サマースプリントシリーズの第5戦であるだけでなく、1着馬にG1・スプリンターズSへの優先出走権が与えられるレースです。
まだ暑い日が続いていますけども、気がつけばスプリント界の頂上決戦まであと1か月余りとなっています。
キーンランドC(G3)2024概要
開催日時 | 2024年8月25日(日)15時35分発走予定 |
グレード | G3 |
開催競馬場 | 札幌競馬場 11R |
コース | 芝1,200m |
性齢 | 3歳以上 オープン 別定 |
1着賞金 | 4,300万円 |
キーンランドC(G3)2024のポイント
このレースは、
2着1700万
3着1100万
と、賞金は他のG3戦と変わりませんけども、1着馬に優先出走権が与えられることが大きく、ここに出ると言うことは事実上、セントウルSには出走しませんので、サマースプリントチャンピオンに色気のある面々は目の色を変えてきています。
また、今週は札幌でワールドオールスタージョッキーズが行われることで、世界の腕達者に騎乗依頼をする陣営が目立ちます。
「この機会に世界のトップジョッキーに刺激を与えてもらおう」
と言うのが主な趣旨ですが、これらの意図するところは正しく、その動向が注目されます。
登録馬20頭中、半分の10頭もが出走する函館SS組に対して、G1を勝てそうで手が届いていないナムラクレアが参戦するという構図。
また、このレースは、私の表現で言う〝格別定”なので、サトノレーヴが57キロ、あのナムラクレアでさえ55キロで出走することが出来ますのでいくら次のG1を見据えてといっても、ふがいないレースになるとは思えませんね。
札幌 1,200mの特徴
札幌1200mはスタートしてから3コーナーまで距離があることで、枠順の内外はそこまで気にしなくて良いです。
差し馬は、コーナーが緩いこともあって、直線だけで十分に間に合います。
もっと詳しく言うと、
向う正面ポケットからのスタート。
3コーナーまでの直線距離は412mで、向う正面はずっと上りが続きます。
距離的に逃げ・先行有利であることは確かだが、テンで長く競り合うと前崩れの展開になって差し馬が台頭するシーンもあります。
枠順の有利不利は少ないが、先行馬であれば内枠にこしたことはないですね。
逃げ・先行馬がどれほどいるか次第で狙いを変えていきたいコースとなります。
キーンランドC(G3)2024の登録馬
サマー1200シリーズ第5戦にも指定されており、函館SSの覇者であるサトノレーヴが勝つならば、大きくサマーチャンピオンに近づくことは言うまでもなく、高松宮記念以来のナムラクレアにとっては関係のない話です。
エイシンスポッター
鋭い差脚を持つ馬で、マジックマン・モレイラ騎手に依頼しています。
OPでは勝ち切れますが、重賞ではちょっと手が届かない。
そんな立ち位置ですが、北九州記念の58キロから今回57キロで走れるのは明らかにプラスです。
≪人気薄ですが無視は危険≫
エトヴプレ
3歳牝馬なので53キロで走れます。
フィリーズレビューを勝っていることで1キロ損をさせられたとも言えますが、桜花賞でも5着していますから、格は完全に足りています。
前目の位置をとって早目に動くレースをしたいところ。
≪古馬の圧力跳ね返せるか≫
オオバンブルマイ
4歳牡馬で海外遠征を重ねる。
日本で走るのは、昨年のNHKマイルCで3着して以来ですから、現在の力関係がどうなのかがわかり辛いところが、馬券的にはネックとなります。
あとは初の1200がどうでるか。
≪積極的とはいかぬが切ぬ≫
オタルエバー
OP特別では勝てても、重賞レベルでは足りない印象。
それでも、出遅れながら5着した函館SSの内容を考えると、もっとやれるだけの下地がありますので、エイシンスポッターよりは期待できます。
キミワクイーン
UHB賞を勝てなかったことで賞金加算が出来ず、週明けの段階では17番目と除外対象です。
57キロを背負って鋭い脚を使ったことのダメージを考えないといけませんし、そもそも重賞で足りるのかの懸念が残ります。
サトノレーヴ
函館SSの勝馬で、ここを一番勝ちたい馬はこの馬だと断言できます。
8戦6勝ですので、大変な素質馬です。
現時点でナムラクレアとガチンコ勝負をして勝てるのか?
この答えが、この馬を買えるかどうか、買えるとすれば着順はどれかの答えになります。
シナモンスティック
この馬も格的には、〝OPの馬で重賞(特に非ハンデ戦)では足りない馬です。
また、函館SSから、しらかばS、UHB賞と今回が今夏の北海道での4戦目となることもマイナスポイント。
いくら夏に強いタイプで短距離戦ばかりといったところで、現代の競馬の常識の逆を行っています。
逆から言えば、この馬が好走することがあれば、トレンドも変るのかもしれません。
シュバルツカイザー
この馬も格がOPの馬。
もう6歳ですので、この馬自身、良く走っている、頑張っているなと感じますが、だからといって勝てるほど競馬は甘くありません。
ジュビリーヘッド
7歳を迎えていますので、それだけで厳しいのですが、ホー騎手に依頼をだしています。
重賞では大きな着順が続いており、大望は酷。
セッション
金杯から函館SSまで4戦連続で重賞を使っていることには一定の評価ができます。
また、ティータ騎手に依頼していることも好感が持てます。
函館SSでは出遅れながらも、函館コースで16番手から8着に押し上げている点が評価でき、単純に函館→札幌ですからプラスに考えて良いでしょう。
ソウテン
OP入り後は前走のUHB賞5着が最良の着順で、出走馬決定順で18番目と除外対象です。
ゾンニッヒ
函館SS6着から、しらかばSを勝って、今回は川田騎手に依頼。
しらかばSは好内容でしたので、同じレースが出来れば。
ダノンマッキンリー
UHB賞は6着に敗れましたが、初の1200だったことを考えれば悲観する内容ではない。
叩いた上積みは確実なので、穴で注目したい一頭です。
ディヴィナシオン
出走決定順が20番目ですし、栗東に帰っていますので、「一応登録だけはしておく」状態。
ナムラクレア
昨年の覇者でこの3年のスプリント界を牽引している馬と言って良いでしょう。
当然、狙いは次のG1スプリンターズSとなりますし、そうでなければこの馬の評価は高まりません。
中間は入念で、キッチリとやっておりますので、〝前哨戦としては十分過ぎる”と評価できます。
ビッグシーザー
函館SSは3着ですが、勝ちたかった青函Sを取りこぼしての参戦。
3歳時の輝きはめっきりと失せて、函館SSにしても良く頑張ったなと感じました。
サトノレーヴやナムラクレアには敵わないでしょう。
プルパレイ
UHB賞は鮮やかでした。
前走並みのパフォーマンスが出来たとしても、ここでは相手が強いのですが、穴馬としては狙える一頭です。
マテンロウオリオン
函館SS13着からの参戦。
大敗が続いていますが、馬体の張りが目立ちますので、状態そのものは良いと言って良いでしょう。
大穴馬券が大好きですという人ならば、買っても良いでしょう。
ミッキーハーモニー
出走馬決定順18番目で除外対象です。
まだ上積みがありそうで、出てきて欲しい気がするのですが…。
モリノドリーム
青函Sの勝馬で、ルメールに依頼。
青函Sの内容が良かった。
ただ、穴馬の域は出ません。
キーンランドC(G3)2024の傾向
キーンランドCのこれまで傾向とポイントを押さえておきましょう。
G1での連対実績が欲しい
サマースプリントSの第5戦とスプリンターズSの前哨戦という二つの顔を持ちます。
重賞連対かOP勝ち
まず実績面では、芝1200m以下において重賞連対かOP勝ちのどちらかがあること。
例外は、過去10年で1着馬に1頭、2着馬に3頭、3着馬に2頭しかいない。
UHB賞組
ステップではUHB賞組が最多の5連対。
しかも最近5年で4連対と、近年は確実に上位に絡んでいる。
これに次ぐのが4連対の函館SS組。
意外なことに函館SS組はここ4年では連対馬ゼロとなっています。
なお、これも意外なことですが、連対馬20頭中7頭の前走で着外に終わっています。
前走成績よりも、札幌適正を重視すべきと言えます。
牝馬が優勢
年齢別では3~5歳の3世代による争いとなっていますが、5歳は連対率で見劣ります。
3歳=23頭が出走し、
【 2 3 0 18 】
4歳=34頭が出走し、
【 4 4 4 22 】
5歳=43頭が出走し、
【 3 2 3 35 】
6歳=25頭が出走し、
【 0 1 1 23 】
7歳以上=29頭が出走し、
【 1 0 2 26 】
性別の比較
牡馬、セン馬っが95頭中8連対しかしていません。
牝馬は、59頭中12連対ですから牝馬が圧倒しています。
だから今年もというのは短絡的ですが、3着までが全部牡馬というのも考え辛いですね。
1番人気は不振
1番人気は5連対に過ぎず、最近4年では15・7・4・1ですので信頼度は低い。
ただし、直近の馬単万馬券は2017年まで遡らなければなりません。
高配当狙いは無謀な傾向です。
まとめ
キーンランドC2024のポイントから出走予定馬の詳細まで解説してきました。
ここまでを踏まえた上で、追い切りをチェックし、各馬の状態、各陣営の本気度を探っていくことで、正解=当たり馬券に近づくわけなので、追い切りの記事を楽しみにお待ちいただきたいと思います。
まずは、
ナムラクレアとサトノレーヴのどっちが上か?
をハッキリさせないといけません。
ナムラクレアに関しては最終追いを待ちたいとも思いますが、私は、サトノレーヴを上に取りたい。
なによりも彼の能力を評価しているからです。
◎サトノレーヴ
ナムラクレアが人気を集めてくれるなら単勝がオイシイ。
〇ナムラクレア
やはり能力を認めないわけにはいかないし、55キロもいかにも有利。
勝てるとはわからない次のG1を云々するよりも、ここで確実にという風に造ってきているのも明白。
それでもサトノレーヴに期待するということです。
1着サトノレーヴ
2着ナムラクレア
3着イメージとしては総流しで人気薄の台頭に期待する。
(14点)