函館記念はその名の通り、函館を代表するレースです。
施行時期や条件の変遷があったレースですが、現在は函館絵競馬場の2000m、ハンデ戦でサマー2000シリーズの第2戦として定着しています。
- レースの構図を理解する
- 追い切りで状態を確認する
地道なことをいうようですが、その繰り返しです。
それを念頭に置いた上で、今年の函館記念の予想をしていきましょう。
函館記念(G3)2024概要
開催日時 | 2024年7月14日(日)15時45分発走予定 |
グレード | G3 |
開催競馬場 | 函館競馬場 11R |
コース | 芝2,000m |
性齢 | 3歳以上 オープン ハンデ |
1着賞金 | 4,300万円 |
函館記念(G3)2024のポイント
函館記念の予想をする上で、しっかりと抑えておきたいポイントがいくつか存在します。
サマー2000シリーズの考え方
サマー2000シリーズは、このレースを含めて5戦で行われるわけですが、2戦目の函館記念と4戦目の札幌記念が北海道での競馬。
札幌記念に関してはG2戦なのでポイントの設定が高いため、函館記念、札幌記念と連勝する馬が出てくると、その馬が事実上のシリーズチャンピオンとなります。
ただし、それは相当に高いハードルで1年前にトウケイヘイロ-が達成して以来出てきていませんし、その年は札幌競馬が改修工事中だったため、どちらも函館競馬場で行われたという特殊な事情がありました。
また、札幌記念は、〝スーパーG2とか準G1”と言われる定量戦ですので、本当の一線級が参戦してくることも多いため、レースのレベルが格段に違うことをわかっていなくてはいけません。
函館記念の重要性
先述した通り、函館記念、札幌記念の連覇でサマー2000シリーズのチャンピオンが決まるといっても過言ではありません。
つまり、函館記念と札幌記念をセットで考えている馬は、札幌記念のことは考えずに函館記念に全力投球してくるわけです。
たとえ函館記念を圧勝したとしても、札幌記念は定量戦ですからハンデを重くされるということはありませんので。
函館記念を勝って、札幌記念に続戦し3着となって15点を持ったまま、最後の新潟記念の結果を待つというのが現実的な戦略で、そのことからも、ここに出走の面々には、〝勝つ”ことが何よりもの意味を持つということを忘れないでください。
2着で良い、3着で良いは馬券を買うファンの側からの理論でしかありませんので。
函館2,000mの特徴
福島競馬同様に、一般的に、小回り・平坦な函館競馬場ですけども、2000m戦はイメージほど楽ではありません。
スタンド前の直線を延長したポケットからのスタートで、1コーナーまでの直線距離は476mもあります。
1800mよりも前半のペースが速くなり、下級条件でもラップが大きく前傾するのが特徴です。
そのため、逃げ切りは困難。
ただ、後方一気が決まるわけでもなく、勝ち馬の大半は先行馬に落ち着きます。
直線が短いこともあり、4角である程度の位置につけていないと差し切るのは難しい。
上がりのかかる展開で強い先行馬を中心視するのが基本。
差し馬なら、自ら位置取りを押し上げることができる、機動力のあるタイプであることが条件となる。
外に出したとしても3頭分までと思っていて良いでしょう。
中団からの差し切りが決まるとすれば、直線はインをつくと決めつけるくらいで良いのではないでしょうか。
それらを念頭に入れた上で、ハンデも踏まえて1頭ずつみていきましょう。
函館記念(G3)2024の登録馬
今年の登録馬は20頭なので、出れることが確定しているアケルナルスターまでを見ていきます。
アウスヴァール 54キロ
OP入り後は大きな着順が続いており、54キロは妥当なハンデ。
セールスポイントをあげれば、巴賞を除外となったことでダメージがなく、フレッシュでいられること。
好走出来るとすれば、好枠を引いてすんなり逃げれたケースのみとなりましょう。
アケルナルスター 56キロ
札幌日経OP2着、巴賞3着、福島記念5着ですから56キロは妥当。
函館滞在で長期休養明け2戦目。
地力は確かで函館適正も高いことから、
≪無碍には出来ぬ存在≫
エミュー 54キロ
中山金杯のときから据え置き。
その後のレースぶりをみていると、1キロ軽くても良いのではと感じるのですが。
巴賞を使ったことで上向いてはいるのでしょうが、強調材料がありません。
エンパイアウエスト 53キロ
5歳牝馬ですがキャリアはまだ11戦。
昇級初戦となるため53キロで出れます。
エミューは秋華賞にもお出になられている馬ですが、エミューより、よほどこっちを買いたいですね。
オニャンコポン 57キロ
メイS、巴賞と続けて好走。
特に前走の巴賞では久しぶりにこの馬らしさを感じました。
この馬自身、走れる状態にありますので、あとはこの馬より強い馬、上のパフォーマンスをする馬が何頭くらいいるか?というのがこの馬の着順となりましょう。
グランディア 56キロ
エプソムC6着からのローテーションは良いと感じます。
また、そのエプソムCも着順以上の好内容だったことで、人気よりは上に来れるんじゃないかなという予感もします。
ただ、函館の芝はやってみないとわかりませんが、コース形態は向いてないように感じており、その部分が原点となりますね。
サヴォーナ 57.5キロ
昨秋の神戸新聞杯2着以降トップクラスに駆け上がり、その後思ったほどの成績とはなっていませんが、この馬は強い馬ですよ。
重賞を勝っていないのに57.5キロかぁという気持ちはありますが、『重賞を勝っていないので58キロにはできない』ということ。
今回のメンバーでは、この馬の元値が一番だと私は思いますし、仮に函館記念、札幌記念と連勝できるとするならば、私はこの馬しかいないと思っています。
サンストックトン55キロ
近2走はそこそこの人気に推され、そこそこのレースをしています。
1800よりは2000の方がこの馬にはレースがしやすいことはプラスです。
ただそれにプラスして55キロを加味したとしても突き抜けるまでのすごい脚があるわけではなく、強い先行馬とも言えずで…。
チャックネイト 58.5キロ
ハヤヤッコと並びトップハンデの1頭で、現実にAJC杯でG2勝ちを果たしています。
堀調教師が「他馬との辻褄合わせではなくレーティングを優先して欲しい。あまり重いハンデなら使わないかもしれない」と揺さぶりをかけたことで58.5キロに留まったかなという印象を持ちます。
JRAやハンデキャッパーに対する脅迫とまでは言えませんが、こういうのって昔からある話で、こういうこともできる調教師だから馬主や牧場から信頼されてもいるわけです。
デビットバローズ56キロ
OP入り後は大阪城Sを2着、G3新潟大賞典を4着、巴賞を1番人気で2着ですから、ハンデ戦のG3は手の届くところにいます。
武豊騎手ですから、今回もそつなく乗ってくれるだろうという見込みも立ちますしね。
ただし、やはり、総合力と言う観点で少なくとも単勝は買いづらい。
仮に3着だったとしたら、大健闘と言って良い部類だと思うのですが。
トップナイフ57.5キロ
昨年の札幌記念で離されたとはいえ2着したことでアッと言わせた馬。
そのぶん0.5キロ増やされたという印象です。
現在の函館の馬場が合っている可能性が高く、無碍には出来ない存在です。
ただし、やはり、長期休養明けのレースで余裕があることも事実。
過度の期待は出来ません。
ハヤヤッコ 58.5キロ
チャックネイトと並んでのトップハンデで2年前の覇者。
大阪杯の12着は仕方がないとして、昨年の函館記念5着、中日新聞杯2着、金鯱賞4着がこの馬の実力。
ただ、ハンデを考えればさヴォ-ナとかホウオウビスケッツとガチンコ勝負の上、負かせよと要求してもかわいそうとしか言いようがありません。
プラチナトレジャー 55キロ
福島民報杯の3着から1キロ増
洋芝は良い感じがしますが、それだけでどうこう言うには、ここはこの馬にとって相お手が強過ぎる。
4コーナーでは大外を廻しているイメージでもありますし、ちょっと打つ手がない感じ。
ホウオウビスケッツ 57.5キロ
9戦3勝の4歳馬で巴賞の勝馬。
そのぶん0.5キロ増やされたという毎年のことですけども、巴賞の戦い方がポイントとなりますね。
陣営は、「ハナに行く必要はない」と現状の真っ向勝負でいいという構え。
好走の可能性は捨てきれませんが、私的には、今回は単勝の買いづらいタイプです。
マイネルクリソーラ 56キロ
中山金杯が55キロだったことで、そこからは1キロ増となりますが、いわゆるレーティングの高い馬なので、56キロは恵まれているのでは。
勝ち切れるかとまでは難しいのですが、先行して粘り強いレースが出来そうで注目の一頭となります。
内で我慢するより、外目の枠から地力勝負が良いでしょう。
リカンカブール 58キロ
11戦5勝で中山金杯を制していますので58キロは妥当と言えましょう。
大阪杯大敗以来ですが、重賞勝ち馬に相応しい調教を積んでおり、あとは実戦感といったところ。
函館記念2024の傾向
函館開催の古馬総決算。1965年の創設で芝2000mのハンデ戦となったのは2000年からです。
ここでは過去10年を振り返ります。
G3だと3着以内、G1、G2だと4着以内が欲しい
実績面ではG3なら3着以内、G1、G2だと4着以内がないと連対までは難しい。
1着馬に例外はなく、:2着馬にも1頭のみ。
ただ、3着なら4頭の例外がいる。
巴賞組か重賞組
ステップでは、同じ函館の巴賞組が最多の5連対。
次いで目黒記念組が4連対。
なお、巴賞組を除く連対馬15頭中14頭は、重賞組。
したがって、条件級だったりOP特別組も減点が必要。
ベテラン世代が奮闘
年齢別連対数では、6歳馬=最多の8連対。7歳馬=5連対。連対馬20頭のうち3頭までもがこの世代で締められている点は驚き。
なお、連多率ならば4歳馬となります。
一方で、牝馬は1頭のみの連対、3着も1頭。
ただし、出走馬が全部で8頭に過ぎないため、このデータの軽視は禁物。
1番人気は3連対、2番人気も2連対
あとの15連対は3番人気以下ですから、やはり〝荒れる重賞”です。
たとえ人気薄でも、滞在競馬向き(テンションが高く、滞在することで馬体減を防げる)、洋芝巧者を思い切って狙う手はありですね。
まとめ
函館記念2024のポイントから出走予定馬の詳細まで解説してきました。
私は、サヴォーナを高く評価しているので、今買えと言われれば、サヴォーナの単勝を買います!
ここまでを踏まえた上で、追い切りをチェックし、各馬の状態、各陣営の本気度を探っていくことで、正解=当たり馬券に近づけていきましょう!
追切後の予想と推奨買い目
追い切り格付けチェック記事内で、追切後に公開しています。