伝貧(でんぴん) 馬特有の伝染病である馬伝染性貧血の略語。症状は40度前後の高熱が出て2~4日後に平熱に戻って再度高熱が出るという状態を繰り返し、感染した馬は次第に貧血して衰弱していく。感染が判明した馬は法の定めにより安楽死の処置がとられる。2017年に国内の清浄性が確認されているが、JRAでは年2回全在厩馬を対象に検査(定期検査)を行って現在も予防に努めている。 2024.02.28
跛行(はこう) 歩様に異常をきたしている状態のこと。原因としては、骨、腱、関節、筋肉、神経等の異常が考えられる。跛行にも種類があり、負重するときに疼痛を示すもの(支柱跛行)、肢の挙楊時および前進時に疼痛を示すもの(懸垂跛行)、両方が混在する跛行(混合跛行)に大別される。 2024.02.28
ソエ 管骨瘤や管の炎症の俗称。骨が完全に化骨していない若い馬によく現れる症状で、強い調教や硬い走路での調教を行なった際に発症しやすい。発症後は運動を軽くして患部を冷却することにより治癒するが、重症になると腫れたり疼痛を伴うことがある。 2024.02.29
疝痛(せんつう) 馬の腹痛を伴う病気の総称で、便秘疝、風気疝、変位疝などの種類がある。馬の腹部臓器は疝痛を起こしやすい構造となっており、馬の内科的疾病として昔から最も代表的なもの。 2024.02.28
喘鳴症(ぜんめいしょう) 通称「喉鳴り」と呼ばれる馬の咽頭で発生する病気の一種。咽頭部を支配する神経が麻痺して喉頭口が狭くなって、呼吸のたびに「ヒュウ、ヒュウ」、「ゼイゼイ」と音を発する。発症すると全力疾走時に充分な呼吸ができず、競走能力に影響をきたす。治療法として効果が高いのは外科手術だが、合併症を発症するリスクもある。 2024.02.28
フレグモーネ 皮下の組織に見られる急性の化膿性疾患のことで競走馬に多く見られる。馬が発症すると病勢のテンポは極めて早く、一夜のうちに馬の肢が腫れ上がることも稀ではなく、激しい疼痛を伴う。病気が進行すると競走馬として走れなくなることもあり、早期発見・早期治療が肝心である。 2024.02.28
裂蹄(れってい) 蹄の異常のひとつで蹄壁が割れて亀裂が入ったもの。縦に割れるものと横に割れるものがあり、縦裂蹄と横裂蹄で区別する。縦裂蹄は冬期の乾燥時に発症しやすく、横裂蹄は蹄壁の生え際(蹄冠)に種々の異常が起こり、横一線に弱い角質が形成された末に起こる。発症すると悪化防止の装蹄学的な処置や痛み対処の内科療法を施す。重症の場合は、蹄が伸びるまで休養することもある 2024.02.28
屈腱炎(くっけんえん) 競走馬が疾走する上で負担のかかる前肢に起こりやすい腱の病気で、俗称を「エビハラ」と呼ぶ。発症すると長期休養に追い込まれることが多く、一度治癒しても再発する可能性も高い。サラブレッドにおける「不治の病」とされている。 2024.02.28