今年のオークスは、NHKマイルカップに大量に流れたこともあって登録が20頭。
そのうちのちょうど3割の6頭もがなんと1勝馬。1勝馬=本賞金400万円の6頭のうち4頭が出走出来ることになります。
そのため、総体的なメンバーレベルが低い戦いとなってしまいましたが、とはいえオークスは大レース。
ダービー前の大勝負といきたいですね。
ヴィクトリアマイル追い切り全頭診断
すでに枠順が決まっていますので、これらを踏まえたうえで、枠順に沿って今年のメンバーをみていきましょう。
1枠1番 アルマヴェローチェ
4戦2勝の3歳牝馬。
4月13日、G1桜花賞で2着だった以来なので、中5週。
中間
初時計は先月30日。
栗東坂路で軽めを計3本、CWで長め1本、長くて速い時計1本。
今週の追い切り
栗東坂路で併せ馬 55.1-40.3-25.4-12.3
時計が遅い分、登坂が楽。
四肢がキレイに伸びている点に好感。
ただし、無理をしなかった分、楽に走れているというだけで、ソコソコではあるのですが、高い点数をつけることが出来ません。
《危険な人気馬なのでは》
※最短距離を走れることになりましたが、どこで外に出すのか難しい枠ともなりました。
枠は、一長一短ですね。
1枠2番 レーヴドロペラ
6戦1勝の3歳牝馬。
《除外の可能性・抽選対象》
3月22日、G3フラワーカップで7着だった以来なので、2ヶ月ぶり。
中間
プールに7回も入っています。
初時計は先月6日。
美浦坂路で軽め3本、ポリトラックで軽め1本、ウッドで長くて速い時計1本。
今週の追い切り
美浦ウッドで併せ馬 82.6-66.2-51.4-36.7-11.5
中間も含めて、入念に攻めています。
今週も意欲的で、かなり飛ばしています。
動きも抜群で、ここまで仕上がっていれば悔いはないでしょう。
※もっと外の方が良かったと思いますが、7枠、8枠よりかはこの枠の方が良いのでは。
インで死んだふりが出来るのであれば、可能性は高まります。
2枠3番 パラディレーヌ
4戦2勝の3歳牝馬。
3月22日、G3フラワーカップで2着だった以来なので、2ヶ月ぶり。
中間
初時計は今月3日。
栗東坂路で軽めを計7本、CWで軽め1本、長くて超抜時計1本。
今週の追い切り
栗東CWで単走 39.5-11.0
時計になったのは3ハロンからですが、もともと楽走で終いだけの予定。
フットワークが弾んでいるし、ハリも上々。
先週が抜群の猛時計なので、オーバーワークを避けるためにもこれで良いのでは。
《上々・買い得る》
※この馬も、もっと外が良かったクチで、この枠は乗り方が却って難しいのでは。
2枠4番 アイサンサン
4戦1勝の3歳牝馬。
《除外の可能性・抽選対象》
2月15日、1勝級・こぶし賞で3着だった以来なので、3ヶ月半ぶり。
中間
初時計は今月7日。
栗東坂路で軽めを1本、強め1本、速い時計1本。
今週の追い切り
栗東坂路で単走 54.1-38.6-24.8-12.3
先週の坂路50秒9が実質的な最終追いで、今週は馬の気持ちに任せて。
動き自体はキビキビ感があり、馬体はこんなもんかなという仕上がり。
ただし、コース追いをしていない点と、3ヶ月ぶりの割には全体量が足りていないかなという総量が気にかかります。
※この枠ならば、この馬が逃げることになるかもしれません。
変に抑えるよりは、行かせた方が良いのでは。
3枠5番 リンクスティップ
4戦1勝の3歳牝馬。
4月13日、G1桜花賞で3着だった以なので、中5週。
中間
初時計は今月7日。
栗東坂路で軽め1本、CWで長くて速い時計を2本。
今週の追い切り
栗東坂路で単走 55.9-40.7-26.3-12.6
楽走でスムーズではあったが、気性格に不安が残る。
馬体も薄く見えて、世間の期待ほどではないのでは。
《危険な人気馬と認定》
※出遅れることなく、うまく抑えが利くのならば、距離ロスが防げて良い枠ですが、そこまでうまくいくかどうか。
諸刃の刃と言える枠があたりましたね。
3枠6番 ビップデイジー
5戦2勝の3歳牝馬。
4月13日、G1桜花賞で11着だった以来なので、中5週。
中間
初時計は今月11日(=こないだの日曜、NHKマイルカップ当日)。
栗東坂路で軽め2本、強め1本。
今週の追い切り
栗東坂路で単走 56.4-40.7-26.4-12.8
楽走。
左右にバランスを崩す場面はありましたが、概ねきちんと走れています。
桜花賞の11着で大きく人気が下がるでしょうが、それを跳ね返せるだけのデキにあるとは思えません。
《ソコソコではあるのだが》
※足りるかどうかは別として、良い枠があたったのではないでしょうか。
この馬が好走できるとすれば、ロスのない競馬が絶対条件。
ロスのない競馬をするにあたっては、申し分のない枠があたったと言えましょう。
4枠7番 レーゼドラマ
4戦2勝の3歳牝馬。
3月22日、G3フラワーカップを勝って以来なので、2ヶ月ぶり。
中間
初時計は先月25日。
栗東坂路で軽め8本、CWで強め1本、長くて速い時計1本。
今週の追い切り
栗東坂路で単走 54.2-39.1-25.3-12.4
どっしり感がある。
集中して走れており、フットワークも軽やか。
《単勝を買って良いとまで思える》
※欲を言えば、6番か8番の偶数枠(=ゲートに後入れ)が良かったですが、この枠ならば、余裕を持って先行することが出来るのでは。
道中はじっとしていて、直線を向く頃には先頭争いをしている。
そこまでは楽に描ける良い枠が当たりました。
4枠8番 サタデーサンライズ
4戦1勝の3歳牝馬。
《除外の可能性・抽選対象》
4月13日、OP忘れな草賞で2着だった以来なので、中5週。
中間
初時計は今月14日(=先週の水曜)。
栗東CWで長め1本、坂路で軽め1本。
今週の追い切り
栗東坂路で併せ馬 54.4-39.7-26.0-12.5
先週の長めがかなりの負荷で実質的な最終追い。
今週は軽めも、思った以上の時計になったことが好調の証。
まずまず、せっかく使えるG1に相応しいだけには仕上がったと言って良いでしょう。
※この馬も前に行きたい馬なので、良い枠が当たったと言えます。
あとは、足りるかどうかでしょう。
5枠9番 エンブロイダリー
6戦4勝の3歳牝馬。
4月13日、G1桜花賞を勝って以来なので、中5週。
中間
初時計は今月11日。
美浦坂路で軽め2本、ウッドで長くて速い時計1本。
今週の追い切り
美浦坂路で3頭併せ ルメール騎手が乗り 52.2-38.0-24.4-12.1
実戦を想定し、我慢させる調教。
ゴーサインで重心が低くなり、しかも反応も早い。
桜花賞馬として恥ずかしくないデキにあり、恥ずかしくない競馬が出来るでしょうというところに来ています。
《走れる。着順はレースの機微次第》
※内過ぎず外過ぎず。
これならば、馬場のいいところを選んで進路取りが出来る。
勝てるかどうかは別として、好走の確率は上がったと言える枠です。
5枠10番 タイセイプランセス
4戦1勝の3歳牝馬。
《除外の可能性・抽選対象》
4月27日、G2フローラSで3着だった以来なので、中3週。
中間
初時計は今月14日。
美浦ウッドで軽め1本。
今週の追い切り
美浦ウッドで単走 石橋騎手が乗り 67.6-52.3-38.2-11.9
十分な負荷をかけています。
これは完全に、前走のフローラSと今回のオークスをセットで考えていたなというのがわかる調教(=つまりは全体量)。
バネがあって、跳びも大きく、東京コースは向いているなを調教からも感じさせます。
《穴っぽい。穴の資格ある》
※ゲートをすんなり出れるか、出遅れるかで大きく変わってきますけども、桜花賞馬をすぐ内に見てのレースはやりやすいのでは。
何はともあれ、出走にこぎつけたのは何よりものこと。
6枠11番 ウィルサヴァイブ
7戦2勝の3歳牝馬。
3月23日、1勝級フローラルウォーク賞を勝って以来なので、2ヶ月ぶり。
中間
初時計は今月4日。
栗東坂路で軽め3本、強め2本。
今週の追い切り
栗東坂路で併せ馬 団野騎手が乗り 55.8-39.9-25.4-12.4
楽走で頭を上げながらの走り。
良かった点は馬体に丸みがあることと、抑えが利いていたこと。
全体には、相応というか、ま、こんなところでしょうという評価となります。
※極端な内や外でなければどこでも良かったはずなので、まずまず。
6枠12番 ブラウンラチェット
4戦2勝の3歳牝馬。
4月13日、G1桜花賞で9着だった以来なので、中5週。
中間
初時計は今月8日。
美浦坂路で軽め2本、ウッドで軽め1本、長くて速い時計1本。
今週の追い切り
美浦ウッドで併せ馬 嶋田騎手が乗り 83.1-67.6-52.2-37.9-11.8
余裕を持った追走で後肢の運びに余裕がある。
スムーズな動きが目につき、まずまず以上。
ゲート次第ですが、《桜花賞より良いレース出来そう》
※出遅れなければ前に行けて不思議なし。
出遅れたなら腹を括って内を取りに行く。
両面作戦でしょうね。
7枠13番 タガノアビー
5戦2勝の3歳牝馬。
5月3日、1勝級・矢車賞を勝って以来なので、中2週。
中間
初時計は今月14日(=こないだの日曜、NHKマイルカップ当日)。
栗東坂路で軽め1本。
今週の追い切り
栗東CWで単走 84.9-68.0-52.0-35.8-11.0
連闘してからの中2週でも攻めてきました。
時計も十分だし、馬にまとまりもあるし、気合面では唸っている。
実績の劣る馬が、せっかく大レースに出れるのですから、他の馬もこのくらいやってくれないと困ります。
《陣営の姿勢や良し、穴の資格ある》
※全5戦、全てで出遅れていますので、今回も出遅れる可能性が高い。
道中は少しでもロスをなくしたいので、出遅れて内に入れる方が良いのでは。
7枠14番 サヴォンリンナ
4戦2勝の3歳牝馬。
4月13日、OP忘れな草賞を勝って以来なので、中5週。
中間
初時計は今月8日。
栗東坂路で軽め1本、CWで軽め1本、長くて速い時計1本。
今週の追い切り
栗東坂路で単走 58.5-42.4-27.0-12.6
完全な楽走。
馬は走りたがっているなと感じさせるが、巧く抑えが利いていた。
《状態は問題なく、あとは力関係》
※この枠で先行しようと思ったら、1コーナーで外に振られることになりますので、もっと内が欲しかった。
無理に行かさず、進出するのは直線部分の向正面という器用な立ち回りができれば良いのですが…。
7枠15番 カムニャック
4戦2勝の3歳牝馬。
4月27日、G2フローラSを勝って以来なので、中3週。
中間
初時計は今月11日。
栗東坂路で軽め3本、CWで長くて速い時計1本。
今週の追い切り
栗東坂路で単走 53.0-39.0-24.9-12.2
絶妙な負荷のかけ方で、今回のレースにあたってもプラスだし、地力強化にもプラス。
スムーズに駆けれており、好調キープと言って良い。
《馬が良くなっている》
※この枠だと、後方待機と腹が決まったことでしょう。
直線でどこをまわってくるか、できればロスなく前が開くことを祈るのみですね。
8枠16番 ゴーソーファー
5戦2勝の3歳牝馬。
4月27日、G2フローラSで16着だった以来なので、中3週。
中間
初時計は今月8日。
美浦ウッドで軽め1本、長め1本、坂路で軽め2本。
今週の追い切り
美浦ウッドで併せ馬 津村騎手が乗り 83.8-67.9-53.1-38.3-11.5
馬体に丸みがあるも、やや頭の高い走り。
走りがワンペースだなという点も気になる。
前走のようなこと(=16着)はなさそうですが、かといって一変とまではいきますまい。
※どのみち行く気はなかったでしょうから、枠はどこでも良かったはず。
とはいえ、もっと内のほうが良かったことは言うまでもありません。
8枠17番 ケリフレッドアスク
6戦1勝の3歳牝馬。
《除外の可能性・抽選対象》
5月3日、スイートピーSで3着だった以来なので、中2週。
中間
初時計は今月18日(=こないだの日曜、ヴィクトリアマイル当日)。
栗東CWで軽め1本。
今週の追い切り
栗東芝で単走 ディー騎手が乗り 67.1-52.4-38.7-12.4
負荷をかけすぎてはいけないし、遅い時計ではもの足りないということで芝コースを選択。
馬体にハリがあって、活気もある。
1勝馬ながらオークスに出れるのだから、こういう努力をしてくれると納得がいきますね。
100万馬券くらいになるのであれば、この馬が絡んでもおかしくない。
《デキ自体は良い》
※出れたことは素晴らしいのですが、運もそこまで。
欲を言っても仕方がないのですが。
8枠18番 エリカエクスプレス
3戦2勝の3歳牝馬。
4月13日、G1桜花賞で5着だった以来なので、中5週。
中間
初時計は今月7日、栗東坂路で軽め3本、CWで長くて速い時計1本。
今週の追い切り
栗東坂路で単走 55.7-40.2-25.6-12.4
楽走。
馬体はちょっと線が細い感じ。
促されると、迫力があり、走る馬だなと感じさせますが、動きそのものはあくまでも『ソコソコ』まで。
《狙っていたのでガッカリ》しました。
※これは天を仰ぐしかない。
こうなると壁を作るのは難しいし、行かせるとかかる恐れが。
この枠が、負けたときの敗因の一つに数えらるでしょう。
除外・回避 エストゥペンダ
6戦1勝の3歳牝馬。
《除外の可能性・抽選対象》
4月27日、G2フローラSで4着だった以来なので、中3週。
中間
初時計は今月7日。
美浦坂路で軽目を計3本、ウッドで長くて速い時計1本とかなり意欲的。
今週の追い切り
美浦ウッドで併せ馬 三浦騎手が乗り 82.0-65.4-50.9-36.5-11.3
今週も攻めてきました。
時計も十分過ぎるというだけでなく、もともとが、リュクスティール(=古馬1勝級)を1秒1も先にやって、1秒0も先着するという圧巻の動き。
穴馬たるものこうでなくてはいけません。
三浦騎手のファンならば、《三浦騎手のG1初制覇》を期待しての単勝まで買って良い。
※残念。
除外・回避 ルージュソリテール
3戦2勝の3歳牝馬。
5月3日、指定オープン・スイートピーSを勝って以来なので、中2週。
中間
10日の日にプールに入っていますが、コースでの時計は出していません。
今週の追い切り
※回避の予定なので、10日プールに入った以来で、そもそも、その後時計を出していません。
出走しません。
オークス追い切りからの買い目
好調馬、特に1勝級で抽選組が一生懸命仕上げて来ているなという感想を持ちました。
ただ、桜花賞で2着だったアルマヴェローチェ、3着のリンクスティップ。
この両馬の狙いは下げたいので、私は買いません。
能力、状態ともにクリアしたのは桜花賞馬のエンブロイダリー。
ただ、この馬も勝ちきれるとまでの信頼度には至らず。
よって、エンブロイダリーからの3連複が一番買いやすい馬券ということになります。
3歳牝馬による、2400mという距離ですから、相手も単純に状態の良い馬ということで良いでしょう。
割と穴目の買い方ですが、十分に可能性があると考えており、3連複が本線。
3連単はこれだけ買いましょう。