競馬で利益を得た場合、確定申告や税金の処理は避けて通れない問題です。
特にオンライン投票サービス「PAT」を利用している場合、その取引履歴が電子的に残るため、税務署に把握されやすいというリスクがあります。
本記事では、競馬における税金の仕組み、確定申告の必要性、そして一時所得と雑所得の違いについて詳しく解説します。
競馬でPATを使うと税金がばれる理由は？
競馬には、競馬場やウインズ（場外馬券売り場）での現金購入と、インターネット投票サービス（JRAダイレクト、即PAT、A-PATなど）があります。
特に「PAT」を利用すると、以下の理由から税金の申告漏れが発覚しやすくなります。
- 履歴が電子的に残る：オンラインでの取引はデータとして蓄積され、高額な払い戻しがあれば、その情報が金融機関を通じて税務署に伝わる可能性があります。
- 銀行口座への入出金履歴：払い戻し金は基本的に個人名義の銀行口座に振り込まれるため、取引額が大きい場合は税務署に不審がられるリスクがあります。
- 個人名義の明確化：PATサービスを利用するには本人確認が必要なため、大きな配当があった場合に追跡されやすいです。
競馬はいくらから確定申告が必要か？
- 通常の場合：年間の払戻し金が50万円を超える場合
- 会社員の場合：年間の払戻し金が90万円を超える場合
競馬で得た払戻し金が小額であれば申告義務は発生しませんが、1年間で大きな配当を得た場合は申告が必須となります。
なお、自営業者やフリーランスの方は、もともと年間所得に応じた確定申告が必要なため、注意してください。
競馬の所得は一時所得になるのか？
競馬で得た利益は、原則として「一時所得」として扱われます
一時所得は、継続的な収入ではなく偶発的に得た収入と見なされます。
一時所得の計算方法と雑所得との違い
一時所得は、次の計算式に基づいて求められます。
※特別控除金額は最大50万円まで。
この20万円が一時所得として課税対象となり、他の所得と合算され、総所得金額に応じた税率が適用されます。
はずれ馬券は経費で申請できない
基本的に、申告時に認められる支出は、当たった馬券の購入費用のみです。
はずれ馬券にかかった費用は、法律上・通達上、経費として申請することはできません。
例外的に、競馬を事業として行っている場合は異なる扱いになる可能性もありますが、一般的には認められません。
雑所得との違い
「雑所得」とは、給与所得、事業所得、不動産所得、譲渡所得、退職所得など、他の明確な所得区分に該当しない所得をまとめたものです。
雑所得となれば「はずれ馬券」も支出金額（該当馬券の購入費用）として認められますが、ほとんどのケースで馬券の購入には適応することができません。
特に競馬の所得は雑所得になると勘違いされやすいので注意して下さい。
いわゆる一般の競馬愛好家の方につきましては、従来どおり一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費として控除できませんのでご注意ください。
引用元：国税庁
競馬の税金を申告せずにバレた場合どうなるのか？
もし大きな払戻金を得たにもかかわらず申告を怠った場合、以下のようなペナルティが課される可能性があります。
- 無申告加算税：本来支払うべき税金に加え、最大20％程度の加算税が課される場合があります。
- 延滞税：期限までに納税しなかった分に対して延滞税が発生します。
- 重加算税：悪質な隠ぺいや仮装が認められた場合、最大40％の重加算税が適用される可能性があります。
税務署からの指摘があれば、過去数年分を遡って調査され、多額の追徴課税が発生するリスクがあるため、注意が必要です。
本当に競馬の税金を払っている人はいるのか？
「競馬の税金をきちんと払っている人はいるのか？」と疑問に思う方もいますが、実際には以下のようなケースで確定申告が行われています。
- 高額配当を狙う投資スタイル：大きな資金を投入し、年間で相当な払戻金を得る場合、確定申告は必須です。
- 継続的に当選している場合：一度だけでなく複数回大きな払い戻しを獲得している場合は、税務署に注目されるため、あらかじめ申告を行っています。
- 有名人やインフルエンサー：公に馬券購入の情報を発信している場合、後々のトラブルを避けるために申告するケースもあります。
実際に税金が徴収され支払った事例
競馬好き芸能人として有名なインスタントジョンソンじゃいさんは、6410万円の払い戻しを受けた後に確定申告を行い、その後数千万円の追徴課税を受け借金を負うこととなってしまいました。
時系列としては、以下のようになります。
今回の悲劇の原因は、じゃいさんが「雑所得」と勘違いして申請をしてしまったことにほかなりません。
しかしその後、2022年8月21日の中央競馬で「WIN5」を的中させ、9370万6710円の払戻しを受けて、この儲けから返済したことを明かしています。
とんでもないギャンブラーですよね。
ただ、こういったトラブルが起きる前に、必ず税務署に確認を行うようにしましょう。
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競馬の利益を確定申告する方法は？
- 記録の整理：払い戻し金や馬券購入の記録を整理し、必要な書類（明細や履歴など）を保管します。
- 一時所得として計算：一時所得の合計金額を算出します。特別控除50万円が適用される点に注意してください。
- 確定申告書の記入：一時所得欄に正確な金額を記入し、必要書類を添付して申告します。通常、確定申告の受付期間は翌年の2月16日～3月15日頃です。
- 納税：確定申告の結果、納税が必要な場合は、指定期日までに税金を納めます。延滞すると延滞税が発生するため、早めの対応が大切です。
大きく分けてこの4ステップで確定申告は完了します。
まとめ
競馬で利益を得た場合、その払い戻し金は基本的に一時所得として扱われ、確定申告が必要になる可能性があります。
特にPATを利用してオンラインで馬券を購入している方は、取引履歴が電子的に残るため、申告漏れが発覚しやすいというリスクがあります。
- 給与所得者の場合、副収入が年間20万円以上なら確定申告が必要。
- 一時所得の計算では、総収入から購入費用と50万円の特別控除を差し引く。
- はずれ馬券は経費として認められず、競馬を事業的に行っている場合のみ雑所得に該当するリスクがある。
- 申告漏れが発覚すると、無申告加算税、延滞税、重加算税といったペナルティが課される可能性がある。
自身の活動内容や規模を十分に理解し、正しい方法で確定申告を行うことで、余計なトラブルを避けることができます。
競馬で大きな利益を得た際は、税金の処理についても慎重に対応しましょう。
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