競馬ファンにとって永遠のテーマである歴代最強馬論争。
どの馬が強いのか、あの馬とあの馬が戦ったらどうなるのか…永遠にわからないからこそ、この論争は恐らく、競馬が存続する限り終わらない論題でしょう。
そこで、今回は競馬ナビの考える歴代最強馬ランキングTOP10を発表したいと思います。
歴代最強馬ランキングTOP10
- 中央所属馬のみを対象として作成
- 全馬「全盛期」を基準に選定
- 「八大競走」およびジャパンカップの勝利馬を中心に選定(例外あり)
※八大競走とは皐月賞、東京優駿、菊花賞、桜花賞、優駿牝馬、天皇賞・春、天皇賞・秋、有馬記念を指す。
今回のランキングは、こちらの評価基準に沿って作成いたしました。
「想像していた馬が入っていない」という点も考えられますが、あくまでも競馬ナビの内で設定した基準に沿って作成したランキングとなります。
それでは、1位の馬から発表していきます。
1位:ディープインパクト
馬名 | ディープインパクト |
性別 | 牡 |
父 | サンデーサイレンス |
母 | ウインドインハーヘア |
母父 | Alzao |
馬主 | 金子真人HD |
調教師 | 池江泰寿(栗東) |
生産者 | ノーザンファーム |
生涯戦績 | 14戦12勝 [12-1-0-1] |
生涯獲得賞金 | 14億5,455万円 (中央のみ) |
主な勝ち鞍 | 2005年 無敗三冠 |
JRA賞受賞歴 | リーディングサイアー(2012~2015年) JRA顕彰馬選出(2008年) 年度代表馬(2005・2006年) 最優秀4歳牡馬(2006年) 最優秀3歳牡馬(2005年) |
言わずと知れた無敗三冠馬。彼の主戦を務めた武豊騎手自身が「英雄」と名付けた二つ名を持つ同馬の走りは、「空を翔ぶような走り」と言われました。
国内で負けたのは3歳時の有馬記念のみ。
出走したレース全てで1番人気なのはもちろん、1倍台前半の単勝オッズが当たり前。中団後方からどんな展開でも「翔んでくる」その姿は、まだ幼かった私の心をつかんで離さない、本当の「英雄」でした。
どんな戦隊モノのライダーやアニメの主人公より輝いて見えたあの走りは、20年以上時が経った今でも鮮明に覚えています。
恐らく今後はイクイノックスとどちらが強いのかという比較がされていくことになりますが、同馬のポイントは「天皇賞・春をレコードタイムで勝っている」ということ。
加えて、「残り1000m地点では後方4番手にいながら坂の上りでロングスパートを開始し、4角先頭で直線を迎え、そこから上り最速で2着に3と1/2馬身をつけて勝利した」という、文字にしてみると意味不明なことを、あっさりとやってのけてしまっています。
まだその走りを映像で見たことがない方は、この機会にぜひ検索してみてください。恐らく「なんだこの馬は!?」となるはずです。
先行馬が粘り切ろうとしている時にこんなことをされては、どんな名馬も太刀打ち不可能です。
「日本近代競馬の結晶」と評されたディープインパクトを超える衝撃は、果たしてこの先訪れるでしょうか。
2位:イクイノックス
馬名 | イクイノックス |
性別 | 牡 |
父 | キタサンブラック |
母 | シャトーブランシュ |
母父 | キングヘイロー |
馬主 | シルクレーシング |
調教師 | 木村哲也(美浦) |
生産者 | ノーザンファーム |
生涯戦績 | 10戦8勝 [8-2-0-0] |
生涯獲得賞金 | 17億5,655万円 (中央のみ) |
主な勝ち鞍 | 2023年 ジャパンカップ 2023年 ドバイシーマクラシック |
JRA賞受賞歴 | JRA年度代表馬(2022年・2023年) JRA最優秀3歳牡馬(2022年) JRA最優秀4歳以上牡馬(2023年) |
ディープインパクトに並ぶ最強馬論争の座に、長らく君臨し続けていたシンボリルドルフ。その彼に並ぶほどの名馬がイクイノックスだと思っています。
「昭和」のシンボリルドルフ、「平成」のディープインパクト、そして「令和」のイクイノックス…というのはまだ気が早すぎですが、イクイノックスのポテンシャルは、間違いなく無敗の三冠馬2頭に肉薄、もしくは凌駕してしまうものを秘めていると思われます。
3歳時の春はジオグリフ、ドウデュースを相手に敗れ、惜しくもクラシックには手が届かなかったイクイノックスでしたが、秋初戦の天皇賞・秋を異次元の上り3F32.7秒で勝ち切ると完全に覚醒。以後は引退までG1を5連戦しすべてを勝利しました。
その勝ち方は全て濃いもので、特にドバイシーマクラシックでは世界を相手に圧巻の逃げ切り勝ちを決めています。しかも直線ほぼ追わずにアイルランドダービー馬のWest Overや、後に英G1のプリンスオブウェールズSを勝つMostahdafらを子ども扱いしての快勝。
この後行われたサンクルー大賞典でWest Over(ドバイSC2着)とZagrey(同3着)がワンツーを決めた時には、海外のメディアによって「この2頭に勝ったのが日本のイクイノックスである」と大々的に報じられました。
そんなパフォーマンスが評価され、与えられた評価は「世界1位のレーティング」。その実力を見せつけるかのように、帰国初戦の宝塚記念は大外から差し切り勝ちを決め、天皇賞・秋は1分55秒2という、競馬ゲームでも滅多に出ないような時計で圧勝。
引退レースのジャパンカップは、大逃げを打ったパンサラッサを2番手にいたタイトルホルダーより先に交わすという強さで、自身の競走馬生活のフィナーレを飾りました。
ディープインパクトやシンボリルドルフなど、歴代の名馬と比較した際に唯一のマイナスポイントとなるのが「長距離G1での実績のなさ」。
ただ、血統的には父キタサンブラック、母父キングヘイローならこなせるようにも思えます。トリッキーな有馬記念も勝利しており、現代競馬の3200mなら瞬発力勝負で押し切れてしまう予感も。
絶対に叶いませんが、彼が歴代の名馬と走る夢のレースを見てみたいものです。
3位:シンボリルドルフ
馬名 | シンボリルドルフ |
性別 | 牡 |
父 | パーソロン |
母 | スイートルナ |
母父 | スピードシンボリ |
馬主 | シンボリ牧場 |
調教師 | 野平祐二(美浦) |
生産者 | シンボリ牧場 |
生涯戦績 | 16戦13勝 [13-1-1-1] |
生涯獲得賞金 | 6億8,482万円 |
主な勝ち鞍 | 1984年 無敗三冠 1985年 有馬記念 |
JRA賞受賞歴 | 優駿賞年度代表馬(1984年・1985年) 優駿賞最優秀4歳牡馬(1984年) 優駿賞最優秀5歳以上牡馬(1985年) JRA顕彰馬(1987年選出) |
ディープインパクトが出てくるまで、揺るぎない絶対王者として最強馬論争のトップに君臨していたのがシンボリルドルフ。その勝ち方、名前から「皇帝」という二つ名がつけられていました。
ディープやイクイノックスと比較しても脚質に派手さはありませんが、その分「絶対に好位置から交わし去る」という安定感がありました。
それは「横綱競馬」というより、「皇帝の絶対支配」とも取れるような位置取り。他馬が確実にルドルフを意識してレースせざるを得なくなるという強さでもありました。
デビュー戦である新潟芝1000m(当時は右回りで千直ではない)のレースを「1600mのつもりで乗ってくれ」と岡部騎手に依頼した野平師。
彼は後年「競馬に絶対はないが、ルドルフには絶対がある」という名言を残しています。そのくらい、ルドルフの強さには自信を持っていたのでしょう。
皐月賞でライバルとなるビゼンニシキを下して臨んだダービーでは、勝負所で仕掛けた岡部騎手に対してルドルフは全く反応しませんでした。
ところが、直線に入ると自らハミを取って進出を開始し、先を行く3頭を差し切って二冠達成。「ルドルフに競馬を教えてもらった」と、名騎手である岡部騎手に言わしめたのです。
そんな名騎手と名伯楽に、想像もつかないような強さを教えたシンボリルドルフ。当時の日本競馬にとって鬼門だったジャパンカップも、3歳時は3着(体調が万全でない+菊花賞から中1週)と好走し、翌年しっかりとリベンジ。
公営・大井のロツキータイガーと、レース創設5回目にして初の日本馬ワンツーを飾りました。
残念ながらアメリカ遠征ではレース中に左前脚繋靭帯炎を発症したこともあって6着に敗れましたが、日本国内では依然最強のまま引退。産駒にトウカイテイオーも輩出し、皇帝から帝王へ、その血脈は受け継がれていったのです。
ディープインパクトは後方一気、イクイノックスは自在性という脚質ですが、シンボリルドルフは競馬の王道である先行。
真に強い馬が後続をねじ伏せるその強さは、間違いなく現代でも通用するように思えます。
4位:オルフェーヴル
馬名 | オルフェーヴル |
性別 | 牡 |
父 | ステイゴールド |
母 | オリエンタルアート |
母父 | メジロマックイーン |
馬主 | サンデーレーシング |
調教師 | 池江泰寿(栗東) |
生産者 | 白老ファーム |
生涯戦績 | 21戦12勝 [12-6-1-2] |
生涯獲得賞金 | 13億4,408万円 |
主な勝ち鞍 | 2011年 三冠 2013年 有馬記念 |
JRA賞受賞歴 | 年度代表馬(2011年) 最優秀3歳牡馬(2011年) 最優秀4歳以上牡馬(2012年・2013年) JRA顕彰馬(2015年選出) |
「凱旋門賞の制覇に最も迫った日本馬」であるオルフェーヴル。日本競馬の悲願であるそのタイトルまで、後僅かのところまで手が届いていました。
3歳時、皐月賞を制した時は4番人気の評価に過ぎなかったオルフェーヴル。ですが、この勝利を皮切りに、続く日本ダービーは不良馬場もものともせず優勝。神戸新聞杯は先行してあっさり勝利し、三冠最後の菊花賞は4角先頭で後続をねじ伏せ、ディープインパクト以来となる三冠を達成しました。
古馬初戦の阪神大賞典は大外に逸走して2着と敗れ、天皇賞・春は11着と大敗。本来の輝きが失われつつあると見られながら、ファン投票1位で出走した宝塚記念で復活の勝利を挙げます。
威風堂々、日本代表として凱旋門賞に駒を進めましたが、結果は2着。4コーナー、大外から一気に先頭へ立ち、完全に勝ったと思われたところで内ラチに向かって逸走。
急激に失速すると盛り返してきた2番手のソレミアに差し負け、日本競馬の悲願はまたしても叶いませんでした。
騎乗したクリストフ・スミヨン騎手は「間違いなく一番強かった。凱旋門賞の4コーナーから馬なりで先頭に立てるような馬を僕は他に知らない」と語っていたように、実力は間違いなく届いていました。
その世界レベルの実力は評価しつつ、ステイゴールド産駒らしい気分屋なところも加味して、4位にランクインです。
5位:ナリタブライアン
馬名 | ナリタブライアン |
性別 | 牡 |
父 | ブライアンズタイム |
母 | パシフィカス |
母父 | Northern Dancer |
馬主 | 山路秀則 |
調教師 | 大久保正陽(栗東) |
生産者 | 早田牧場新冠支場 |
生涯戦績 | 21戦12勝 [12-3-1-5] |
生涯獲得賞金 | 9億4,742万円 |
主な勝ち鞍 | 1994年 三冠 1994年 有馬記念 |
JRA賞受賞歴 | 年度代表馬(1994年) 最優秀3歳牡馬(1993年) 最優秀4歳牡馬(1994年) JRA顕彰馬(1997年選出) |
「三冠達成時点で最強だった馬」というテーマで話をするのなら、もしかするとルドルフやディープよりも先にこのナリタブライアンが出てくるかもしれません。
デビュー前からその素質を高く評価されており、主戦騎手であった南井騎手が追い切りに騎乗した際に「オグリと同じ背中の感触だった」と語っています。
そのくらい将来を嘱望されていたナリタブライアンですが、2歳時は1200m戦が不適だったこともあり、デビューしてしばらくは成績が安定しませんでした。
しかし、適距離のマイルから中距離以降に距離がシフトしていくと、もう同世代に敵はいませんでした。京都3歳Sからダービーまで破竹の6連勝を飾り、見事に二冠を制覇します。
休養を挟んで復帰初戦の京都新聞杯こそ2着に敗れますが(単勝オッズは1.0倍でした)、本番の菊花賞は危なげなく後続をぶっちぎってレコードタイム(しかも兄・ビワハヤヒデが前年に打ち立てたレコードを更新して)で優勝。
この前週、兄は天皇賞・秋で故障を発生し完敗。そのまま引退となりました。だからこそ、この菊花賞の直線で「弟は大丈夫だ!」と杉本清氏が言ったセリフは、名実況として語り継がれています。
三冠戦の着順は皐月賞からそれぞれ3と1/2馬身→5馬身→7馬身と広げており、走るたびに進化を見せていたナリタブライアン。
勢いそのままに暮れの有馬記念も制し、3歳にして中長距離路線の王者となった同馬の走りは、まさに天下無双と言えるものでした。
菊花賞で騎乗した南井騎手は「他馬に交わされることは絶対にない」と思い、目を保護するゴーグルを3,4コーナーの中間で外しています。それくらい菊花賞時点、いや3歳終わり時点のナリタブライアンの強さは圧倒的でした。
故障により長期休養を挟んだ後のナリタブライアンは、一度も全盛期の走りになかったと言われています。
もし3歳の時の実力のまま古馬シーズンを迎えることができていたのなら…その願いの片鱗は、彼が4歳初戦の阪神大賞典で見せた走りに詰まっているような気がします。
6位:テイエムオペラオー
馬名 | テイエムオペラオー |
性別 | 牡 |
父 | オペラハウス |
母 | ワンスウエド |
母父 | Blushing Groom |
馬主 | 竹園正繼 |
調教師 | 岩元市三(栗東) |
生産者 | 杵臼牧場 |
生涯戦績 | 26戦14勝 [14-6-3-3] |
生涯獲得賞金 | 18億3,518万円 |
主な勝ち鞍 | 2000年 古馬王道完全制覇 1999年 皐月賞 |
JRA賞受賞歴 | JRA賞年度代表馬(2000年) 最優秀4歳牡馬(1999年) 最優秀5歳以上牡馬(2000年) 顕彰馬(2004年選出) |
「オペラオーの競馬はつまんねえんだ。出たら絶対勝つんだから」
昔、父がそんな話を筆者にしてくれたことがあります。
2000年にテイエムオペラオーが樹立した8戦8勝、古馬王道G1完全制覇(当時)という記録は、2025年2月現在でも破られることのない偉大な記録です。
特に有馬記念で見せた走りは圧巻。レース当日の朝に額を強打し、内出血がある状態での出走となったオペラオーを、まるで全ての馬が囲むかのように道中を進めていきます。
「勝ち続けると、全ての馬が敵になる」という、後年のJRA・CMでも使われた表現がまさにぴたりと当てはまるような構図で、オペラオーは完全に身動きが取れなくなりました。
しかし、直線半ばで馬群がばらけると、僅かな隙間を突いてオペラオーは伸び、200m強のみのレースで前を行く10頭を差し切って見せました。この走りに、各陣営は脱帽。かつてルドルフを管理した野平祐二師に「ルドルフを超えたと言われても反論しない」言わしめるレースぶりでした。
しかし、これまで取り上げた馬に比べると、勝ち方に派手さはありません。この連勝中に彼がつけた最大の着差は天皇賞・秋の2と1/2馬身で、後は全て0.0~0.1のタイム差。地味な印象がぬぐえないのに加え、「勝ち過ぎて面白くない」という印象が、名馬の割に評価を下げている要因でしょう。
それでも、年間無敗の古馬王道完全制覇は、2025年現在、彼以外に成し得た馬はいません。
現代では海外遠征の充実や番組表の拡大によって、春古馬三冠や秋古馬三冠すべてのレースに出走する馬は減少し、同一年に古馬中長距離戦線のG1を複数勝つような馬すら珍しくなっています。
そんな路線を一度も負けずに駆け抜けたテイエムオペラオーは、間違いなく歴史に名を残す偉業を成し遂げているのです。
7位:サイレンススズカ
馬名 | サイレンススズカ |
性別 | 牡 |
父 | サンデーサイレンス |
母 | ワキア |
母父 | Miswaki |
馬主 | 永井啓弐 |
調教師 | 橋田満(栗東) |
生産者 | 稲原牧場 |
生涯戦績 | 16戦9勝 [9-1-0-6] |
生涯獲得賞金 | 4億5,598万円 |
主な勝ち鞍 | 1998年 宝塚記念 |
JRA賞受賞歴 | 特別賞(1998年) |
正直、一番ランキングに入れるか迷ったのがこのサイレンススズカです。
G1は1勝。JRA賞の受賞も特別賞のみ。戦績だけ見ればこの最強馬ランキングに割って入れるような成績ではないという人も中にはいるでしょう。
しかし、彼が見せた伝説の戦績は、間違いなくここに名を連ねている名馬たちに劣らないものだと思うのです。
3歳時には弥生賞でゲートをくぐるなど、まだまだ若さを見せていたサイレンススズカ。
秘めたる素質は確かながら、控える競馬を覚えさせたいという陣営の思惑と気性がなかなか合致せず、安定しない成績で春シーズンを終え、逃げに脚質をシフトした秋も勝利を挙げられないまま3歳を終えます。
ですが、暮れに遠征した香港で手綱を取った武豊騎手は「この馬、化け物ですよ」と、同馬の実力を高く評価。
4歳初戦のバレンタインSには、サイレンススズカのためだけに武豊騎手が東上してきました。
そこからはもう連戦連勝。金鯱賞ではコースレコードを記録する「逃げて差す」競馬で2着馬を2秒近く離して圧勝し、宝塚記念は後続を引き付けながらもエアグルーヴを抑え切って逃げ切り勝ちを決め、初の、そして生涯唯一のG1制覇を挙げました。
そしてあの有名な毎日王冠。グラスワンダーとエルコンドルパサーという無敗の外国産馬2頭をチャンピオンとして迎え撃ち、影をも踏ませない逃走劇で完勝。逃げて上り3Fは35.1秒というメンバー中2位の末脚で勝利したその強さは、もう誰にも止めることのできないものと思われました。
翌年、フランスに渡ったエルコンドルパサー陣営のコメントが、彼の強さをより際立たせています。
それは「国内の馬との勝負付けは済んだ…。」
彼が日本で負けたのはただ1頭、サイレンススズカのみです。それほどまでに、この毎日王冠での彼の走りは、誰も勝つことができないといえるものでした。
「逃げ馬の究極系」にとどまらず、「サラブレッドの究極系」とも評されたサイレンススズカ。次走、天皇賞・秋で、彼はスピードの向こう側へ駆け抜けていきました。
8位:エルコンドルパサー
馬名 | エルコンドルパサー |
性別 | 牡 |
父 | Kingmambo |
母 | Saddlers Gal |
母父 | Sadler’s Wells |
馬主 | 渡邊隆 |
調教師 | 二ノ宮敬宇(美浦) |
生産者 | Takashi Watanabe |
生涯戦績 | 11戦8勝 [8-3-0-0] |
生涯獲得賞金 | 3億7,607万円 (中央のみ) |
主な勝ち鞍 | 1999年 サンクルー大賞典 1998年 ジャパンカップ |
JRA賞受賞歴 | JRA顕彰馬選出(2014年) 年度代表馬(1999年) 最優秀4歳以上牡馬(1999年) 最優秀3歳牡馬(1998年) |
あるアメリカの専門誌には「この馬の血統を見よ!」と、エルコンドルパサーの血統が取り上げられたと言います。そのくらい、強烈なインブリードが内包されていたエルコンドルパサー。
彼の血統では、Special、Lisadell 4 x 4 x 3、Northern Dancer 4 x 3、Native Dancer 4 x 5というクロスが発生。優れた遺伝を抽出するために行われるインブリード配合ですが、それは同時に近親配合となるため、体質の弱さなどが遺伝しやすい諸刃の剣ともなる配合理論なのです。
果たしてエルコンドルパサーの配合は成功しました。デビュー戦はダートでしたが、最後方から直線だけで前を行く8頭を交わして7馬身差の圧勝を挙げます。
芝のレースでもその強さは本物で、初の芝となったニュージーランドトロフィーも楽勝。そのままNHKマイルCも勝ち、秋には世界の強豪を相手にジャパンカップもあっさりと勝利して見せました。
翌年、渡仏したエルコンドルパサーは、早い時期から凱旋門賞を目指して調整が進められ、欧州2戦目のサンクルー大賞典を制覇。続くフォワ賞も勝利し、本命候補の1頭として凱旋門賞に駒を進め、残り150mまで先頭で粘り続けました。
最後こそモンジューに交わされてしまったものの、世界最高峰のレースで日本馬が後僅かのところまで来たという事実は、間違いなく日本のホースマンに活力をもたらしました。
エルコンドルパサーが貰ったレーティングの数値は「134」。2023年にイクイノックスに抜かされるまで、日本調教馬1位の値を保持し続けていました。
9位:ダイワスカーレット
馬名 | ダイワスカーレット |
性別 | 牝 |
父 | アグネスタキオン |
母 | スカーレットブーケ |
母父 | ノーザンテースト |
馬主 | 大城敬三 |
調教師 | 松田国英(栗東) |
生産者 | 社台ファーム |
生涯戦績 | 12戦8勝 [8-4-0-0] |
生涯獲得賞金 | 7億8,668万円 |
主な勝ち鞍 | 2008年 有馬記念 2007年 エリザベス女王杯 |
JRA賞受賞歴 | 最優秀3歳牝馬(2007年) 最優秀父内国産馬(2007年) |
アーモンドアイやジェンティルドンナなど、数多の女傑が出てきた今でも、このダイワスカーレットを超える衝撃をくれたような名牝には、未だ出会えていません。
3歳時に桜花賞を勝ち、秋華賞、エリザベス女王杯も制覇。熱発がなければほぼ間違いなく牝馬三冠を達成していたであろう彼女は、暮れの有馬記念でも並みいる強豪を退けて2着。
翌年、始動戦とした大阪杯を勝ちながらも故障。休養を挟んで迎えた天皇賞・秋でのウオッカとの激闘は、20年近くも前のことなのに鮮明に覚えています。
1000m通過は58.7秒というハイペース。その厳しいペースを作りだしたダイワスカーレットは、道中、上がってきたトーセンキャプテンに突かれ、息を入れる暇が全くないまま直線へ。通常であれば、完全に負けパターンです。
絶好のタイミングで追いだしたウオッカとディープスカイが満を持して迫ってきた坂の頂上で、そのまま飲み込まれていくかに見えました。
しかし、ダイワスカーレットはライバルであるウオッカを見て火が点いたのか、そこからもう一度盛り返して叩き合いに。ハイペースで逃げ、息も入れずに最後の直線で盛り返してくるような馬は、20年後の現在でも見たことがありません。
迫ってきたディープスカイは競り落とし、外のウオッカと馬体をあわせての大接戦ドゴーンでゴールイン。勝負の行方は写真判定に持ち込まれ、13分に及んだ写真判定の結果は、ハナ差でウオッカに軍配が上がりました。その着差は僅か「2センチ」。
敗れはしたものの、ダイワスカーレットも勝者と呼んでいいとさえ思えるような、そんな激闘でした。
次走に選んだ有馬記念では、前年の雪辱を晴らす快勝劇。連対率100%のまま、稀代の女傑はターフに別れを告げました。
10位:スペシャルウィーク
馬名 | スペシャルウィーク |
性別 | 牡 |
父 | サンデーサイレンス |
母 | キャンペンガール |
母父 | マルゼンスキー |
馬主 | 臼田浩義 |
調教師 | 白井寿昭(栗東) |
生産者 | 日高太陽牧場 |
生涯戦績 | 17戦10勝 [10-4-2-1] |
生涯獲得賞金 | 10億9,262万円 |
主な勝ち鞍 | 1999年 ジャパンカップ 1998年 日本ダービー |
JRA賞受賞歴 | 特別賞(1999年) |
2024年のジャパンカップでは、オーギュストロダンやゴリアットなど、海外の強豪を相手に日本代表として挑むドウデュースが「日本総大将」として多くのファンから応援されていました。
そんな「日本総大将」の二つ名を、最初にジャパンカップで使われたのがスペシャルウィーク。ディープインパクトが出てくるまでは、父サンデーサイレンスの最高傑作としても名高かった存在です。
3歳時はセイウンスカイ、キングヘイローと共に「三強」を結成。皐月賞と菊花賞こそセイウンスカイの前に敗れますが、日本ダービーは道中10番手のいわゆる「ダービーポジション」からレースを進め、上り最速の末脚でぶっちぎりの快勝。騎乗した武豊騎手は、初のダービージョッキーの栄冠を掴みました。
古馬になって以降も天皇賞・春を勝利し、古馬路線では存在感を発揮。ですが、宝塚記念でグラスワンダーの後塵を拝し、京都大賞典はまさかの7着敗退。
誰もが「終わった」と思った天皇賞・秋で馬体をきっちり絞って来ると、直線で外から目の醒めるような直線一気。最後は粘るステイゴールドを僅かに捉え、復活のG13勝目を飾りました。
レースの後、武豊騎手が前年、競走中の事故でこの世を去ったサイレンススズカの名前を出し「彼が背中を押してくれました」と語った話はあまりにも有名です。
そして次走、無事なら前年、サイレンススズカも出走するはずだったジャパンカップに「日本総大将」として参戦。モンジューやタイガーヒルなど、海外の強豪を相手に流石の走りで連勝を飾りました。
ラストランでグラスワンダーと見せた激闘は、今も多くの競馬ファンの心に残っています。
もしかすると本当にサイレンススズカの魂が、秋のスペシャルウィークを少しだけ後押ししてくれていたのかもしれません。
歴代最強馬のまとめ
ここまでTOP10形式で、人々の記憶に残る名馬を紹介してきました。
順位 | 馬名 |
---|---|
1位 | ディープインパクト |
2位 | イクイノックス |
3位 | シンボリルドルフ |
4位 | オルフェーヴル |
5位 | ナリタブライアン |
6位 | テイエムオペラオー |
7位 | サイレンススズカ |
8位 | エルコンドルパサー |
9位 | ダイワスカーレット |
10位 | スペシャルウィーク |
しかし、決してここにランクインしなかった馬達も、この馬達に劣るというわけではありません。
競馬の醍醐味は「血統」を、そして「時代」を追えるという事。あの馬とあの馬が戦ったら、もしもあの時あの馬があのレースに出てきていたら…そんな妄想を居酒屋や競馬場で仲間たちと語らうのが、一番楽しいひとときだったりするのです。(いや、一番うれしいのは万馬券が当たる瞬間ですけどね!)
人はだれしも自分の中に「最強馬」がいます。
その馬達を超える名馬を見る瞬間は、もしかすると今日この時かもしれません。次なる「最強」になるために、今日も優駿たちはターフを駆けていきます。
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