福島記念は、その名の通り福島を代表するレースの1つです。
夏の七夕賞と同じく福島の2000mのハンデ戦なので、私の表現で言う「インチキ臭いレース」となります。
そのため、強い馬というより福島に合っている小脚の使える器用な馬の方が配当の面からも狙い目となるわけで、好配当、高配当、穴馬券が好きな方にはおあつらえ向きのレースです。
登録馬20頭のうち、ゴールドエクリプス、フェアエーリングとラヴェルの牝馬3頭が、G1エリザベス女王杯との兼登録となっていること、フルゲート16頭に対して、20頭が登録していること、そしてなによりハンデ戦ですので、ハンデの付き方も考慮しながら見ていくこととしましょう。
福島記念の概要
開催日時 | 2024年11月09日(土)15:45発走予定 |
グレード | G2 |
開催競馬場 | 京都競馬場 11R |
コース | 芝1600m |
性齢 | 2歳 オープン |
1着賞金 | 3800万円 |
福島記念の会場・コース解説
ディリー杯2歳Sは、福島・芝2000mで行われます。
スタンド前直線を延長したポケットからスタート。ポケットはコースで一番高い4コーナーのさらにバンクの外側にあります。
下りスタートで最初の直線が約500mと長いため、テンは1800mよりも速くなることがほとんど。向正面で馬群が縦長になりいったん落ち着くが、3コーナーから再びペースがあがり、4コーナーの下りで加速して直線へ向くことになります。
先行馬と差し馬が激突し、直線は激しい追い比べになるでしょう。
上記の理由から、1800mよりも前傾ペースになりやすく、展開一つで追い込み馬が間に合うこともあるが、やはり小回りコースで勝ち馬の中心は先行馬になります。
先行力があり、消耗戦に強い、渋太いタイプの馬を買うのが正解でしょう。
福島記念の出走馬
福島記念の登録馬が20頭となっています。
20番目のラヴェルの出走は厳しいとみて、この馬を除いた19頭をみていきましょう。
アスクワイルドモア
15戦2勝の5歳牡馬。1年4ヶ月の休養があったことで、5歳馬ながら、まだキャリアが浅い馬です。
ただ、復帰後3戦ともに、勝ち馬から2秒以上離されるレースがつづいています。
ちょっと元に戻るのは難しいかなぁという印象ですので、いくら54キロのハンデと言っても厳しいですね。
アラタ
25戦6勝の7歳牡馬。ハンデ重賞の常連と言えますし、そこそこ頑張っている馬です。
それなりの力と、安定感がある馬なのですが、ピークは過ぎてしまったかと感じさせる近走。
今回から0.5キロ軽くしてもらっていますが、それでどこまで変われるかといったところで、他に強調材料がありません。
ウインシュクラン
3勝級を勝って、今回が昇級初戦なので、これ以上には出来なかったというハンデの付き方です。
前回より相手が強くなっていますので、同じレースができるかは未知数ですが、その前走は福島2000mであり、同じレースができるのであればここでもという期待をもたせるものではありました。
とはいえ、他の馬からすれば、「ウインシュクランだったら楽に交わせるでしょ」と思われるのも仕方がないとも言えますので、微妙なところです。
エンパイアウエスト
14戦4勝の5歳牝馬
エリザベス女王杯には登録していません(出ようと思えば出れた確率が高い)。
これは、函館記念を大敗したトラウマとも思えますが、当時は重馬場で思った位置が取れず。
また、洋芝の重は予想以上に堪えた感もありますので、参考外で良いでしょう。
その分、ハンデも恵まれており、いわゆる、”クサイ”1頭です。
ギャラクシーナイト
19戦4勝の5歳牡馬。
前走のオクトーバーSできれいなレースが出来ており、評価を上げたい馬です。
いわゆる障害帰りなのですが、障害を飛ぶことによって、練習も含めて身体の使い方がうまくなったと感じます。
競走馬とはきっかけ一つだったりもしますので、脚力的に単勝までは買えないですけども、2,3着の目なら期待して良いのではと思えます。
クリノプレミアム
34戦5勝の7歳牝馬。
オトコ馬ならば57.5キロですから、戦績の割にはハンデが見込まれたなと感じます。
しかし、福島適性は高く、過去に3戦して1着、2着、そして3着と3着内に全て入っています。
陣営もそれを知っているからこその参戦であり、この馬は登録すれば確実に出れるのに、エリザベス女王杯には登録すらしていません。
ゴールドエクリプス
14戦4勝の5歳牝馬で、フェアエーリングと並んで最軽量ハンデです。
晴れの舞台G1か、軽量で出走できる福島記念か。
名誉を取るか、実益を取るかというこの世界らしい選択をすることになるわけで、そこは興味深いのですが、どちらにしても、そう簡単ではないでしょう。
サトノエルドール
39戦5勝の8歳牡馬。黙々と自分の仕事をこなすベテランという感じの馬ですね。
毎回、自分の力だけは走ってくれる律儀さに頭が下がります。
ただ、年齢もあってパンチ力がありませんので、勝つまでのイメージは湧きません。
ショウナンマグマ
26戦3勝の5歳馬。春の福島民報賞で4着。
その時が57キロで今回も57キロと据え置き。
いわゆる、”福島巧者”と言われるような走りをしますので、期待が持てます。
ハンデもこんなもんでしょうから、相応の期待はして良いのでは。
シリウスコルト
8戦2勝の3歳馬。
ラジオNIKKEI賞で私が単勝を買った馬です。
ここで勝てるんだったらその前に勝っているよと思えた小倉記念ではやっぱり負けましたね。
今回は好走した福島に戻るのですけども、2000mでもありますし、成長分は期待できても果たして押し切れるのか?
普通に考えれば、距離が云々の前に菊花賞を使っているでしょうから、ここに出てくる事自体がやや、ガッカリとする事象です。
シーズンリッチ
12戦2勝の4歳牡馬。
ずっと二桁着順が続いています。
メイSから1キロ減らしてもらえましたけども、それでもまだ、「56キロも背負わされるんか」というのが正直な感想。
タガノパッション
27戦2勝の6歳牝馬。
福島牝馬Sは6着でしたが、途中から捲っていく姿は福島巧者のそれ。
中京記念の53キロから1キロ減らしてもらっていますので、机上の計算では、福島牝馬Sよりももっと上のパフォーマンスが期待できます。
あっと言わせる食い込みがあっても驚かない、大穴候補と言えます。
ダンディズム
37戦5勝の8歳セン馬。
七夕賞の4着馬で、当時の57キロから据え置き。
昨年のこのレースはハナ差の2着でした。
七夕賞をみる限り、年齢的な衰えはないと判断できますので、勝つまではどうかも、食い込みならば十分にと思えます。
ドクタードリトル
16戦4勝の4歳馬。
京都大賞典のときも言いましたが、この馬が1月の東京、最終レースに出たときに単勝を買いました。
こういう馬が重賞の舞台に出てきてくれるのは感慨深いものなのですが、馬券になるかどうか、買えるかどうかは別の話。
京都大賞典よりも条件は好転しますので、今回は買えなくはない。
ただし、それはあくまでも、”買えなくはない”というレベルに過ぎません。
フェアエーリング
15戦4勝の4歳牝馬でエリザベス女王杯にも登録しています。
キャリアから、まだ伸びしろがあるでしょうし、ここに出走ならば52キロで走れることが何より。
札幌での走りから、小回りはプラスに働くでしょうから、エリ女なら用無しですが、ここなら一定の注意は必要となります。
フライライクバード
24戦5勝の7歳セン馬。
G2でも好走歴のある馬で、前回の休養明けが8→5→3着で今回も、叩き2走目の前走で初のオープン勝ち。
前で器用に立ち回れる馬なので、福島でも問題ないでしょう。
57キロというハンデも手頃なので、正攻法で前を残さないという競馬をして欲しいですね。
プラチナトレジャー
26戦4勝の6歳牡馬。
春の福島民報杯が54キロで3着。
そのときから1キロ増ですから、走りを認められたとも言えますし、同じハンデ戦の函館記念、タイランドCも相応に走っていますので、現状の力が55キロということでしょう。
ただ、切れる脚がないので、勝てるまでのイメージが湧きません。
ペラジオソノダラブ
地方から転厩し、3戦して未勝利の4歳馬。
ここ2戦が逃げれていますので、今回も逃げる候補の1頭です。
軽いハンデですから、逃げるしかないですしね。
強気の逃げをするタイプでもないので、この馬が逃げるならばスローだとも思えますから、3分3厘から厳しくなるでしょう。
ホウオウノーサイド
21戦4勝の5歳牡馬。
近走の成績が振るわないだけでなく、マイル、1400、果てはダートと低迷打開のためにいろんな手をうっているなと感じます。
う〜ん、どういう展開になっても、どれだけ恵まれたとしても、どう考えても厳しいなぁ。
ラヴェル
11戦2勝の4歳牝馬でエリザベス女王杯にも登録しています。
京都記念も、マーメイドSも5着と、自分の競馬に徹すれば自分の力を発揮できる下地があります。
ただ、逆に言うと、勝ちに行くと甘くなります。
内枠を引いて道中は死んだふり、前がきれいに開いてくれれば…。
これが好走をイメージできる展開ですが、こういう、たら・ればが多い馬は少点数の私には向かない馬です。
福島記念の過去10年の傾向から予想
歴史が長く、1965年から行われています。
かつては、秋の福島を締めくくる重賞でしたが、現在は開催2週目の施行となっています。
重賞で3着以内があること
芝1600〜2000で重賞3着以内があること。
この例外は 1着馬に1頭、2〜3着馬にそれぞれ2頭です。
前走がG3以下なら5着以内
ステップ別では特に強調できるレースはありません。
京都大賞典とオクトーバーSがともに3連対で最多タイとなっています。
なお、前走凡走から一変した馬も少なくないですが、その前走がG3以下ならば、少なくとも5着と掲示板を確保していないと厳しい。
この例外は、1着馬に2頭、2〜3着馬に各1頭ですが、2016年以降は1〜3着馬で全て例外はありません。
福島記念の中心は4歳馬
年齢別では以下の通りです。
3歳馬=14頭が出走し、
【 2 1 1 10 】
4歳馬=20頭が出走し、
【 3 3 1 13 】
5歳馬=44頭が出走し、
【 2 1 3 38 】
6歳馬=44頭が出走し、
【 3 3 3 35 】
7歳上=37頭が出走し、
【 0 2 2 33 】
なお、牝馬も10年で2連対しかしていませんので、不振といっていいでしょう。
出走数の差=牡馬、セン馬129頭の出走、牝馬は30頭の出走という事情を考慮しても完全にダメな数字です。
近年は高配当が続出している
1番人気、2番人気ともに4連対ずつでしかありません。
特に近3年はどちらも連対できていません。
一方で、ハンデ頭も12頭中、2連対しかなく、アラタには嫌なデータです。
福島記念2024の予想買い目
シリウスコルトの欄で触れているように、シリウスコルトは中心に出来ませんね。
◎指名は、一番安定しているなと感じるフライライクバード。
勝てるとまでは言えないので、やはり3連複か、思い切ってワイド1点でも良いかも。
ワイド1点ならば、相手にドクタードリトルを抜擢したい。
京都大賞典6着ならば、大威張りです。
3連複1頭軸(6点)
軸:フライライクバード
相手:ドクタードリトル、プラチナトレジャー、エンパイアウエスト、クリノプレミアム
これならば、的中期待値も配当期待値も十分なレベルに達することでしょう。