本記事では、阪神カップの過去の結果や傾向からデータを分析した結果を掲載しております。
2024年の中央競馬も残すところわずか。
いよいよ今週は、今年の競馬の総決算第69回有馬記念が行われますし、その前日、土曜には、札幌記念と並んで特別なG2、いわば“スーパーG2の阪神カップが行われます。
阪神カップというレース名ですが、今年は阪神の改修工事により、京都で行われる阪神カップとなります。
中央競馬には1400mのG1レースがありませんが、もし出来るとすればこのレースがG1に昇格することになるでしょうというレースです。
阪神カップの概要
開催日時 | 2024年12月21日(土)15:35発走予定 |
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グレード | G2 |
開催競馬場 | 京都競馬場 11R |
コース | 芝1400m |
性齢 | 3歳以上 オープン |
このカテゴリーといいますか、マイルのG1もスプリントのG1も、すでに終わっています。
香港国際競走に出走して、ここに出てくるというのは日程的に現実的ではないことで、スプリンターズSやマイルチャンピオンSを勝てずに、予めここを目標とする馬。
下級条件とは言いませんが、オープン特別や京阪杯などを使って、次の適切なレースがここという馬との戦いになります。
阪神カップの賞金
着順 | 賞金 |
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1着 | 6700万円 |
2着 | 2700万円 |
3着 | 1700万円 |
阪神カップは、G2の中でも高額賞金となっており、定量戦です。
勝てば言う事ないですし、2着でもリステッ卜を勝つのとほぼ同額。
また、定量戦ですから、胡散臭いハンデの機微とか、賞金が多いから斤量を負担させられるということもありません。
ディープインパクトだろうが、アーモンドアイだろうが、古馬のときにはそれぞれ、58キロ、56キロで出れるわけです。
阪神カップの会場・コース解説
今年の舞台は、京都・外回り1400mで行われます。
内回りが下級条件で使われるのに対し、外回りは上級条件で重賞は全て外回りコースで行われます。
スタートから3コーナーまでの距離は512mもあることで、そこまでの枠順の有利、不利はありません。
3~4コーナーは内回りよりもアップダウンがきつく、下りでスピードに乗るため、4コーナーの出口で馬群が広がりやすく、そこを狙い澄ました差しも度々決まる。
合流地点のインを利したやつですね。
直線も400mほどありますから、実力馬が力を発揮しやすい舞台となっている。
短距離戦で先行馬が有利であることには間違いないが、前記のコース形態もあって、内回りほど逃げ・先行馬中心の競馬になるわけではありません。
外回りはゴール前直線が76m延びることで、差し馬も届く。
展開次第ではどの脚質でも戦えるので、まずはメンバーの脚質をチェックしたいコースだ。また、下級条件の内回り1400mで逃げ切った馬が、外回り1400mに替わって後続に捕まるケースが目立つことを覚えておかないといけません。
阪神カップの出走馬
ここまでのことを念頭に置いた上で、今年はフルゲートの18頭に対してなんと25頭もが登録しています。
【出ようと思えば出れる面々】出走馬決定順18番目まで。
アサカラキング
15戦5勝の4歳牡馬。
阪急杯を2着したときには、G1でも期待できると感じましたが、その高松宮記念が無念の除外。
しかし、ローテーション的にはこれが良かったのかもしれず、モルガナイトSを快勝し、この時点ではやはり力があるんだなと感じさせました。
とはいえ、一息入れた函館SS、セントウルS、信越Sと3戦ともに良いところなしの敗戦を重ねています。
良いときのデキ、勢いならばここも有力、いえ、最有力とさえ言えるのでしょうが、現状のこの馬では…。
ウイングレイテスト
37戦4勝の7歳牡馬。
スプリンターズステークスでは大敗しましたが、これは大外枠だったのもありますし、その1週前に打撲した影響もあったでしょう。
函館SS、アイビスサマーダッシュと重賞を連続2着出来ているように、勝つまでのイメージは出来ませんが、2,3着の1頭ならば十分に浮上できておかしくないだけの力量があります。
昨年のこのレースは7番人気で逃げて8着。
今年も立ち位置的にはそんな感じの存在となります。
ウインマーベル
25戦7勝の5歳牡馬で、昨年の覇者です。
その後も阪急杯をアサカラキングを相手に勝ち、メンバーが揃っていた京王杯スプリングカップも勝ち、10番人気と人気薄ながら、果敢に先行しG1マイルチャンピオンシップでも3着しているように、安定感が増しています。
1400mに限れば、現在重賞を3連勝中。
どう考えてもベストは1400mの馬ですから、1400mに戻ることでパフォーマンスレベルが安定し、この馬が“モノサシに相応しい。
懸念すべき点は、今年は阪神ではなくて、京都で行われる点で、いったんは先頭に立っても切れる馬にやられるかもしれませんね。
エイシンスポッター
24戦6勝の5歳牡馬。
まだ重賞を勝てていませんが、終いに脚を使う馬です。
1400のリステッド、安土城Sを勝っている馬ですが、1200mを中心に使っている馬で、陣営も、「1200mの方が」と思ってもいます。
とはいえ、安土城Sの上がりの切れはたいしたもの。
1400はあくまで、守備範囲に過ぎないのかもしれませんが、流れ次第では台頭し得る実力の持ち主で、昔いたエイティンガールに似ていますね。
エトブプレ
9戦3勝の3歳牝馬で、フィリーズレビューの勝ち馬です。
ソコソコの素質がある馬ですが、ここまでクラスが上がるとシンドい。
好走できるとすれば、フィリーズレビューを勝ったときのように逃げること。
少々速いペースであっても、単騎で行ければ踏ん張りが違ってきますので、なんとか良い枠が引けて、単騎逃げに持ち込めることが好走への大前提となります。
オフトレイル
9戦3勝の3歳牡馬で、ラジオNIKKEI賞の勝ち馬です。
1800で重賞を勝ったものの、短いほうが良いということで、前走は1400mのスワンSを使って2着しました。
そのスワンSはメンバーレベルが低かったとはいえ、出遅れながら33秒1の脚を使っていますし、走破時計も1分20秒6と上々のもの。
出遅れが続いている馬だけに、信用しすぎるのは博打ともいえますが、最高にうまくいくならば見限ることは出来ません。
ただ、冷静に考えれば、ここは相手が強いので、不発が濃厚でしょう。
シャンパンカラー
9戦3勝の4歳牡馬で、昨年のNHKマイルカップの勝ち馬です。
ただし、その後の4戦が勝てていないだけでなく、すべて二桁着順に沈んでおり、競馬になっていないレースばかりが続いています。
もう終わったとも言えますし、そもそもNHKマイルがフロックだったとも思えます。
今回は定量戦なので、G1勝ちの実績から斤量を背負わされることもありませんので、ここは、G1ではないのに、使える数少ないレース。
そのため、ここを使うのは既定路線なのですが、少しでも良いところを見ようと思っても、なかなか難しいです。
セリフォス
16戦5勝の5歳牡馬で、2年前のマイルCSを勝っています。
ただし、その後が勝てておらず、その間、私はだいぶこの馬で損をしています。
この馬もG1を勝っていることで、使えるレースがどうしても限られてしまいますし、マイルCSが終わった後ですからなおさらです。
今回は1400という初めての距離となるわけですが、1600だろうが、1400だろうが、現状のこの馬にとっては、気持ちの問題。
復活に向けて上がってきたという感じもしませんが、メンバーが与しやすくなっていることは確かです。
ソーダズリング
9戦3勝の4歳牝馬で、同じ京都1400の京都牝馬Sをナムラクレアを相手に勝っています。
しかもその時は、1分20秒3という好時計ですから、この舞台が合っていることは間違いがありません。
競馬とはタイムトライアルではないのですけども、タイムもまた重要過ぎる要素なことも事実です。
1分20秒前後の時計で走れることは証明できているわけですから、単勝を買うのもご都合主義ではないですし、軽く扱うわけにはいきません。
ダノンスコーピオン
19戦4勝の5歳牡馬で、一昨年のNHKマイルカップを勝っています。
しかし、この馬もシャンパンカラーと同様に、その後が勝てておらず、現在13連敗中。
ただ、この馬はシャンパンカラーとは違って、着順は大きくとも、ソコソコまでには来ており、ちゃんと競馬にはなっています。
現状では、たとえオープン特別が定量戦であったとしてもチャンスとも言えないのですが、距離からも、定量戦だということからも、ここを使うしかないというのが現状です。
ダノンマッキンリー
9戦4勝の3歳牡馬で、スワンSの勝ち馬です。
そのスワンSはメンバーレベルが低かったことは事実ですが、この馬自身、1400mで5戦4勝と、まだ3歳なのに1400のスペシャリスト感があります。
ただし、やはり、ここはスワンSより少なくても一枚半はメンバーレベルが上なので、1分20秒5の時計は上々だとしても、スワンSと同じ走りで届くかどうか。
また、1200とはいえ、キーンランドカップではサトノレーヴに問題にされていなかったように、本当に強い馬に対しては分が悪い。
もし、仮にここを勝てるようならば、この馬の時代が来るのでしょうけども、冷静に考えて、ここでは相手が強く、この馬にとっては試金石の一戦でしょう。
トゥラヴェスーラ
35戦4勝の9歳牡馬。
もうあと半月もすれば10歳なのですから、ここまで走っていて、頭が下がります。
ファンの方や関係者には申し訳ないのですが、この馬が3着出来るくらいスワンSのレベルは低かったと言えます。
この馬も、ハンデ戦の北九州記念で58キロのハンデを課されているように、出せるレース、出れるレースが限られる馬なので、ここに出てくるのは既定路線です。
現在の京都の荒れている馬場はこの馬にとってプラスでしょうが、たとえそうでも、やはり、なかなか厳しい。
ナムラクレア
19戦5勝の5歳牝馬。
G1を勝てそうで勝てずで、5歳の暮を迎えてしまいました。
現役続行が決まっており、次のG1に向けてということになりますが、ここのところ勝てていないことで、今回は、「勝ちにこだわる」競馬となります。
1400m戦は3戦してすべて2着なので、悪いわけではないのですが、やはり、守備範囲に過ぎない距離となります。
今まで戦ってきた相手、示してきたパフォーマンスを考えれば、その貯金は大きい。
今回は、ルメール騎手で臨むことも背水の陣感があって良いですね。
マッドクール
14戦6勝の5歳牡馬で、春の高松宮記念を勝っています。
久々で純粋な時計勝負となった今年のスプリンターズSでは厳しかった感じなので、1分7秒0の決着となった前走、スプリンターズSの12着には、情状酌量の余地があります。
ただ、1400に距離が延びることで、追走が楽になることは良いのですが、どうしても時計面に課題が残ります。
また、阪神の内回りならまだしも、京都の外回りなので、切れ味勝負になって伸びてこれるのか。
シャンパンカラーやダノンスコーピオンと違って、まだ見限れないG1馬ですから、無碍のには出来ないのですが、マッドクールにとって、課題が多い戦いです。
マテンロウオリオン
22戦2勝の5歳牡馬。
シンザン記念を勝ったときには3戦2勝だったのですが、そこから現在19連敗中。
NHKマイルカップを2着したときには、こうなるとは思っていなかったことでしょう。
結果論になりますが、ダービーを使ったことが良くなかったのでしょう。
特にここ一年ほどは精細を欠くレースが続いており、ちょっと出口が見えない感じです。
ママコチャ
17戦6勝の5歳牝馬で、昨年のスプリンターズSの勝ち馬で、昨年の阪神カップでは1番人気に推されながらも5着に終わっています。
ただし、走破時計は1分19秒5と十分に速いものですし、安土城Sで1分19秒0ときう信じられない速い時計で勝っていますので、1400でもスピード決着のほうが得意な馬です。
その点では、現在の京都の荒れた馬場はマイナスなのですが、コース形態的に、昨年の阪神よりは、今年の京都の方がプラス。
なので、今年もこのローテーションになったという一面があります。
休み明けのセントウルSでは、え、この出来で出てきたのかと思えましたが、レースを2度使って、そんな面はなくなってきています。
モズメイメイ
17戦5勝の4歳牝馬で、ロケットスタートの持ち主。
もちろん、毎回毎回ロケットスタートが出来ているわけではないのですが、素軽い逃げ脚のある馬です。
「脚を溜める」ことが板についてきてもいますので、戦法の幅が拡がっています。
重賞を2つ勝っているとはいえ、やはり、総合力という観点では、一線級と比べるとどうしても劣ってしまいます。
レッドモンレーヴ
17戦5勝の5歳牡馬で、もっとやれる実力があるはずですが、最近は低迷。
前走はキャピタルSと、オープン特別を使いながらも勝てなかった。
コーナーで動くよりも、直線勝負に徹したほうが伸びてくるタイプなので、どうしても展開に左右されてしまうのがネック。
だから、取りこぼしの多いタイプでもあります。
一時期の勢いが失せてしまった感じの現状なので、ちょっと狙い辛い面はありますが、実力は確かな馬で、この馬も阪神内回りよりも、京都外回りの方が良いでしょう。
【ここからは除外候補】
セオ
出走馬決定順19位タイ
17戦5勝の4歳牡馬。
「オープンの1800ではマークが厳しくなる」ことで、「1400で脚質転換を覚えさせたい」ことでここに照準。
力量的に通用するうかはともかく、課題をクリアする、試すには良い舞台。
勝ちにいかないことで、良い着順がとれましたみたいな可能性は残りますが、出れたとしても勝負気配という観点では大きく劣ります。
レイベリング
出走馬決定順19位タイ
14戦5勝の4歳牡馬で信越Sを好内容で勝っています。
さすがに、その後のマイルチャンピオンシップは家賃が高かったわけですが、前走後も放牧には出さずに在厩で調整しています。
マイルよりも1400の方が、パフォーマンスレベルも安定していますので、に替わることは有利に働きます。
出れたとして、あとは、相手関係の話ですね。
シュバルツカイザー
出走馬決定順21位
26戦6勝の6歳セン馬
出遅れたとは言え、信越Sでレイベリングの2着でした。
1400だと安定している感じがしますが、やはり時計がちょっと足りず、現状ではオープン特別の馬。
補欠の3番手ですから、出走することが厳しいですが、出れたとしても家賃が高いでしょうね。
ここから先は、出走できることが、さすがに現実的ではないので名前だけ。
出走馬決定順22位オーキッドロマンス
出走馬決定順23位ルプリュフォール
出走馬決定順24位ロジリオン
出走馬決定順25位マスクオールウィン
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阪神カップ2024過去データ分析と傾向
今年は例年の阪神ではなくて、京都で行われますが、施行時期や格は変わりませんので、過去10年の傾向を探っていきます。
関東馬が強い
関東馬が40頭出走して、
【 5 2 1 32 】
関西馬は131頭が出走して、
【 5 8 9 109 】
半分の5勝ずつを分け合っている形ですが、関西馬は3倍位上の出走数なので、関東馬に軍配があがります。
これは、一時期の圧倒的な西高東低時代を抜け出したこともありますが、関東馬には短い距離で強い馬が多く、それらが遠征してきたからという一面があります。
また、1〜3着馬に関東馬がいなかったのは、21,22年の2年だけしかありません。
関東馬だと言うだけで、わざわざ遠征してきたということなので、多少の加点をしてもいいくらいです。
オープンでの実績
関東馬は1〜3着馬ののべ8頭中、7頭にG1での連対かG2勝ちがありました。
関西馬は数が多いのでボーダーが低くなって、1〜3着馬22頭の中で、18頭が重賞の勝ち馬でした。
オープンで勝ったことのなかった馬は1〜3着に2頭しかいません。
前走は距離でチェック
前走の距離が、
1200m以下だった馬は53頭が出走し、
【 2 4 2 45 】
1400mだった馬も53頭でした。
【 3 2 2 46 】
1600mだった馬は、57頭いて、
【 4 3 4 46 】
1800m以上だった馬は8頭いました。
【 1 1 2 4 】
どれも似たような成績で、しいてあげると、1800m以上だった馬が高確率なのですが、このパターンはそんなに出走してきません(今年のメンバーでは除外対象のセオのみ)。
また、距離別の目安をいうと、
・1200m以下=重賞で0秒5差以内
・1400m=オープンで0秒4差以内
・1600m=G1なら1秒2差以内
・1800m以上=重賞で一桁着順。
今年は京都なので、データがそのまま当てはまらないですが、「前走で4コーナーの位置が1〜9番手」もポイントとなっています。
リピーターに注意
前年の阪神カップの連対馬は9頭が出走してきて、
【 2 2 1 4 】
と、半分以上が馬券になっています。
これ、すごいのは、単勝回収率が205%、複勝回収率でも132%と、他のレースだったらここまでになっていないであろう数字です。
昨年の勝ち馬はウインマーベルなので、ウインマーベルには多少の加点が必要でしょう。
若いほど優勢
短距離戦ですから、加齢によるスピードの絶対値低下は無視できません。
・3歳馬は27頭が出走し、
【 3 3 2 19 】
・4歳馬は30頭が出走し、
【 3 2 2 23 】
・5歳馬は49頭が出走し、
【 1 4 5 39 】
・6歳馬は31頭が出走し、
【 2 0 0 29 】
・7歳上は34頭が出走し、
【 1 1 1 31 】
連対率は若いほど好成績で、3着内の入着率もほぼ同様の数字が残っていますので、迷ったら、同じくらいだと思ったら若い方を選択したほうが良いでしょう。
G2阪神カップの予想買い目
昨年の覇者、ウインマーベルがモノサシなのですが、どうしても、阪神 → 京都への開催替わりが気にかかります。
「マイルCSは京都で3着だったじゃないか」
確かにそうなのですが、あれは相当にうまく行ったのも事実で、なおかつ京都のマイルと1400では微妙に違います。
なので、ウインマーベルは3連複とか、ワイドなら買えますけども、頭まで取り切る感じがしないのです。
では、ウインマーベルの上を行き得る馬は?
・セリフォス
・ナムラクレア
・ママコチャ
結局のところG1で上位にこれている面々ということになります。
《なかでも》
目下の調子や、引退までのカウントダウンを考えると、ナムラクレアがレースの組み立ても一番しっかりしているので、これが◎。
ナムラクレア ー ウインマーベルのワイドはそこまでつかないでしょうし、人気に見合う配当かと言われると?でもあるので、まずは3連複。
で、勝った時のボーナスというスタンスで良いでしょう。