2歳世代の最初の重賞として函館2歳Sが土曜に行われます。
フルゲート割れになることも多いレースですが、今年は19頭が名乗りを挙げており、フルゲートの6頭での戦いとなることが濃厚。
今年はどのような戦いになるのか、ポイントから傾向まで詳しく見ていきましょう!
函館2歳S(G3)2024概要
開催日時 | 2024年7月13日(土)15時25分発走予定 |
グレード | G3 |
開催競馬場 | 函館競馬場 11R |
コース | 芝1,200m |
性齢 | 2歳 オープン |
1着賞金 | 3,100万円 |
函館2歳S(G3)2024のポイント
函館2歳Sのポイントとしては、北海道デビューでないと勝てていないという現実があります。
しかし、今年は東京の1400mを圧勝したサトノカルナバル(堀厩舎)がスタンバイ。
この馬が新しい歴史を作るか?
これを第一のポイントに、また、前哨戦のオープン戦がなくなったことで、1勝馬同士の争いとなっていますので、〝勝ち上がった時の価値”
と〝それに至るためにどのくらい仕上げて、〝今回どのくらいの状態で出てこれるのか?”が大事な要素となります。
未勝利馬が5頭いますので、この記事では5頭を除いた14頭を見ていきましょう。
ちなみに賞金額は下記の通りです。
2着賞金1200万円
3着賞金 780万円
函館1,200mの特徴
函館の芝1200mは2コーナーの奥ポケットがスタート地点です。
短距離戦なので各馬のポジション争いが熾烈になるイメージがありますが、函館の芝1200mは、イメージとは別に、最初のコーナーまでが489mもあるのでそこまで激化しません。
スタートから最初のコーナーまでは終始上り坂となっているのでゆったりとした流れになりそうですが、短距離戦なのでそこはハイペースになります。
この上り坂は4コーナーはじめまで続き、スタートから4コーナーのてっぺんまでの高低差は約1.5mあります。
決して急坂というわけではありませんが、長く上り坂を駆け上がるので短距離戦ながらもスタミナが求められやすく、イメージ的に函館スプリントSも逃げ一辺倒ではないですもんね。
3コーナーのてっぺんを過ぎると今度は下り坂に差しかかります。
3~4コーナーはスパイラルカーブが導入されているので坂の出口でスピードが削がれにくい構造になっているので、差しや追い込み馬はコーナーワークから進出を開始しやすいです。
最後の直線は262mです。
残り100mまではゆったりした下り坂で、残る100mは平らな直線です。
直線が短いため、直線に入った段階での位置取りは重要です。
このとき後ろにいる馬はいくら末脚に長けた馬でも勝ち負けは厳しいくらい、函館の最後の直線は短く、コーナーワークでの仕掛けどころが大事です。
また、函館競馬は札幌同様、タフな洋芝が用いられているのでスピードよりも持久力勝負になりやすいです。
くわえて、札幌よりも起伏が多いので、力のある馬が激走しやすい舞台なのです。
函館2歳S(G3)2024の登録馬
アースミューズ
ダート1000mの新馬戦を勝っての参戦。
その新馬戦は、59秒8で2着馬に0秒2の差をつけて勝っている。
同じダートの1000m戦を勝ちあがったリリーフィールドは同じ良馬場で59秒0で駆けていることから、芝に替わること、距離も1200mに延びることで≪分が悪い≫
ヴーレヴー
牝馬限定で、1200m、7頭立ての新馬戦を逃げ切って勝っています。
テンションの高さが目立ち、いかにも若い牝馬だなという印象ですが、直線ではラップをほぼ落としていないことが能力を感じさせます。
我慢が効くかどうか、少しでもレース慣れ、成長していて欲しいなと感じます。
エメラヴィ
1200m、14頭立ての新馬戦を好位から差し切って勝っています。
好発を決めながらも逃げずに好位のインに収まるという大人びたレース。
追い出すとしっかり伸びており、勝ち時計の1分9秒7はもっと上があるように思いますが、今年の函館の馬場ならば、十分に合格点です。
エンドレスサマー
9頭立て、1200mの新馬戦を1分9秒4で勝っています。
2着に0秒8の差をつけているのですが、感心したのは、気合も一息だと思えたし、馬体も緩いながらの圧勝だったこと。
明らかに使った上積みは大きいだっろうなという仕上げなので、中1週もプラスに働く公算。
オカメノコイ
リリーフィールドの勝ったダート1000mの新馬戦を1秒離されているとはいえ2着。
その後、中2週で同じダート1000mの未勝利戦(この時は重馬場)を逃げて59秒5で勝ち上がり。
リリーフィールドとの比較でも厳しいし、さらに今回は芝の1200ですから、どうこうを期待するのは酷。
カルフスペルシュ
7頭立て、1200mの新馬戦を1分9秒7で勝ち上がりました。
スタート後に外によれたことで出脚が一息でしたが、その後がほぼ完ぺき。
良く伸びていますし、クビ差以上に強い内容だと感じました。
ただ、レースの前半が遅かったことは事実で、この手のタイプは多頭数のガチンコになった時に(ほぼそうなります)、差してきたけど4着までとか、かなりの不安が残ります。
サトノカルナバル
東京で10頭立ての芝1400mを2着に1秒1の着差をつける圧勝を飾ってきた馬で、1番人気に推されるであろう馬です。
新馬を勝った後は放牧に出さず、在厩での続戦となります。
距離短縮と輸送、本州で勝ち上がった馬が函館2歳Sを勝ったことはないという55回の歴史に挑むような参戦なのですが、ポテンシャル自体は足りています。
シュードタキライト
1000mの新馬戦で下ろして(3着)、1200の未勝利戦を3着し、そこから連闘をかけ、1200の未勝利戦を1分10秒0で勝ち上がってきた馬。
良い経験を積んだとも言えますが、さすがに上がり目はなく、自力で勝ち切れるシーンは皆無でしょう。
何頭か落馬でもしてくれないと…。
チギリ
ヴーレヴーの勝った新馬戦を2着し、中1週で牝馬限定の1200mの未勝利戦を勝ち上がり。
初戦の内容から対ヴーレヴーならば逆転の期待は持てるのだが、ヴーレヴーに勝てれば勝ちに届くとは言い難い。
しかし、経験を積んだことはプラスなので、3着ならあり得る存在となら言って良いでしょう。
ニシノラヴァンダ
1200m、7頭立ての新馬戦を2着に0秒7の差をつけ1分9秒3で快勝。
小柄な牝馬なので、2週目に勝って、ここに向けての調整が出来ているのはグッド。
「飼い葉をしっかりと食べている」こともプラス材料で、あとはオトコ馬との力関係。
ヒデノブルースカイ
11頭立て、芝1000mの新馬戦を57秒6で快勝。
他馬に迷惑をかけましたが、初戦の内容は上々以上。
「使ってから、馬に落ち着きが出た。」ことも好材料で、十分に単勝を買える1頭。
ヤンキーバローズ
5頭立ての新馬戦を1分9秒8で快勝。
5頭立てだから出来たレースかもしれませんが、ゲートが開くと頭を上げ、その後は外に寄れていた。
直線でも内にもたれる場面があり、岩田康騎手も、「抜け出して遊ぶようなところがあった」と。
これだけ雑なレースをしていても勝っちゃうんですから、まだまだ上がありそうで、ポテンシャルは相当に高いですね。
ラインパシオン
9頭立て、福島のダート1150mを1分11秒0で勝ち上がった。
メンバー構成と4キロ減で勝ち上がってきた印象は否めず。
ただ、「元々芝で使うつもりだった」ことは芝がマイナスなわけではない。
しかし、今回は同じ大江原騎手とは言え、重賞で4キロ減の恩恵はなし。
リリーフィールド
7頭立てのダート1000mの新馬戦で59秒0で走り、2着オカメノコイに秒0の差をつけている。
勝った後は放牧に出す。
何よりも芝の多頭数競馬となることで課題も多いですが、好枠を引くことが出来、ポンと好スタートならば見せ場以上もと思わせる馬です。
函館2歳S2024の傾向
函館開催の古馬総決算。1965年の創設で芝2000mのハンデ戦となったのは2000年からです。
ここでは過去10年を振り返ります。
新馬勝ちが前提
まず、デビュー勝ちを飾った1戦1勝馬が大前提となります。
例外は10年で1着馬に3頭、2~3着馬に各2頭となります。
また、ダートの1000m戦で勝ち上がった馬は、1~3着にそれぞれ2頭ずつ。
更に初勝利が7頭立て以下だった馬も2着馬に1頭だけ。
これらは減点ということで良いでしょう。
他場からの転戦組は苦戦
北海道開催が変則だった2021年を除けば、他場からの転戦だった馬は2着と3着に各一頭ずつ。
サトノカルナバル(断然人気が予想される)には嫌なデータです。
牝馬が思ったほどではない
牡馬・セン馬 69頭が出走し、【6 5 6 52】
牝馬は79頭が出走し、【4 5 4 66】
連対率の比較では牡馬、セン馬が4.5ポイントほどリードしています。
波乱の余地大きい
1番人気は3連対、2番人気は4連対、馬単配当は半数の5回が万馬券に到達。
キャリアが浅く、本当の力関係がわかっていない段階ですので、そりゃ、荒れると思っている方が正解です。
まとめ
函館2歳S2024のポイントから出走予定馬の詳細まで解説してきました。
ここまでを踏まえた上で、追い切りをチェックし、各馬の状態、各陣営の本気度を探っていくことで、正解=当たり馬券に近づけていきましょう!
追切後の予想と推奨買い目
追い切り格付けチェック記事内で、追切後に公開しています。