秋競馬の開幕を告げるセントウルS。
G1スプリンターズステークスの前哨戦であるとともに、サマースプリントシリーズの最終戦も兼ねています。
セントウルS(G2)2024概要
開催日時 | 2024年9月8日(日)15時35分発走予定 |
グレード | G2 |
開催競馬場 | 競馬場 11R |
コース | 中京・芝1,200m |
性齢 | 3歳以上 オープン |
1着賞金 | 5,900万円 |
セントウルS(G2)2024のポイント
冒頭でもお話しした通り、サマースプリントシリーズの最終戦です。
そのサマースプリントシリーズは、サトノレーヴが函館SS、キーンランドCと連勝したことで20点を獲得していますので、追う側はプレッシャーがかかるのですが、
モズメイメイ 勝てばチャンピオンに、2着で20ポイントに並ぶ
ピューロマジック 勝つしかないですが、勝てればチャンピオンに
2頭の逆転候補が存在します。
言うまでもなく、4000万円は大きい(G3を勝つのと同じ)ですから、次のG1に向けてお釣りを残しておかないといけないとはいえ、どの陣営も、「もらえるんだったら、そりゃ欲しい」わけです。
しかしながら、そうは言っても、
卜ウシンマカオ
ママコチャ
テンハッピーローズ
G1に手が届いておかしくないポテンシャルの持ち主である上の2頭、実際にG1を勝っている下の2頭という存在がありますので、この観点からもさすがはG2と言えますし、サマースプリントチャンピオンのかかった3頭からすると、”甘くはないハードル”と言えます。
ライトバックの競走除外、自身がハンデに恵まれていたこと、更には馬場状態も追い風となったこともありますが、シンリョクカのような馬がポット出て勝てるというシーンは想像できませんで、勝ち馬はこの6頭の中から出るでしょう。
もちろん、これらがそのまま1番人気~6番人気ということもないでしょうが、上位人気に推されるであろう面々を6頭も買っていたのでは馬券で儲かることは叶いません。
したがって削っていく、きちんと順番をつけていく作業が必要になるわけです。
賞金は、
2着2400万円
3着1500万円
さすがはG2戦ですし、仮にサマーチャンピオンの4000万が上乗せされれば、9900万と、ほぼ1億円なのですから、モズメイメイ、ピューロマジックの側からすれば、「どうかお手柔らかに」といったところ。
そのあたりの機微も面白いレースなので、当日は中山に行くつもりですけども、こっちに行きたいくらいです。
中京・芝 1,200mの特徴
中京1,200mといえば…
そうです、G1高松宮記念と同じコースですね!
中京競馬場の芝1200mはワンターンのコーナーとなっています。スタートは向こう正面の真ん中あたりで最初の1コーナーまでは350m近くあり、先行争いがタフになりやすく、競りあうようだと消耗を招いてしまいます。
スタートしてから100mほどは緩やかな上り坂ですが、そこから下り坂に変わります。
この下り坂はホームストレッチまで続いており、3.4コーナーはスパイラルカーブが導入されているため、出口に近づくにつれて加速しやすくなっています。
また、3.4コーナーは大回りでコーナーワークの器用さは求められません。4コーナーを過ぎると約412mある直線に入ります。そして、直線上には中山に次ぐ傾斜のきつい上り坂、2度の坂が待ち構えています。
それを乗り越えた後も平らな道とはいえ200mほど走らなければゴールにたどり着くことができないので、ゴール前での逆転劇がよく起こります。
中京はコース形態や起伏はシンプルですが、高低差が大きいので消耗戦になりやすいです。
中京の芝1200mは距離以上にタフなコースです。また、直線の激坂も中山に次いで傾斜が激しく、スタミナやパワーが求められます。
ただし、最後の直線が400m以上あるため最高速度も出やすく、差しや追い込み馬も好走しているのもポイントでです。
スピードとスタミナ、そしてパワーを兼ねそろえた総合力の高い馬が結果を残しやすい舞台といえるでしょう。
したがって、昨年は全盛期の力がすでになかったテイエムスパーダが緩い流れを味方に勝つことができましたが、今年はあぁいうことはない、勝ち馬は6頭の中から出ると断言できている理由となります。
また、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイといったスタミナが勝った種牡馬も成績がいいことを覚えておくと良いでしょう。
セントウルS(G2)2024の登録馬
ここまでのことを念頭に置いた上で、登録馬が18頭に留まっていますので、全馬、出走することが出来ますので、全18頭をみていきましょう。
アサカラキング
春のG1高松宮記念に出れなかったことで福島モルガナイトSに出たわけですが、そこを好時計で圧勝。
その時の馬単を1点で獲った(私は1点買いなので当たり前なのですが)からい言うわけでもないのですが、この馬はG1に手が届いておかしくないスピードの持ち主です。
現状ではサトノレーヴとは差がついてしまった感じもしますが、そんなものは世間の評価にすぎず、函館SSの1番人気はこの馬だったことを忘れてはいけません。
アネゴハダ
素軽い良いスピードのある馬ですが、格的には、“オープン特別の馬”で、ここでは家賃が足りません。
〈泡沫候補〉本当に推薦人を20人集められるんですか?自民党総裁選で言えば、上川陽子とか野田聖子の立ち位置。
カリボール
この馬自身がんばっていますが、既に8歳の夏。
次のG1で勝っておかしくない馬が何頭もいるわけですから、ここでどうこうしろというのは老人にムチをうつようなものです。
キミワクイーン
前走の2着は57キロを背負ってのものなので立派(牡馬なら59キロに相当)。
それが糧になればということで、単勝は買いづらいですが、2,3着、特に3着なら可能性はゼロでないと思えます。
グレイトゲイナー
この馬自身に強調材料はありませんが、2歳戦で活躍している森厩舎。
こういう時に不思議な力が働くのも競馬の面白い所。
ただし、正統派の私は、やはり、見向きさえできません。
サウザンサニー
3連勝でOP入りし、函館SSも4着に健闘。
サトノレーヴとは差があるなと感じさせましたが、そのサトノレーヴは一気の天下取りに王手をかけている存在。
普通の重賞レベルには十分すぎるほど達しています。
ジョウショーホープ
まさにここが力試しの一戦でいわゆる試金石。
1400の時計が安定していますので、この手のタイプはどんな相手であってもそれなりに善戦できるはずです。
ストーンリッジ
北九州記念3着。
どう考えても今回のほうがメンバーが強いので、厳しいです。
ダノンスコーピオン
NHKマイルCを勝ってからは尻すぼみ。
なんとかきっかけを…。
テイエムスパーダ
昨年の覇者ですが、先に申し上げた通り、今年の舞台、今年のメンバーでは二番煎じは無理でしょう。
柳の下に二匹目のドジョウはいません。
テンハッピーローズ
ヴィクトリアマイルを制してG1ホースの仲間入り。
人気薄での勝利だったことでフロック視している人も多いように思いますが、こういうきっかけがあると馬は変わりますし、内容自体は強いものでした。
1400を多く使っている馬なので、久々の1200mでもソコソコ以上にやれると踏んでいます。
トウシンマカオ
G1に手が届いておかしくない馬です。
その根拠は京阪杯、オーシャンSに」おける勝ち方。
ただ、高松宮記念、次の京王杯SCからは左回りよりも右回りのほうが良いように感じていますので、陣営もそこまでシャカリキに仕上げては来ないのではと勘ぐってしまいます。
トゥラヴェスーラ
既に9歳の夏を迎えています。
目立った衰えはなく、掲示板はあっても良いような気ならします。
ピューロマジック
重いハンデを嫌って回避。
すぐにここを目標に切り替えたわけですが、今の所その判断は正解だったように思います。
本当の一線級とはここが初対戦ということになりますので、行き込みは買えるのですが、半信半疑ならぬ、〈四信六疑〉くらい。
ママコチャ
昨年一気に頂点に上り詰めたG1ホースです。
その後の精彩を欠いていますが、一気に駆け抜けた分の疲れもあったでしょうし、その割にはそこそこの競馬をしているとも言えますから、まだ見限るわけにはいきません。
ただし、この馬はG1を勝たないことには評価が上がりませんので、ここに向けてシャカリキというわけではありません。
ただし、入念に建て直されていますので、覇気を感じます。
ミッキーハーモニー
安定して走る馬なので、私としては好きなタイプなのですが、ここで勝ち切るだけの爆発力はありません。
ただ、この馬にとってこのメンバーと走れることは今後の財産となるでしょう。
モズメイメイ
勝ちたいでしょうねぇ。
この陣営が一番そう思っているのでは(つまりはG1を勝てるとは思ってない)。
アイビスSDでは出来が良かったこともあって、単勝を買いましたが、坂のキツイ中京1200でどうこう言うのはちょっと厳しいか。
そんな風に思っています。
ヨシノイースター
地味に力のある馬。そんな評価でいいでしょう。
ただ、この馬もメンバーレベルが上がったことで勝ち切るまでのイメージが湧きません。
セントウルS(G2)2024の傾向
セントウルSのこれまで傾向とポイントを押さえておきましょう。
3~5歳でないと…
3歳馬=15頭が出走し、
[ 1 3 1 10 ]
4歳馬=27頭が出走し、
[ 5 1 0 21 ]
5歳馬=37頭が出走し、
[ 4 3 4 26 ]
6歳馬=41頭が出走し、
[ 0 2 4 35 ]
7歳上=28頭が出走し、
[ 0 1 1 26 ]
やはり、前哨戦、G2とはいえ、究極のスプリント戦ですから歳を重ねるごとに純粋にスプリント能力が落ちてしまうということでしょう。
ロードカナロアくらい強ければとっくに引退してしまいますしね。
したがって、この成績は妥当なものといえ、今後もこの傾向は変わらないでしょう。
大きな性別差はありません
牡馬・セン馬=95頭の出走
[ 6 7 6 76 ]
牝馬=53頭の出走
[ 4 3 4 42 ]
数では牡馬ですが、勝率、連対率ともにそこまでの差はありません。
どっちが有利とかはないですね。
休み明けは実績馬なら
中9週以上だった馬が
[ 6 4 6 43 ]
14年まで長らく2着止まりで、あのロードカナロアでさえ2着まででしたが、このうち[ 5 2 0 1 ]が1番人気で、休み明けで好走できるのは1番人気に限った話と思っていれば良いでしょう。
今年で言えばママコチャにはちょっと嫌なデータです。
また、
[ 4 1 0 4 ]
は、1年以内に古馬混合G1で1着~3着に入っていた実績のある馬たちだった点に留意しないといけません。
G1馬は1番人気だけを
JRAでのG1勝ち馬は、[ 3 0 1 10 ]
連対した3頭はいずれもが1番人気に推されており、3着の1頭も2番人気に推されていました。
これも、今年のママコチャには頭の痛いデータですね。
サマーシリーズでの好走は強調できる
サマースプリントシリーズの出走馬が10年で、[ 4 7 5 75 ]
意外なことに、
各レースの勝ち馬は、[ 1 2 0 5 ]と微妙な成績なのですが、シリーズの1~5着馬は[ 3 5 5 33 ]と好成績を収めています。
今年、このタイプに当てはまるのはモズメイメイです。
春の重賞実績は必須
同年の春競馬(1~5月)の期間に重賞で1~3着の実績があった馬は[ 8 6 3 22 ]と無視できない成績が残っています。
16年以降の8年間は、少なくとも1頭は1~3着馬が出ています。
まとめ
では、どの馬が買えるのか?
ピューロマジック
アサカラキング
卜ウシンマカオ
ママコチャ
テンハッピーローズ
この中から勝ち馬が出ますともうしあげましたが,ここまでをみてきても、その考えは変わりません。
ただし、データを考えなくても57キロ(=牡馬換算で59キロ)のママコチャは割引。
実力の総合点が劣るモズメイメイも一枚割り引くでいいでしょう。
残った4頭をどう買うか?が焦点となります。
テンハッピーローズは、ヴィクトリアマイルだけで信用して良いのか?と、久々の1200を考えると4番目で良いでしょう。
アサカラキング
卜ウシンマカオ
残ったこの3頭、どれからでも入れそうな気はしますが…
久々となり、左回り?な、卜ウシンマカオは信頼度が一枚落ち。
なので、
ピューロマジックかアサカラキングのどちらか。
妙味からいっても
まずは、アサカラキングの単勝
次に、
アサカラキングとピューロマジックのワイドを1点。
ピューロマジックは好走はできるんだけど、勝つには至れない。
そんなイメージでいます。