本記事では、カペラステークスの過去レースを徹底分析して、展開を考察いたします。
意外に思われる方も多いかもしれませんが、JRAで行われるダート1200mの中で、唯一の重賞がこのカペラSです。
中山ダート1200mで行われることで、出遅れが致命傷になったり、軽快に飛ばしていても、最後の急坂でバッタリ止まってしまったり、条件的に安心してみていられるという感じのレースにならないことがほとんどなのですが、だからその分、人気ほど差がない、数字ほど抜けていないといった真実が見えやすいレースでもあります。
また、格別定のレースですし、ダートのG1レースは数が少ないこともあって、ここに60キロを背負ってまでも出走してくる馬というのも普通はいませんし、今年もいません。
今年のメンバーでは、3歳ながら58キロを背負うチカッパが目立つくらい。
これは、3歳の基準である56キロに、JPN2である東京盃を勝っているから2キロ増量されて58キロとなるわけです。
カペラステークスの概要
開催日時 | 2024年12月8日(日)15:20発走予定 |
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グレード | G3 |
開催競馬場 | 中山競馬場 12R |
コース | 芝1200m |
性齢 | 3歳以上 オープン |
ダートの1200mですから、速い馬が揃うのは必然ですし、坂路で50秒台を平気で出せる馬たちばかりの集まりです。
追い切り記事は後ほどとなりますけども、短距離戦のレースの調教を観ていると、ほんと迫力があって、動く馬ばかりなので、それを見るのも楽しみですね。
カペラステークスの賞金
着順 | 賞金 |
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1着 | 3800万円 |
2着 | 1500万円 |
3着 | 950万円 |
カペラステークスの会場・コース解説
舞台は、中山・ダート1200mで行われます。
バックストレッチを2コーナー方向に延長した引き込み線からのスタートで、しばらく芝の上を走ってからダートコースに合流します。
外の枠のほうが、内枠に比べて芝の部分を長く走ることが出来るため、有利だとも言えますが、内はやっぱり距離ロスがありません。
スタート地点がコース中の最高地点で、スタート後すぐ下り坂になるため、芝スタートも相まって前半のペースは非常に速くなりやすい。
と、いいますよりも9割方が、テンの2ハロン目が一番速くて、ゴールに向かってラップの数字が大きなっていくという刻み方になります。
《決着時計が1分10秒5だとしたら》
11.6 ー 10.8 ー 11.2 ー 11.7 ー 12.4 ー 12.8
というようなラップの刻み方になります。
テンの3ハロンが33秒6
上りの3ハロンが36秒9
ここまでいくとハイペースなので、ズブズブの決着となりましょうが、ここに出てくるオープン馬、快速馬だったら、このくらいでないと逃げれないというのも事実なんですよね。
決着時計も、もっと速いかもしれませんし。
向こう正面半ばを過ぎると勾配は緩やかになるものの、4コーナーまでは下り基調が続くため、スピードが緩まないまま直線に向く。
ゴール前の直線は308メートルと短いが、残り200メートル付近から急な上りが待っており、ここで最後の力比べになる。前後半で緩急の落差が激しいコース形態。
ハイペースを追走するスピードに加えて、ゴール前の急坂で脚が鈍らない持続力が求められるコースなので、本当にタフなコースです。
カペラステークスの過去10年の傾向から予想
ここまでのことを念頭に置いた上で、今年はフルゲートの16頭に対して登録馬が21頭もいますが、古馬のレースですので、出走馬決定順の16番目、エスカルとスターターンのうちどちらかが除外される公算です。
イスラアネーロ
57キロ
21戦5勝の5歳牡馬で前走で、ハンデ戦・室町Sを55キロで勝っています。
その時の1分10秒7の時計は上々で、ダートの1200mでは安定して走れています。
以前は終いが甘い印象でしたが、あの走りが出来るのならば、侮れません。
インビンシブルパパ
55キロ
6戦4勝の3歳牡馬。
この舞台で良馬場で1分10秒6、稍重馬場で1分10秒5を3歳の春に走っています。
これってすごいことです。
その後も順当に活躍しており、ブシンは相応以上に強い馬ですけども、3走前はなんで負けたかなぁという感じですね。
今回が昇級になりますけども、全く見劣りはしません。
インユアパレス
56キロ
9戦4勝の3歳牡馬。
この馬も昇級初戦となりますが、不良馬場だったとはいえ、貴船Sを1分10秒2で走っています。
昨年の今頃は未勝利戦を走っていたのですから、驚きです。
ダートへの転向が奏効したというわけですが、近4走とも上がり最速で駆けているように安定感が抜群です。
今回の課題は初の中山=最後の急坂となりますが、この馬のセンスならばこなせて不思議ありません。
エスカル
56キロ
13戦4勝の3歳牡馬。
この馬も速くて、不良馬場とはいえ京都ダート1200mで逃げて1分10秒1の時計があります。
前走こそ出遅れながらも上がって行って、終い甘くなって大敗したのですが、叩いた上積みも考えると今回に向けてはノーカウントで良いでしょう。
ゲート次第で着順が変わりそうですが、無視して良い存在ではありません。
エティエンヌ
57キロ
16戦3勝の5歳セン馬。
地味ながら終いは確実に伸びてくる馬です。
ただ、時計に限界がある感じで、速い時計の決着となると、伸びてはきてもジリジリで、差し切るまでには至れないというレースが続いています。
前走の室町Sもそんな感じでしたので、それがこの馬のキャラであり、速い時計の決着が濃厚な今回は狙いが下がるということです。
ガビーズシスター
54キロ
7戦4勝の3歳牝馬なので54キロで出走する事ができます。
芝だと13、10着なのに、ダートだと2,1,1,1,1着とパーフェクトの戦績。
特に、この舞台の中山ダート1200m、良馬場で1分9秒7で駆けており、極めて優秀な時計です。
負かした相手はインジブルパパのところで申し上げた、あのブシンですから、レベルも担保されています。
クインズメリッサ
55キロ
21戦5勝の6歳牝馬。
この馬も1分10秒3の持ち時計がありますが、近走からはそこまでの時計はだせそうにありません。
現在は、11秒台前後の時計でないと厳しいかと感じさせます。
前走を勝ちきっているとはいえ、さすがに6歳牝馬の師走ですので、過度の期待は難しいでしょう。
クロジシジョー
57キロ
29戦6勝の5歳牡馬。
夏のクラスターカップからほぼ1ヶ月ペースで走っていますので、著しく状態が上がっているということはありません。
ただ、毎回、自分の力はキッチリと出している印象なので、今回も相応に走れるでしょう。
前回はハンデ戦で58キロ背負っていたものが、格別定で57キロになることは好材料なので、理論上といいますか、机上の計算では、ソコソコやれるはずです。
サンライズアムール
57キロ
16戦7勝の5歳牡馬。
休養を挟んでオープン特別を連勝しています。
特に、59キロを背負って2馬身半の差をつけ1分10秒6で駆けたながつきSは圧巻でした。
もともと昇級しても安定して走れていた馬ですが、一皮剥けた印象で、この勢いならば重賞でも期待が持てます。
ジレトール
57キロ
23戦6勝の5歳牡馬。
この馬も重馬場とはいえ、1分10秒5の持ち時計がある馬。
ただ、ここ3走がいずれも出遅れています。
その割には1,4,5着でまとめているとも言えるのですが、ここで出遅れだとさすがに致命的。
陣営は、『ハミを換えてあたりが柔らかくなるように』、工夫するようですが、果たしてどこまで通用するでしょうか。
スズカコテキタイ
57キロ
22戦6勝の5歳牡馬。
末脚のしっかりしている馬で、かつては冬場の中山で4連勝している馬でもあり、ながつきSで大敗しているとはいえ、中山ダート1200にも、そこまで悪い印象はありません。
前走の室町Sでは復調を感じさせているので、今回はノーチャンスということはないように思えます。
ただ、勝ち切るまでは、もうちょっとの上乗せが欲しいところです。
スターターン
56キロ
10戦4勝の3歳牡馬。
3連勝でオープン入り。
短期放牧を挟んでここに臨むわけですが、さすがに3歳馬なので、活気に溢れています。
2走前の中京ダート1200mで1分10秒7で駆けており、もしかしたら左回りの方がパフォーマンスレベルが上がるのかもしれません。
初の中山がどう出るか、期待は出来ますが、流れ次第、時計次第でしょう。
チェイスザドリーム
55キロ
23戦6勝の5歳牝馬。
ここ3走は芝を走っていました。
オパールS、千直のルミエールを勝てそうで勝てなくて、前走の京阪杯が大敗。
かつては1分9秒8の持ち時計があるのですが、出てくれば中1週となる点が気がかり。
昨年は2着だったレースですが、果たして。
チカッパ
58キロ
13戦5勝の3歳牡馬で、前走はJPN1のJBCスプリントで惜しい内容の2着でした。
そのため、ここでは1番人気に推されましょう。
ただし、地方競馬が主戦場になっていたこともあって、速い持ち時計がありません。
また、今年のJBCスプリントは佐賀競馬場のダート1400mで行われていたこともあって、中山の速い流れに対応できるのか?の懸念が拭えません。
実績は言うことないと認めるしかないのですが、やはり、全幅の信頼まではとてもいけません。
テイエムトッキュー
58キロ
18戦6勝の6歳牡馬で昨年の勝ち馬です。
昨年は逃げて、3馬身差の圧勝で1分9秒3と圧巻でした。
ただ、その後が思うように使えない日々。
昨年だけ走れるんだったら、文句無しで買えるのですが、そこまでの状態に戻っていないことは明白なため…。
ナムラフランク
57キロ
22戦5勝の5歳牡馬。
春に越後Sを勝っていますが、室町Sを叩いての参戦。
やはり時計に限界がある点と、もともとは、『夏負け』だったようですが、状態が思ったほど良くなってきていないことが最大の誤算ですね。
リベイクフルシティ
57キロ
20戦5勝の4歳セン馬で大井の宗形厩舎所属。
戦績も冴えませんし、近走は出遅れが目立ちます。
中山ダー卜のスピード競馬に対応できるかも全くの未知数といううより、普通に厳しいでしょう。
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ダート6ハロンで重賞勝ちかオープン勝ちがあること
JRAではダー卜の短距離馬に活躍の場が少ないため、実績はさほど問われません。
ただ、交流重賞も含めると、近年はダート1200mで重賞勝ちがあるか、またはダート1200mのJRAオープン勝ちが連対の条件と考えていいでしょう。
最近6年で、例外は1着馬に1頭、2着馬に2頭のみです。
JBCスプリント組に注目
ステップではJBCスプリント組が最多で6連対。
JBCスプリントは開催場が持ち回りのため、条件が一定しませんが、ダートスプリント界の頂点に位置することに変わりはありませんので、やはりここでは主力視すべき。
また、もう一つ注目の組を挙げるならば室町Sになります。
通算3連対ですが、最近5年のうちの4年でこの組が馬券に絡んでいます。
若い世代が優秀
・3歳=13頭が出走し、
【 3 0 1 9 】
・4歳=31頭が出走し、
【 4 3 1 23 】
・5歳=44頭が出走し、
【 2 2 4 36 】
・6歳=34頭が出走し、
【 1 3 2 28 】
・7歳上=37頭が出走し、
【 0 2 2 33 】
3歳馬、4歳馬の2世代は連対率20%を超えています。
やはり、スプリント戦ですから、速さが重要なのでそうなっているのでしょう。
1番人気は3連対止まり
1番人気は3連対にとどまっていますが、2番人気が5連対とその代わりを担っています。
目下、6年連続でどちらかが連に絡んでいます。
ただ、その6年でも馬単万馬券が2度あり(10年では4度)、高額配当がそれなりに期待できる重賞となっています。
G3カペラSの予想買い目
面白い存在が何頭もいるなと感じますが、スプリント戦ですから、やはり、速さを最重視したい。
チカッパは速い持ち時計がないことと、3歳馬ながら58キロを背負うことで本命にするのは得策ではないというジャッジ。
テイエムトッキューが昨年のデキにないこと、一番安定したパフォーマンスができそうなのはガビーズシスターなので、これが◎でまずは単勝。
保険という意味合いも兼ねて3連複軸1頭ガビーズシスター流し
相手イスラアネーロ、インビンシブルパパ、インユアパレス、サンライズアムール、チカッパ
10点となりますが、ここまでなら買って良いでしょう。
ガビーズシスターの単勝がそれなりにつくんだったら、無理をして3連単まで買わなくても良いように思います。