア
3着:タマモロック、ビヨンドザファザー、ペイシャエス
配当見込みを考えても、この買い方で良いのではと思えます。