先日、大波乱で北海道3冠競走全ての日程を終えた王冠賞。
次に締めくくられるのは高知の3冠競走。そのレースの名は黒潮菊花賞です。
今年は3冠達成に期待がかかります。
黒潮菊花賞2024の基本情報
開催日時 | 2024年8月4日(日) |
グレード | 高知重賞 |
開催競馬場 | 高知競馬場 9R |
コース | ダート1,900m |
コース解説
2コーナー終わりからスタートし、馬場を1周半します。
向こう正面の登りが激しい分、ここでどのように立ち回るかが勝敗のカギです。
ただ、内枠が強いわけでもないこのコース。砂の深い内側をずっと走らされるよりは、馬場のいい外を通りたいのが各騎手の本音。有力馬は包まれにくい枠外の方が寧ろいいかもしれません。
出走表
印 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 所属地区 | 調教師 | 前走 | 当該距離 | 当該距離+競馬場 | 寸評 | 短評 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ジョウショーライン | 牡3 | 56 | 岡村卓弥 | 高知 | 雑賀正光 | 高知 魚梁瀬杉特別D1300 9着 | 0-0-0-1 | 0-0-0-1 | 狙えない | 凡走を繰り返し差も大きく。かなり厳しい。 | |
2 | 2 | クレフェノー | 牡3 | 56 | 岡遼太郎 | 高知 | 宮路洋一 | 高知 魚梁瀬杉特別D1300 8着 | 初出走 | 初出走 | 厳しいか | ファイナルレース3着はあるが前走全く見せ場なし。 | |
△ | 3 | 3 | バレンタインガール | 牝3 | 54 | 畑中信司 | 高知 | 別府真司 | 高知 3歳ー1D1600 2着 | 初出走 | 初出走 | 成長途上 | 近走こそ安定しているものの持ち時計は平凡。通用には時期尚早か。 |
4 | 4 | カノンウッドテール | 牝3 | 54 | 永森大智 | 高知 | 雑賀正光 | 高知 タチウオ特別D1600 8着 | 初出走 | 初出走 | まだ早い | 初勝利がファイナルレース。タイム的にも通用レベルになく。 | |
☆ | 5 | 5 | ヴィヴァムーン | セ3 | 56 | 多田羅誠 | 高知 | 工藤真司 | 高知 魚梁瀬杉特別D1300 7着 | 初出走 | 初出走 | 苦戦覚悟 | 後方から捲っていきたいが今回は先行勢が強力すぎる。多田羅マジックには期待したいが… |
5 | 6 | ブンタンフィズ | 牝3 | 54 | 及川烈 | 高知 | 宮川浩一 | 高知 アオリイカ特別D1600 9着 | 初出走 | 初出走 | 近走不振 | ここのところは全く見せ場がない。厳しいだろう。 | |
6 | 7 | エーステンペスト | 牡3 | 56 | 郷間勇太 | 高知 | 宮川真衣 | 高知 C3-12D1400 7着 | 0-0-0-1 | 0-0-0-1 | 差大きく | シンメデージーとも戦ったことがあるとはいえ千切られている。 | |
6 | 8 | ポッドジャスパー | 牡3 | 56 | 林謙佑 | 高知 | 田中守 | 高知 魚梁瀬杉特別D1300 10着 | 初出走 | 初出走 | 延長不安 | 初の1900mで果たして通用するのか。マイル戦では強い競馬だったが。 | |
▲ | 7 | 9 | マジックセブン | 牡3 | 56 | 井上瑛太 | 高知 | 那俄性哲也 | 高知 魚梁瀬杉特別D1300 2着 | 0-0-1-0 | 0-0-1-0 | 逆転狙う | 前走でバウンティキャットに負けたのは不覚。果たして高知優駿の借りを返せるか。 |
〇 | 7 | 10 | サノノスピード | 牡3 | 56 | 赤岡修次 | 高知 | 目迫大輔 | 高知 魚梁瀬杉特別D1300 6着 | 0-0-0-1 | 0-0-0-1 | 発馬カギ | 高知優駿以降スタートで滑って痛い2連敗。3冠目のここで発馬を決めれば。 |
8 | 11 | イッセーノーデ | 牝3 | 54 | 城野慈尚 | 高知 | 宮路洋一 | 高知 魚梁瀬杉特別D1300 5着 | 0-0-0-1 | 0-0-0-1 | 下降線か | 黒潮皐月賞4着だけに軽視しにくいが離されすぎ。3着に来れば御の字。 | |
◎ | 8 | 12 | プリフロオールイン | 牡3 | 56 | 宮川実 | 高知 | 打越勇児 | 高知 高知優駿D1900 1着 | 1-0-0-0 | 1-0-0-0 | 三冠必達 | 相手関係、持ちタイム、不安要素一欠けらもなし。ユメノホノオに続く2年連続の3冠達成へ道は開けた。 |
遂にプリフロオールインが高知3冠に挑みます。
昨年、ユメノホノオが全て1着で駆け抜けたこのロードを、彼もまた先頭で駆け抜けることはできるでしょうか。
黒潮菊花賞の傾向
※2014~2023年のレースデータ使用。
人気傾向
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 5-3-0-2 | 50% | 80% | 80% |
2 | 2-4-1-3 | 20% | 60% | 70% |
3 | 1-0-3-6 | 10% | 10% | 40% |
4 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
5 | 1-0-2-7 | 10% | 10% | 30% |
6人気以下 | 1-3-4-46 | 1% | 7% | 18% |
1,2番人気の好走率は高く、1番人気の勝率は盤石の5割です。
一方中穴以降が1頭は突っ込んでくるレースでもあります。
中央の菊花賞でもそうですが、最後の1冠レースというのは隠れた上り馬が活躍するもの。
それほど人気していない近走成績の馬は注意が必要です。
過去5年の配当と傾向
2019年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❸③ | 1 | 110 | 100 | 220 | 190 | 150 | 230 | 2,870 | 4,500 |
2着 | ❹④ | 2 | 130 | 600 | ||||||
3着 | ❶① | 6 | 400 | 2,770 |
2020年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❼⑨ | 6 | 2,530 | 380 | 2,960 | 26,390 | 6,310 | 64,200 | 34,020 | 492,500 |
2着 | ❷② | 9 | 650 | 1,470 | ||||||
3着 | ❸③ | 3 | 210 | 2,310 |
2021年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❻⑧ | 3 | 1,100 | 150 | 360 | 360 | 200 | 1,910 | 5,130 | 49,610 |
2着 | ❹④ | 1 | 100 | 3,200 | ||||||
3着 | ❻⑦ | 8 | 360 | 820 |
2022年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❹④ | 1 | 170 | 100 | 220 | 220 | 120 | 380 | 180 | 730 |
2着 | ❽⑪ | 2 | 100 | 140 | ||||||
3着 | ❶① | 3 | 100 | 170 |
2023年 | 馬番号 | 人気 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | 馬単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | ❺⑥ | 1 | 110 | 100 | 150 | 150 | 110 | 170 | 210 | 350 |
2着 | ❻⑧ | 2 | 100 | 150 | ||||||
3着 | ❺⑤ | 3 | 140 | 250 |
ここ2年は人気通りの固い決着が続いています。
今年は勢力図にさほど大きな変化もなく、平穏な決着が予想されそうです。
枠傾向
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20% |
2 | 0-1-0-9 | 0% | 10% | 10% |
3 | 2-0-1-7 | 20% | 20% | 30% |
4 | 3-3-0-4 | 30% | 60% | 60% |
5 | 1-2-2-11 | 6% | 18% | 31% |
6 | 2-1-2-13 | 11% | 16% | 27% |
7 | 1-1-2-16 | 5% | 10% | 20% |
8 | 1-2-1-16 | 5% | 15% | 20% |
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | 1-0-1-8 | 10% | 10% | 20% |
2 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20% |
3 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20% |
4 | 0-1-0-9 | 0% | 10% | 10% |
5 | 1-2-0-15 | 5% | 16% | 16% |
6 | 2-1-2-15 | 10% | 15% | 25% |
7 | 4-5-1-10 | 20% | 45% | 50% |
8 | 2-1-2-15 | 10% | 15% | 25% |
内枠の成績は芳しくありません。掘られる内枠は不利になると考えてよいでしょう。
さて、高知優駿は外枠が大幅有利でしたが、黒潮菊花賞は逆に4枠が以上に突出した好成績です。
しかしこれは人気馬の入枠によるもの。それほど気にする値ではありません。
やはり注意は内枠の不振具合、ということになります。
◎ 内枠は揉まれない所をチェック。
脚質傾向
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 1-1-1-13 | 6% | 12% | 18% |
先行 | 4-6-4-16 | 13% | 33% | 46% |
差し | 5-3-4-28 | 12% | 20% | 30% |
追込 | 0-0-1-27 | 0% | 0% | 3% |
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 2-5-2-9 | 11% | 38% | 50% |
先行 | 5-4-4-19 | 15% | 28% | 40% |
差し | 2-1-4-32 | 5% | 7% | 17% |
追込 | 1-0-0-28 | 3% | 3% | 3% |
高知優駿と比較した際、明らかに先行差し馬の好走率が上昇しています。
プリフロオールインはここまで完璧といえるほどの逃げ切り勝ちを収めていますが、プレッシャーとどう付き合って逃げるか。
とはいえ、上級クラスで好走歴があれば問題なく好走しているだけに、そこまで気にするデータでもないように思えます。
◎ 逃げ不振だがそこまで気にしなくても良しか。
前哨戦データ傾向
前哨戦のデータから見えてくる傾向を読み解いていきます。
ポイント1 魚梁瀬杉特別からの転戦
高知優駿の後ここをトライアルとして出走する馬も多数おり、事実今年も多数の馬がここをステップに参戦しています。
ですが、このレースで最低でも3着以内には入線していないと好走歴がないだけに、上位勢以外は切ってしまっても良さそうです。
2着 マジックセブン
ポイント2 “3冠キラー 多田羅誠”に注目
過去10年で3回騎乗し2勝を挙げている多田羅誠騎手。
その勝利の中には3冠のかかったハルノインパクトをトーセンジェイクで打ち破った1勝が含まれています。残り1勝も6番人気のフリタイムを勝利に導いており、このレースとの相性はいいです。
今年の騎乗馬はヴィヴァムーン。ハマれば鋭い脚を使うだけに要注目です。
ヴィヴァムーン
参考レース① 5/5 黒潮皐月賞
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❷ | ② | プリフロオールイン | 牡3 | 56 | 宮川実 | 1.29.4 | – | 37.6 | 1 |
2 | ❽ | ⑪ | サノノスピード | 牡3 | 56 | 赤岡修次 | 1.30.7 | 1.3 | 38.7 | 2 |
4 | ❺ | ⑤ | イッセーノーデ | 牝3 | 54 | 井上瑛太 | 1.32.4 | 3 | 40.2 | 6 |
7 | ❹ | ④ | クレフェノー | 牡3 | 56 | 山崎雅由 | 1.33.4 | 4 | 40.6 | 9 |
8 | ❶ | ① | ヴィヴァムーン | セ3 | 56 | 多田羅誠 | 1.33.4 | 4 | 38.5 | 5 |
9 | ❸ | ③ | ジョウショーライン | 牡3 | 56 | 岡村卓弥 | 1.34.3 | 4.9 | 40.8 | 8 |
10 | ❼ | ⑨ | ブンタンフィズ | 牝3 | 54 | 佐原秀泰 | 1.35.3 | 5.9 | 42.4 | 12 |
少し外にヨレながらもプリフロオールインが好スタート、そのままハナを切る。
サノノスピードは3番手につけ、イッセーノーデがその後ろ、ミシロウェイはいつも通り後方からレースを進める。
3,4コーナーでプリフロオールインがギアを上げ、後続を突き放すとあとはそのまま。
逆転の余地など与えないほどに、他馬を一気に突き放して1冠目を手にした。
参考レース② 6/16 高知優駿
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❸ | ③ | プリフロオールイン | 牡3 | 56 | 宮川実 | 2.05.0 | – | 38.8 | 1 |
3 | ❶ | ① | マジックセブン | 牡3 | 56 | 佐原秀泰 | 2.06.8 | 1.2 | 40.4 | 5 |
5 | ❺ | ⑤ | サノノスピード | 牡3 | 56 | 赤岡修次 | 2.08.6 | 3.6 | 40.8 | 4 |
9 | ❼ | ⑩ | エーステンペスト | 牡3 | 56 | 林謙佑 | 2.10.0 | 5 | 43.2 | 10 |
10 | ❺ | ⑥ | ジョウショーライン | 牡3 | 56 | 妹尾浩一 | 2.10.9 | 5.9 | 42.4 | 11 |
11 | ❽ | ⑪ | イッセーノーデ | 牝3 | 54 | 多田羅誠 | 2.11.2 | 6.2 | 43 | 9 |
圧巻の2冠制覇を成し遂げて見せたプリフロオールインのひとり舞台。
追走してきたアムクラージュ、マジックセブンを寄せ付けず突き放すと、後方から追い込みに賭けたワンウォリアー、サノノスピードも相手にせず完勝。
2年連続3冠制覇の夢へ「All in.」
参考レース③ 7/15 魚梁瀬杉特別
着順 | 枠 | 番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 走破タイム | 1着とのタイム差 | 上り3F | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ❽ | ⑪ | バウンティキャット | 牝3 | 54 | 永森大智 | 1.21.5 | – | 38.9 | 2 |
2 | ❻ | ⑧ | マジックセブン | 牡3 | 56 | 井上瑛太 | 1.21.9 | 0.4 | 38.4 | 4 |
5 | ❹ | ④ | イッセーノーデ | 牝3 | 51 | 城野慈尚 | 1.23.3 | 1.8 | 38.9 | 7 |
6 | ❼ | ⑨ | サノノスピード | 牡3 | 56 | 赤岡修次 | 1.23.6 | 2.1 | 40.6 | 1 |
7 | ❺ | ⑥ | ヴィヴァムーン | セ3 | 56 | 多田羅誠 | 1.23.8 | 2.3 | 38.7 | 8 |
8 | ❼ | ⑩ | クレフェノー | 牡3 | 54 | 濱尚美 | 1.24.1 | 2.6 | 40.1 | 9 |
9 | ❸ | ③ | ジョウショーライン | 牡3 | 56 | 岡村卓弥 | 1.24.8 | 3.3 | 39.8 | 10 |
黒潮皐月賞3着のバウンティキャットが復帰戦を鮮やかに勝利で飾った一方、2着で本命だったサノノスピードはスタートで滑り挟まれ後方からの競馬を余儀なくされ6着と完敗。
ここ2戦はどうにもスタートで苦労している感。
伸びしろを考えるのであればしっかり迫ってきたマジックセブンと追い込み堅実なイッセーノーデにありそう。
ともかくサノノスピードはスタートが間違いなくカギとなってくる。
最終見解
「穴党であるなら本命馬を疑え」これは恐らく穴党ファンの方なら大事にしていることであると思います。事実、先日の王冠賞でも穴馬プラセボに印を打てたのはこういうところが根底にあったからですし(まあなぜかリアル馬券はブラックバトラーの単勝のみを買うというトンチキなことをやっていたんですが)
ですが、ここは⑫プリフロオールインを疑うわけにはいきません。メンバー関係ががらりと変わったならまだ一考の余地もあったのですが、ここまでのレースで下してきた馬が殆ど。しかも彼らが急速に実力をつけたようにも見受けられず、実力通り圧勝劇の予感がします。
〇は逆転を狙う⑩サノノスピード。高知優駿は完敗でしたがスタートがすべて。スタートさえしっかり決まれば、黒潮皐月賞の差をひっくり返せるかもしれません。
▲には⑨マジックセブン。ここのところ善戦を続ける③バレンタインガール、黒潮菊花賞得意の多田羅誠騎手跨る⑤ヴィヴァムーンを最大の穴馬として〆ます。
〇 ⑩ サノノスピード
▲ ⑨ マジックセブン
△ ③ バレンタインガール
☆ ⑤ ヴィヴァムーン