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帝王賞2024 過去傾向から読み解く無料予想を公開!

地方競馬重賞予想

中央は宝塚記念が終わり、いよいよ夏競馬へ。芝の総決算は終わりを告げました。
そして今度は、夏の砂の頂上決戦帝王賞。このレースをもって正式に上半期は幕を閉じます。
クラシックディスタンス2000mにて、王座を狙う13頭がぶつかり合います。

帝王賞2024の基本情報

開催日時 2024年6月26日(水)
グレード Jpn1
開催競馬場 大井競馬場 11R
コース ダート2,000m

コース解説

紛れのないチャンピオンコースである大井2000m。春秋古馬ダート最強決定戦の舞台となっているこのコースはスピード、スタミナどちらも兼ね備えていなければ乗り切れません。
中央の砂に比べれば深い砂。中央馬の場合東京1600mや中京1400mとは性質もコース形態も違いコーナーを4回経験するだけに、ここまでワンターンしか経験していない馬、地方未経験の馬等はやや疑う必要があります。

出走表

馬名 性齢 斤量 騎手 所属地区 調教師 前走 当該距離 当該距離+競馬場 寸評 短評
1 1 グランブリッジ 牝5 55 坂井瑠星 栗東 新谷功一 エンプレス杯 2着 1-0-0-1 初出走 混合でも 川崎記念2着に続き強豪ぞろいのエンプレス杯でも2着で成長を感じる。大井の砂も問題はなくこのメンバー相手でも上位。
2 2 ライトウォーリア 牡7 57 𠮷原寛人 川崎 内田勝義 川崎記念 1着 1-0-1-4 0-0-1-2 南関王者 前走川崎記念は大金星。だが馬場状態不良の恩恵もかなりあった。過剰に人気するなら疑ったほうがいい。
3 3 ディクテオン セ6 57 横山和生 栗東 吉岡辰也 名古屋GP 4着 1-0-0-1 初出走 近走善戦 惜しい4着がどうしても続く。捲ってスピードに乗り切れないと厳しいだけに展開の利が欲しいところ。
4 4 サヨノネイチヤ 牡5 57 西啓太 大井 坂井英光 大井記念 1着 3-0-0-0 3-0-0-0 夢乗せて ナイスネイチャの遠い親戚。交流重賞競走自体初。ライトウォーリアやヒーローコールに勝ちはあるものの様子見レベルか。
4 5 ノットゥルノ 牡5 57 武豊 栗東 音無秀孝 名古屋GP 1着 2-2-0-2 1-2-0-2 前走強い 前走は逃げて圧勝。右回りなら何の不安も無く得意の大井。ウシュバもドゥラエレーデもいないならここは連すら外したくない筈
5 6 トランセンデンス 牡6 57 安藤洋一 高知 田中守 名古屋GP 10着 0-1-1-4 0-0-0-1 厳しいか 2歳時JBC2歳優駿2着あり。しかし直近の遠征先ではからっきしで地元で感が強い。
5 7 セラフィックコール 牡4 57 レーン 栗東 寺島良 川崎記念 5着 初出走 初出走 真価問う 低迷4歳勢希望の光。右回りは4戦全勝だが展開、大井の砂が合うのかどうか。レーンで大井2000はカフェファラオがちらつく…
6 8 ウィルソンテソーロ 牡5 57 川田将雅 美浦 小手川準 ドバイWC 4着 1-1-0-2 0-1-0-1 実績上手 東京大賞典2着、ドバイ4着は実績上手で原から川田は鞍上強化。しかし遠征帰りで身体が仕上がっているのかどうか。
6 9 マースインディ 牡9 57 藤田凌 大井 阪本一栄 大井記念 9着(ゆりかもめ特別は取消) 0-0-0-6 0-0-0-6 ここでは 現状南関OPで頭打ちでは通用する要素が見当たらない。かなり厳しいだろう。
7 10 バーデンヴァイラー 牡6 57 森泰斗 川崎 内田勝義 大井記念 2着 2-1-1-1 0-1-0-0 連下まで 転厩2戦目の実質中央OP馬。とはいえ負けている相手関係からもここでは分が悪い。狙うなら連下まで。
7 11 メイショウハリオ 牡7 57 浜中俊 栗東 岡田稲男 チャンピオンズC 5着(サウジCは取消) 2-0-1-0 2-0-1-1 王座防衛 3連覇を狙う王者だがサウジCはザ石で取消。仕切り直しの1戦で状態は戻っているか。とはいえ大井は好相性で衰えもないなら。
8 12 キングズソード 牡5 57 藤岡佑介 栗東 寺島良 かしわ記念 4着 1-0-0-1 1-0-0-1 見直せる 前走は追い出してからいつもの伸びがなかった。春3戦目で身体に若干の締まりが欲しいところ。当日の馬体重次第。
8 13 ヒロイックテイル セ7 57 矢野貴之 高知 田中守 名古屋GP 2着 0-0-2-2 初出走 距離不向 前走は超大穴で激走したものの、どちらかといえば非根幹の方が向いている。当日大雨等で馬場が渋れば見直し入りそうだが…

王者ウシュバテソーロ、BCクラシック2着のデルマソトガケに東京大賞典、チャンピオンズCで善戦したドゥラエレーデに加え、地方では南関東3冠馬ミックファイアは不在ですが、中央から参戦の7頭はいずれも強豪ぞろい。夏の砂王決定戦に相応しいメンバーが顔を合わせました。

帝王賞の傾向

※2014年~2023年までのレースデータ使用

人気傾向

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1 1-4-2-3 10% 50% 70%
2 3-1-2-4 30% 40% 60%
3 2-1-1-6 20% 30% 40%
4 1-2-1-6 10% 30% 40%
5 2-1-2-5 20% 30% 50%
6 1-0-1-8 10% 10% 20%
7人気以下 0-1-1-66 0% 1% 2%

6番人気までで10年間掲示板をほぼ独占しているのは見ての通りなのですが、勝率はかなりばらけています。1番人気の勝率が10%で、一番高い数値が2番人気の30%ということからも人気はそれほどあてになりません。
ただ、7番人気を下回ると途端に好走率が減少するため、ここまでを好走ラインとしてもよさそうです。

・過去5年の帝王賞3連単配当
2019年 ⑤→①→⑭ 16,550円
2020年 ⑧→⑪→⑥ 1,870円
2021年 ④→⑪→⑬ 2,387,990円
2022年 ⓽→⑥→② 40,390円
2023年 ④→②→① 7,220円

2021年は大本命オメガパフュームが敗れ、10番人気のノンコノユメが2着に突っ込み238万馬券が飛び出しました。
それ以外の年も決してガチガチで収まることはありません。人気的には勿論固くとも、順番を当てるとなるとかなりばらけます。連複で厚くいくか、連単はBOX買いが良いでしょう。

◎ 人気は固くとも配当は跳ね気味。1点勝負などは避けたいところ。

枠傾向

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 脚注
1 1-1-2-7 9% 18% 36% 人気上位で圏外はアスカノロマンのみ。G1級勝利があれば軽視禁物
2 1-3-1-7 8% 33% 41% 人気薄好走はなくとも上位陣が安定。
3 2-0-0-12 14% 14% 14% 1着か着外か。リッキー、ゴルドリクラスでないと好走は…
4 3-0-2-10 20% 20% 33% それなりの人気馬が入っていても凡走も多い。数字ほど信用できないか…
5 1-2-0-15 5% 16% 16% クリソライト以外【0-0-0-15】。後方勢は軒並み惨敗で…
6 0-2-2-15 0% 10% 21% 善戦はあれども勝利なし。先行すると逆に惨敗…
7 0-2-1-16 0% 10% 15% 先行すると惨敗は6枠と変わりなし。中団なら。
8 2-0-2-16 10% 10% 20% 人気馬が飛び、人気薄が好走。とはいえども中央勢の人気薄限定。

かなり面白い傾向です。5枠はクリソライト以外軒並み掲示板外。一方6,7枠は先行勢が敗れ、中団から進める馬たちが好走するという結果に。これは人気馬人気薄関係なくこの傾向のため、少し注意してもいいかもしれません。
また8枠の人気薄は要注意です。人気が落ちている馬がスタートからコーナーまで一番周りの出方を見ながら行ける枠であるため、中央勢の人気薄が入った場合は警戒しましょう。

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率
逃げ 0-2-0-16 0% 11% 11%
先行 5-4-4-18 16% 29% 41%
差し 4-4-5-36 8% 16% 26%
追込 1-0-1-28 3% 3% 6%

やはり王座決定戦というべきか、本来なら有利であるはずの逃げ馬は相性がかなり悪いです。他の馬たちからマークされるというのがいかに厳しい戦いを強いられるということか。
逃げでの勝ちは2011年のスマートファルコンまで遡らないとなく、相当の実力が必要です。
こうなるとやはり番手から進める馬が有利なのに変わりなく、マンマークできる先行勢を狙い撃ちするのが良いでしょう。

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率
4 4-4-1-12 19% 38% 42%
5 2-3-1-20 7% 19% 23%
6 3-0-2-25 10% 10% 16%
7 0-2-5-20 0% 7% 25%
8歳以上 1-1-1-21 4% 8% 12%

4歳馬の成績が圧倒的に良く、次点に6歳、5歳、7歳と続きます。
砂路線の王座は長い間変わらないという印象が強いためこれは少し意外な結果ですが、思えばケイティブレイブやオメガパフューム、クリソベリルにテーオーケインズも帝王賞初制覇は4歳でした。次代を担う馬たちの世代交代や、王座を不動のものにするレースと考えれば納得も行きます。

ポイント1 大井記念からの転戦は何がカギ?

地方馬の勝利は2010年のフリオーソ以来なく、今年は14年ぶりの悲願もかかる一戦。地方馬の大将格はライトウォーリアにサヨノネイチヤです。ではサヨノネイチヤらが転戦してきた大井記念からは何がカギになるか。走破タイムで見てみると直近で好走したモジアナフレイバー(2019年 5着)の走破タイムが2.05.0。単純比較はできませんがこのレベルの時計はほしいところです。
今年の大井記念の走破タイムは2.08.6。かなり厳しい戦いになりそうです。

・大井記念組(消し)
・サヨノネイチヤ
・バーデンヴァイラー
・マースインディ

ポイント2 前哨戦グレードの相性

当然グレードレースからの転戦が多くなるこのレース。G1とG3で勝率が並んでいる一方、G2の勝率はかなり落ち0パーセント。とはいえG2レースが直近になかった(23年までは直近で一番大きいG2はゴドルフィンマイル。国内に限るとエンプレス杯、東海Sまで遡る)前年までとはあまり比較しないほうが良く、それよりもG1の複勝率が高いことに注目をしたほうが良いです。
軸とするのであれば前走G1をピックアップしたほうが良いでしょう。
そして、過去10年の勝ち馬のうち国内G1からの連勝はのべ7頭。今年の該当馬はライトウォーリアのみです。過剰に人気するようでなければ回目に入れておいた方がいいでしょう。

・前走G1かつ3着以内
・ライトウォーリア

帝王賞参考レース

‘23 東京大賞典(G1 大井D2000m)※1着 ウシュバテソーロ
2着 ウィルソンテソーロ 原 6人 2.07.4
4着 ノットゥルノ 武豊 5人 2.07.6
5着 キングズソード 岩田望 2人 2.07.7

…チャンピオンズCと打って変わって逃げたウィルソンテソーロがそのまま先頭で直線に向き、逃げ切り体勢。しかし最後は大外から一完歩ずつ差を詰めたウシュバテソーロの末脚に屈した。それでもドゥラエレーデには抜かせず2着を死守して実力誇示。
ノットゥルノ、キングズソードはじりじりとしか伸びずに4,5着。後方一気を決められたウシュバテソーロただ1頭の次元が違った。

川崎記念(Jpn1 川崎D2100m)

1着 ライトウォーリア 吉原 7人 2.15.5
2着 グランブリッジ 川田 5人 2.15.5
4着 ディクテオン 本田 6人 2.15.7
5着 セラフィックコール 1人 ムルザバエフ 2.16.4
6着 ノットゥルノ 武豊 3人 2.17.3

…好スタートからライトウォーリアがそのまま先手を取り、1000m1.02.1という極悪馬場にしてはやや速いペースで進めると、直線に入ってもその脚は全く鈍らない。並びかけてきたアイコンテーラーに抜かせないばかりか、最後の100mで加速してきたグランブリッジの強襲も退けて頭差の大金星でJpnⅠ初制覇。エスプリシーズ以来の地元川崎の戴冠成った。
捲ってきたディクテオンは4着で、断然人気のセラフィックコールは後方からいつもの伸びがなく5着に敗れた。

名古屋グランプリ(Jpn2 名古屋D2100m)

1着 ノットゥルノ 武豊 1人 2.10.9
2着 ヒロイックテイル 多田羅 7人 2.12.5
4着 ディクテオン 岡部誠 2人 2.13.8
10着 トランセンデンス 大畑 10人 2.17.3

…スタートを決めてノットゥルノが逃げ、後続を突き放していく。追いかける馬はなく、向こう正面で既に大差。そのまま8馬身差をつける大楽勝劇を魅せた。
2着に3番手からよく脚を伸ばしたヒロイックテイルが入り、ディクテオンは仕掛けが遅れたこともあって4着。トランセンデンスは後方のままレースを終えた。

大井記念(S1 大井D2000m)

1着 サヨノネイチヤ 西 1人 2.08.6
2着 バーデンヴァイラー 森 5人 2.08.7
9着 マースインディ 藤田凌 9人 2.11.1

…気合をつけてバーデンヴァイラーが逃げるペース。サヨノネイチヤは好位から進め、勝負所で内を突こうとするもバーデンヴァイラーが内を締めて一瞬仕掛けを遅らせた。
それでも外から確実に伸び、最後はきっちりバーデンヴァイラーを捉えて先頭でゴールイン。連勝記録を伸ばすと同時に、堂々と帝王賞への道程を照らした。

‘23帝王賞(Jpn1 大井D2000m)

1着 メイショウハリオ 浜中 2人 2.01.9
8着 ノットゥルノ 武豊 5人 2.03.4

…後方から末脚勝負に賭けたメイショウハリオが上り最速で勝ち切った。
国内Jpn1初制覇に向け内で粘るクラウンプライドと砂の統一を図るテーオーケインズをねじ伏せ、2連覇を達成し帝王としての名を再度世に知らしめた。
ノットゥルノは全く見せ場がなく8着。馬体が増え過ぎていたのも要因か。

最終見解

◎はウィルソンテソーロ。前走のドバイWCは4着だったとはいえ十分に世界クラスの実力は感じさせてくれました。世界最高峰の舞台で後方2番手から直線だけで4番手に上がってきたということ、昨秋の東京大賞典では2着に逃げ粘ったことからも自在性に富んでいる脚質は大きな魅力です。海外遠征帰りでも問題はなく、このメンバー相手でも好走できるはずです。〇には名古屋グランプリを圧勝したノットゥルノ。左回りの川崎記念は参考外とするなら今年はいずれも強い競馬。佐賀記念を使ったのもここに向けての賞金加算だったと考えれば今年の本気度は違います。
▲に牡馬相手でも善戦し、強豪ぞろいのエンプレス杯でも2着に入線したグランブリッジ。以下、連覇を狙うメイショウハリオ、川崎記念のように楽逃げ出来ればのライトウォーリア、JBCクラシック勝ちがあり軽視はできないキングズソードと続けます。

◎ ウィルソンテソーロ
〇 ノットゥルノ
▲ グランブリッジ
△ メイショウハリオ
△ ライトウォーリア
☆ キングズソード

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この記事を書いた人
蒼井 隼

1990年代生まれの20代ライター。ほぼ年齢と同じくらいの時間を競馬と共にしてきた。「オッズを疑え」が信条で、大本命がいるレース程穴馬探しに燃える。(ゆえに的中率は低いが当たるとでかい)
最近の推しは道営の雄シルトプレに岩手所属のサクラトップキッド。

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